子供の「挑戦する勇気」を育むには親の「〇〇」を見せる!効果的な声掛けとは

挑戦する力

子育て中のママなら、我が子に思うのは「失敗を恐れずいろんなことに挑戦して欲しい。その一歩を踏み出して欲しい」という希望ですよね。挑戦する勇気のある子は、様々なことを経験して吸収し、あらゆる面が伸びていきます。

しかし、「うちの子は引っ込み思案でなかなか挑戦してくれない…」と悩む方も多いのではないでしょうか。あと一歩が踏み出せないあまり成功までたどり着けず、もどかしさを覚えるママもいるかもしれませんね。

挑戦する勇気、出ない子が増えている?

子供 手をつなぐ

挑戦する勇気、子供には持って欲しいものですよね。しかし最近では挑戦する勇気を持てる子が減っているとも言われています。

情報化社会で生きる私たちは、簡単に正しい情報を入手できます。すると何事も「危ないことはないか」「リスクはないか」と慎重になりすぎてしまい、失敗を必要以上に恐れてしまうのです。子供にも「危ないよ」「それはやっちゃダメ」と過剰に心配するママもいるかもしれませんね。

また、情報の中には成功者の体験談がたくさん見つかります。成功ありきの体験ばかりが目立ち、失敗することやそのリカバリー方法には注目されないのも、「挑戦する勇気」が持てない要因かもしれません。

「成功体験は大切」でも、失敗体験は?

子育てにおいて、「成功体験は大切」とよく言われています。ママの中にも一度は耳にしたことがある方は多いでしょう。

確かに、成功体験は大切です。成功体験を重ねることで、子供は「また挑戦しよう」「次はもっと大きな目標を立てよう」と前向きに物事を捉えられます。ただ、成功体験にばかり目が行き、「失敗してはいけない」「失敗しそうだからやめておく」と必要以上に予防線を張っていないでしょうか。

実は、失敗体験は成功体験と同じくらい大切。挑戦は例え失敗しても、子供にとって「良い経験」であることに間違いはないのです。子供があと一歩挑戦する勇気が持てない、と悩む方は「成功体験」ばかりを重視していないか今一度思い返してみてください。

我が子の「あと一歩」が出ない…それは失敗体験不足かも

あと一歩、子供が挑戦する勇気が出ないのは、「成功しなきゃ」と考えるあまり失敗体験を積んでいないからかもしれません。塾講師であり進学塾の経営も行う富永雄輔先生は、子供の挑戦力に対してこのようにおっしゃっています。

「49の失敗体験があってこそ、51の成功がより生きるのだと考えることが大事。子どもの挑戦力を育てるためには、失敗体験は欠かせないのです」

挑戦できない子が増えている?その原因と挑戦できる子の育て方 保育と暮らしをすこやかに【ほいくらし】

挑戦がなかなかできない、あと一歩が踏み出せないのは、成功体験が足りないよりも失敗体験が不足しているのかもしれません。もちろん失敗は少なく済ませたいもの。失敗や危険を正しく恐れることは、悪いわけではありません。失敗体験を積極的に設ける必要はありませんが、失敗を怖がるあまり何もチャレンジできていないようであれば、環境を整えて挑戦する機会を増やすのもおすすめです。

挑戦する勇気を消してしまう親のNG行為

姉妹で遊ぶ

本来、子供は好奇心旺盛で何事にも意欲的です。しかし、挑戦する勇気が出ないのはなぜでしょうか。もしかすると、ママ・パパの言動によって子供の行動が制限されているのかもしれません。

次は、挑戦する勇気を消してしまうNG行為について考えていきましょう。

リスクを恐れて挑戦をやめさせてしまう

先ほども説明したように、周囲の大人が「危ないことはやめて欲しい」と過度にリスクを恐れて挑戦させないものです。例えば子供が公園で遊んでいて、少し高い位置に登ろうとしているとします。もちろん周囲の迷惑になる場合や、子供に危険が及んでいる場合は止めるべきですが、最初から「落ちるかもしれないから、遊具で遊んではダメ」と禁止させるのは挑戦力を失わせるかもしれません。

リスクを理解することは大切。ですが、必要以上に怖がらないように、子供の挑戦は親ならではの心の広さで受け止めてあげてください。

失敗や間違いを親が正してしまう

子供が失敗するところ、間違えて残念にするところを見たくない、というママもいるかもしれませんね。繰り返しになりますが、それでも失敗や間違いは子供にとって大切な経験になるのです。

