「べき思考」「思考停止」は本当に悪いもの?ママが自分の心と向き合う方法

べき思考 思考停止

なんだか生き辛さを感じるな、ストレスが溜まっている…と思う瞬間、育児中のママには心当たりが多いかもしれません。ただでさえ育児に家事にと忙しいママの生活の中で、さらに「子育て中」という状況から、べき思考思考停止と呼ばれる「よくない思考のクセ」に陥るケースが多々見られます。

今回はママが避けたい「べき思考」「思考停止」とは何か、実際にその考えは悪いものなのかをご紹介します。意識するとぐっと生きるのが楽になる考え方を知っていきましょう。

ついやってしまう「べき思考」とは?

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べき思考とは、簡単にいうと「○○するべき」と考えてしまう、固定概念ハードルを作ってしまう思考のクセです。特に育児中のママに起こりやすいといわれており、ついつい無意識のうちに子どもやパパ、自分に対してのハードルを上げてしまいます。

ママに起こりやすいべき思考の例を見てみましょう。

「子どもはこうあるべき、家族はこうあるべき」

他人に思ってしまうべき思考には、子どもに対して「子どもだからこうあるべきでしょう」パパに対して「家族はこうあるべきだから、あなたもちゃんとして」と強要してしまうことが挙げられます。

他人に対するべき思考の例としては、

平日は子どもは習い事をたくさんこなして、休日はお出かけして思い切り遊ぶべき。子どもは遊園地が好きなんだから、連れていったら子どもは絶対に喜ぶはず。パパも休日にはしっかり計画してもらって、子どもと一緒にお出かけしたいプランを考えておくべき。

といったものが挙げられます。

例を見ても分かるように、パパも子どももママのべき思考に100%答えられるかというとそうではありません。中にはお外で遊ぶよりもおうちで遊ぶ方が楽しいと思う子どももいるかもしれませんし、休日はゆっくり過ごしたいというパパもいるかもしれません。

しかし、ママのべき思考によって家族は行動が制限されてしまうのです。さらに、ママにとっても「私は家族のためを思って行動しているのに、想像したような反応が返ってこない」とストレスを溜めてしまう結果になります。

「母親なんだからこうあるべき」

次は、自分に対してのべき思考です。

ママになったら毎日家事を完璧にこなして、絶対に手作りのご飯を出すべき。子どもを優先して、自分のことは後回しでも当たり前。年齢を考えて趣味や好きなこともセーブするのが、いい母親に違いない。

例として挙げるなら以上のようになりますが、こうした考えはママとしてのハードルを上げてしまいます。子どもを優先するのもよい母親像かもしれませんが、ママだって一人の人間。どうしても完璧にできない部分もあるはずです。その点を自分の中で許せなくなり、「これはするべきだ」と自分の行動を制限してしまうからこそ、べき思考は少しずつ手放すと良いと考えられています。

育児の可能性をつぶしてしまう「思考停止」とは?

次は、思考停止について解説します。思考停止とは、考えても答えが出ない、考えるのが難しそうと「考えを放棄してしまう心理現象」を指します。思考停止は考えることを止めてしまって現状を受け入れられない、新しい価値観を受け止められないといった育児の可能性をつぶしてしまうこともあることもあるため、育児中のママとしては避けたいマインドセットです。

「みんなと一緒でいいや」

育児中に起こる思考停止を一例として挙げると、

子どもの好きなもの、興味が分からないから、一般的な子どもが好きそうなものを選べばいいや。何となく子どもにとってこの遊びはあっていない気がするけど、みんなやってることだからいいや。

このような現象が思考停止です。この考えは脳が「オート・パイロット(自動運転)」している状態とも言われ、目標を立てられない、成長するスピードを下げてしまうというデメリットがあります。

ただし、思考とは想像以上に毎日毎時間使っています。ただでさえ忙しいママの生活の中で、「考えすぎを避けるために思考停止をうまく使う」というのもひとつの手段なので、この「みんなと一緒でいいや」にはメリットもあることを覚えておかなくてはなりません。

「何をしても無駄だからいいや」

もう何を言ってもうちの子は聞かない、どんなに言葉を尽くしても伝わらない。だから何をしても無駄だからあきらめる、というのも思考停止のひとつ。こちらも考えることを止めてしまうデメリットがあるものの、「何をしても無駄なとき」というのは育児において何度も訪れます。子どもは親が完全にコントロールできるわけではないですし、想像通りにいかないのが当たり前なので、時には諦めることも大切です。

