みなさんは「べき思考」をご存知ですか?べき思考とは、ついやってしまう思考のクセ、考え方の方向性です。
“ついやってしまう”と表現されるように、このべき思考はあまり頻繁に使いすぎると自分の生活や一緒に暮らす家族の行動や考えを制限してしまいます。特に、毎日育児に家事にお仕事に、と忙しいママにとってはとても厄介なものです。
今回はべき思考とは何か、なぜ子育て中のママこそべき思考に陥ってしまうのか、べき思考を手放すための方法をご紹介します。
無意識のうちに…ママが陥る3大「べき思考」とは?

無意識のうちに起こってしまうべき思考。考え方のクセというとそれまでですが、実はべき思考は意識して減らさないとママの生活だけでなく、一緒に暮らすパパや子どもにまで影響を及ぼします。
育児中は特にべき思考が起こりやすいもの。気を付けたいママだからこそ起こる「3大べき思考」をまずは解説します。
ママはこうあるべきという自分への固定概念
子どもができて、育児が始まると自然に「ママ」として生きることになります。
みなさんはママという存在にどんなイメージを持ちますか?世間一般のママ像と自分の生活を当てはめて、「型にはまったママでいるべき」とべき思考が働いているかもしれません。
- 母親は自分の趣味や自分の時間を持つのは贅沢
- 母親なんだからこういう格好をするべき
- 母親だから子どもを優先して当たり前
など、ママはこうあるべきと自分に対して固定概念を抱いてしまう方は多いでしょう。
「ママだから子どもを好きでいるべき」「ママだから行事に参加するべき」など、個人の自由を奪っていないでしょうか?今一度べき思考で自分の本心が埋もれていないか、見つめなおしてもよいかもしれません。
子どもはこうあるべきという子どもへの固定概念
次は、子どもに対してのべき思考。
- 子どもは20時には寝るべき
- 子どもは遊園地やお外遊びが好きでいるべき
- 子どもは親とずっと過ごすのが幸せに違いない
こちらも、子ども一人一人が持つ個性を見ずに、型にはめられた子ども像を我が子に押しつけています。
子どもに対するべき思考は、育児の在り方のハードルを上げてしまうことにもつながります。例えば「子どもは20時に寝るべきだから、ご飯は18時には済ませなきゃ。そのためには私はお買い物と食事の支度を済ませるべきで、だから子どもにも〇時に帰ってもらわないと」とかえってママが生きづらい状況を作ってしまうのです。
家族とはこうあるべきという家族への固定概念
家族とはこうあるべきという固定概念も、育児中のママには起こりやすいものです。
- 休日は家族全員で出かけるべき
- 〇時以降は家族全員で過ごすべき
- これをしたのだから、みんな私に感謝するべき
家族は自分が何も言わなくても、理想通りに生活してくれると期待してしまうのがこのべき思考。思ったような反応がなかったり、子どもやパパが自分の想像とは違う言動をすると、ママにとってのストレスに変わってしまいます。
また、このべき思考に付き合っている家族も疲れてしまいますよね。自分のストレスを高めることや、周囲との良好な関係も築けないことから、べき思考はデメリットが多いと考えられます。
なぜ起こるの?ママの中の「べき思考」の原因とは

では、なぜべき思考はママの中で起こりやすいのでしょうか。特に育児中のママに起こるべき思考。次はその原因を掘り下げて考えてみましょう。
過去にあった「当たり前」の風潮
育児中のママに対して起こるべき思考は、ずっと前からある「当たり前」が原因の場合が多いです。ママはこうあるべき、母親とはこうであるという概念は、これまでの時代を生きてきたスタンダードなママの印象と比較して起こりますよね。
以前は、母親は働かず家事と育児を担当するのが当たり前だったかもしれません。また、父親が台所に立つのは不自然と考えられたこともあったかもしれませんね。少し極端な例ですが、こんな古い考えでなくても、
- 母親が独身が好きそうな漫画やアニメを好むなんて
- 母親なのに派手なトレンドの服装をするなんて
- 母親なのに化粧を楽しむ時間があるの?
といった些細な当たり前の風潮が世の中には意識しないうちに浸透していて、ママの中のべき思考を構築していることも考えられます。
自分が受けた育児環境や教育
個人の持つべき思考、当たり前というのは、自分が育った環境が大きく影響しています。例えば「18時に食事をする」というのは、生まれ育った家ではその時間に晩御飯を始めていたなんてことが多いでしょう。
家族とは、子どもとはこうあるべきだ。なぜなら私がそうだったから、というのは自然な考えでもあります。しかし、その「当たり前」は今現在の家族に対して自然かどうかは、一度見つめなおしてみても良いかもしれませんね。
中には「子どものころは習い事をするべきと育てられた。だけど、今役に立っていると思えないし、うちの子は興味なさそう」と自分のスタンダードの不自然さに気づけるかもしれません。自分が受けたことが違うのかも?と疑ったら、我が子には繰り返さないのも、育児において大切なポイントです。
SNSから受ける現在の風潮や流行
今はママ達の中で、SNSを通じて全国どこに住んでいる母親の情報でも受け取りやすくなりました。つい何かを決めるとき「みんなはどう思っているんだろう?」と調べてしまうかもしれません。
こうしたSNSは人とのつながりを広げる良い面もありながら、流行や周囲との比較を生み出してしまう懸念点もあります。例えば「周りのママ達はおしゃれで素敵な暮らしをしているのに、私はそうじゃない…母親としてもっと頑張るべきだ」というように、新たな「当たり前」を作ってしまうのです。
情報で溢れすぎている今だからこそ、自分の基本的な考えを構築するにあたってあえて参考にしないのも大切です。今のママ達には情報の取捨選択も必要であるため、べき思考はどんなところにも転がっていると考えておきましょう。
べき思考を手放すための3つの方法