失敗を先回りして正したり、間違った部分を親が直してしまうのは絶対にNG。先回りをするのなら、「この子はこっちのほうが楽しめるかも」「この部分は難しいから、声掛けを工夫しよう」といったようにポジティブなやり方を選びましょう。

「失敗はダメ!」と間違った認識を植え付けている

失敗すること、間違えることは誰にでもあります。ママ自身一度も失敗しなかったという方はいませんよね。さらに、失敗した後は「これに気を付けよう」「手を出すと危ないな」とさまざまな学びがあったはずです。

子供にとってもそれは同じ。「失敗したらいけないよ」と過度に失敗を怖いものとして教えず、失敗を許してあげる気持ちを持ちましょう。

「失敗しても大丈夫。ママが何とかするから」と以前私も母に言われたことがあります。これは数十年経っても強く記憶しており、私にとって勇気の出る言葉のひとつです。こんな声掛けが自然に子供にもできると、ベストですね。

挑戦する勇気を育むために…親の「失敗」を子供に見せよう

親子 笑顔

では、挑戦する力を育むためには親の何を見せたら良いのでしょうか。冒頭でもお伝えしたように、それは「親の失敗」です。具体的に解説します。

「失敗体験」は「成功体験」と同じくらい大切

今、育児において「経験させるべき」と重要視されている成功体験。ですが、失敗体験は同じくらい大切です。

失敗すると「なぜ失敗したのか」を学びます。包丁を使うと手を切る危険があるし、濡れた道を走ると滑って転びます。この失敗体験は子供を成長させる大きな力になるのです。子供は親の姿を見て育つと言いますが、子供をより成長させるためには親の「失敗体験」を見て学ばせるのも重要かもしれません。

時には失敗体験を子供に教えてあげて

ただ、「失敗体験」というとネガティブな印象がありますよね。そのため、ママの中には「子供にはみっともない姿は見せられない」「子供の前で失敗しないようにしよう」と無意識のうちに隠しているかもしれません。

そうではなく、時には失敗体験を子供に教えてあげて、気持ちに寄り添うのも大切です。

ママ、パパだって嫌いな食べ物があり、嫌なことだってできないことだってありますよね。子供が同じような壁にぶつかっていたら「ママも小さい頃、かけっこがうまくできなかったよ」といったように、小さな失敗体験を話してあげましょう。「でも練習したら少しだけ早く走れるようになったよ」と次につながる対処法や対応方法を話してあげると、子供は自然と身近な「失敗からの成功体験」を学べるはずです。

失敗した時は子供に対してママならではのケアを

また、もし失敗した時は子供に対してママならではのケアをしてあげましょう。失敗したあと大切なのは「間違いを正すこと」でもなく「失敗を反省する」ことでもなく、「成功したものを見つけて褒める」ことです。

「昨日よりはできたよね!」「この部分は上手だね」と次につながる声掛けをしましょう。子供の成功も失敗もそばで見てきたママならではの気付きは必ずたくさん見つかります。

まとめ

子供のあと一歩挑戦する勇気を出すためには、親の失敗を隠すことなく見せるのは大切です。「成功体験を重ねる」のももちろん大切。しかし、成功の裏にはたくさんの失敗があり、失敗からさまざまなものが学べることも、正しく子供に教えていきたいものです。

ご家庭にあった子供の挑戦する勇気を引き出す方法を見つけて、子供の成功をサポートしてあげましょう。

【参考】

「失敗を恐れない力」の育て方。子どもに「挑戦したい!」と思わせる、効果抜群な言葉かけ

挑戦できない子が増えている?その原因と挑戦できる子の育て方  保育士を応援する情報サイト 保育と暮らしをすこやかに【ほいくらし】

心理学者が教える、子どもに自信をつける15の方法  ホンシェルジュ

「あと一歩」の勇気を子どもに手渡したい時  All About

ABOUT US
【監修】久保田 由華久保田 由華
公認心理師、臨床心理士。
NY州立大学にてメンタルヘルスカウンセリングの修士号修得。NYCのNPOにてアシスタントサイコロジストとして勤務後帰国。
大学、クリニック、心理相談室等で勤務。7000ケース以上のご相談を担当。

心の相談室こころラボを設立し、カウンセリング以外にも子育てママのためのセミナーやスクール、ママのためのオンラインコミュニティを運営。