ただし行き過ぎる諦めは、これもまた育児の可能性を狭めてしまうものですよね。「手を尽くしてみたけれどダメだった」のと「何もしないまま諦める」のは異なるため、認識をはっきりさせておく必要があります。

「きっとできない」

きっとできない、だからやらない。この考えも思考停止です。この思考停止には、「過度な期待」と「高すぎる目標」が隠れています。

本当はもっと勉強して欲しいけれど、うちの子はきっとできない。だからどう工夫して勉強させるか考えるのをやめよう。私はどうせ何もできない。だからみんなと同じでいいや。

このように思考停止のサイクルが起こってしまいます。

きっとできないを繰り返していると、では「できる」と信じたものしか挑戦できなくなりますよね。その結果自分の成果や子どもの目標達成に対して無関心になり、成功体験がうまく重ねられず自己肯定感の低下にもつながってしまいます。

「べき思考」「思考停止」は本当に悪いこと?

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これまでママが避けたいべき思考と思考停止をご紹介しました。では、この考えを一切なくすべきなのかというと、これもまた違うということに気づけるはずです。

べき思考や思考停止には、それぞれメリットもあります。大切なのはママ自身が自分にとって自然で無理なく受け入れられるのはどういう思考なのかを、正しく選択できることです。

最後にべき思考と思考停止のメリットをチェックしていきましょう。

「べき思考」には正しい考えもある

べき思考の中には正しい考えもあります。例えば「ママなんだから食事を手作りするべき」という考えは、行き過ぎではありますが家族の中で誰かが食事の支度をしなくてはならないのは事実です。仕事をしているパパが毎日対応できませんし、ママが頑張らなくてはならない場面も多いのが実情でしょう。

また、子どもは20時には寝るべきというのは毎日守る必要はないものの、早めに就寝するための目標にもなりますよね。

べき思考は行き過ぎるとよくない考えではあるものの、適した生活リズムや家族の役割を示すのによい目標になることもあります。すべてを否定するのではなく、ママの中でべき思考に優先順位を付けるとよいでしょう。

「思考停止」には休憩できるメリットがある

思考停止の項目でもご紹介しましたが、思考停止は何も悪いことだけではありません。毎日考えすぎてしまうママの暮らしの中で、頭の中を整理し休憩を作ることもできます。

さらに、育児や家事はママの想像通りにはいかないもの。その中で、ほどよく手を抜いて諦めることも、思考停止によってできるメリットがあるでしょう。

大切なのは「自分と違う思い」を素直に受け入れること

べき思考と思考停止、どちらもメリットとデメリットがあります。繰り返しになりますが、大切なのは自分自身にとってどんな考えをしたら楽になれるのか、冷静に見極めることです。

ママ自身や家族、子どもが思い通りにいかないかもしれません。自分の常識とは違うことを他人がするかもしれません。これをすべて「肯定」しなくても構いませんが、「そう思う人もいるんだな」「うちの子だって一人の人間。自分の常識と違って当たり前」と素直に受け入れることが大切です。

まとめ

育児中のママが陥りがちなべき思考、思考停止。これらは「良くない考え方のクセ」と言われていますが、実はデメリットもあればメリットもあります。大切なのはどのように考えたらママが毎日笑顔で過ごせるか、という点。家族の笑顔、子どもの笑顔を守るためには、ママはまず自分を大切にすることから始めてくださいね。

【参考】

べき思考を手放すには?認知のゆがみを生む原因や具体例、改善方法を紹介 丨コグラボ- Cognitive Behavioral Therapy Lab

「思考停止」している人の “あるあるな癖” 4つ。当てはまったらかなりマズい – STUDY HACKER(スタディーハッカー)|社会人の勉強法&英語学習

べき思考はやめなくていい|その理由と3つの対処法 – 輝くヒント

【言葉づかいでバレる】「自分の頭で考えている人」と「思考停止している人」の決定的な違い | 新マーケティング原論 | ダイヤモンド・オンライン

ABOUT US
【監修】久保田 由華久保田 由華
公認心理師、臨床心理士。
NY州立大学にてメンタルヘルスカウンセリングの修士号修得。NYCのNPOにてアシスタントサイコロジストとして勤務後帰国。
大学、クリニック、心理相談室等で勤務。7000ケース以上のご相談を担当。

心の相談室こころラボを設立し、カウンセリング以外にも子育てママのためのセミナーやスクール、ママのためのオンラインコミュニティを運営。