べき思考は完全になくせるわけではありません。しかし、「行き過ぎたべき思考」は説明したようにママの暮らしを生きづらくするだけでなく、一緒に過ごす子どもの常識や行動にも悪い影響が出てしまうことにも注意しなくてはなりません。
そこで、少しだけ自分の生活の重りを取り除く「べき思考を手放す方法」を考えてみましょう。
べき思考をまずは疑ってみよう
生まれ育った環境やこれまで当たり前と考えていたことは、なかなか疑えるものではありません。けれども、べき思考に陥っているときこそ、一度常識を疑ってみると自分の考えの「凝り」に気づけます。
- たまには子どもの就寝時間が遅くなってもいいんじゃない?
- 母親だって好きなことして遊びたいよね?
- 本当に子どもにとってこれが適しているのかな?
すべての常識を疑うのではなく、日常の中の一つ二つの当たり前で構いません。育児が辛い、日々が生きにくいと感じる瞬間こそ、べき思考になっていないかな?と考え直してみましょう。
敢えて自分と価値観の異なる人と関わろう
べき思考を手放すために、あえて自分と価値観が違う人と関わることもおすすめできます。これは「価値観の違う人の理解をする」という目的ではなく、「なぜこの人はこの行動をしたのだろう?」と考えることでべき思考に気づけるからです。
- 親切にしたのでお礼を言われると思ったら、何も感謝されなかった→親切に対して感謝するべきと考えていた
- 喜んでくれると思って子どもを遊園地に連れて行ったけれど、泣いてしまって大変だった→子どもは遊園地が好きであるべきと考えていた
- 同じママなのに休日1人で遊んでいる人と出会って、何となく不満に感じた→ママは休日も家族のために尽くすべきと考えていた
もちろん中には曲げられない自分の信念もありますが、こうしたちょっとした違和感からもべき思考に気づき、手放すことで柔軟な考え方ができるようになります。
自分にとって「嫌」と感じる考え方を受け止めよう
自分にとって嫌だなと感じることは、なかなか手放せないものです。
- 子どもがそんな遊びをするのは、嫌だな
- 母親なのにそんな格好をするのは、良くないでしょう
- 食事の支度を適当に済ませたいけど、認められないよね
この嫌だなという考え方は、ママにとってはそう思うだけで行っている子どもやママ友、常識はもちろん間違った行動をしているわけではありません。また、嫌という感情を無理やり納得するのが正解という話でもないのです。
ただ「そういう考え方もあるよね。あなたはそう思うんだよね」と受け止めるだけでOK。すると、「まあうちの子はこの遊びが好きなんだろうね」「このママはこの格好が好きなんだね」「食事の支度が適当でも、誰にも迷惑はかからないでしょう」と嫌の根底にあったうっすらとした「べき思考」を手放すことになります。
まとめ
育児中のママこそ陥りやすいべき思考。自分の常識や当たり前を疑うのは簡単なことではありませんが、少しずつ手放すと生きづらさがだんだんと解消されていくことがわかります。
家族や子どもに自分の当たり前を押し付けないよう、これからの時代に合う自然で柔軟な考え方を持てるとよいですね。
【参考】
べき思考を手放すには?認知のゆがみを生む原因や具体例、改善方法を紹介 丨コグラボ- Cognitive Behavioral Therapy Lab
「べき思考」を手放すために有効な5つの方法 | 対人恐怖症・依存症専門カウンセリング(大阪)
「こうあるべき」を手放せば、人生は楽になる 自分の「思考グセ」に気づいていますか? | 自衛隊員も学ぶ!メンタルチューニング | 東洋経済オンライン