小学生の「不登校」原因とは?不登校のわが子にママができること

不登校 小学生

子どもが小学生になると不安に思うのが、「不登校」。全国的にも不登校の小学生は増えており、決して他人事ではないキーワードです。

今回はそんな子どもの不登校に対して、ママはどのように向き合えばよいのかを詳しく解説します。

不登校の原因や、わが子にママができることを押さえておきましょう。

この記事は以下の方におすすめです
  • 子どもの不登校でお悩みのママ
  • いつか子どもが不登校になったらどうしようと悩むママ
  • わが子の小学校しぶりにどう対応したらよいのかわからないママ
この記事では以下の情報が得られます
  • 小学生の不登校の原因を解説
  • 小学生が不登校になったら?子どもとの向き合い方
  • 現状小学生の不登校はどうなっているのかデータで解説

小学生の不登校は多い?データで見る子どもの不登校

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ニュースやSNSでも見かける小学生の不登校。実際には多いのか、自分だけこんなに不安なの?と疑問に思うこともありますよね。

まずは小学生の不登校事情について、現状はどのようになっているのかを解説します。

小学生の不登校は年々増加傾向に

最近では、全国におよそ25万人の不登校児童がいるという調査結果もあります。不登校は決して珍しいことではなく、全国的にも増加傾向にあるといえるでしょう。

以下は令和4年度までの小中学校で長期欠席をする子どもの人数です。

引用:令和4年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果について

感染症の流行により生活様式が変わったことなど、原因はさまざまですが全体で増えていることがわかります。

そもそも、不登校の定義は病気や経済的な理由もなく、年間の欠席日数が30日以上となった状態です。

学年が上がるごとに増える不登校

不登校児童は学年別にみると、小学6年生が最も多く学年があるにつれて多くなる傾向にあります。どの学年を見ても全学年よりは増加しており、特に気を付けたいのは5、6年生の児童といえそうです。

つい小学校に上がる直前や、まだ慣れない低学年のうちから心配してしまう不登校。実は、長期的に気に掛ける必要のある問題だと考えられます。

現状増えているため「不登校」への対策は進んでいる

以上のように現状増え続けている不登校。「ニュースの中だけの話」「うちの子に限って」という問題ではなく、不登校になる可能性はだれしもが持っています。

こうしたデータもあることを念頭に置きながら、確認したいのは「不登校になったらどうするか」という対策です。現在では増える不登校の問題に対して、ケアできる手段はたくさん用意されています。

例えば学区外の小学校に転校できる制度や、フリースクールの利用など、通えない子に対して小学校以外の場を作ることもできます。そこまで不登校を怖がらず、対策と子どもとの向き合い方を冷静に見極めるようにしましょう。

小学生の不登校の原因とは?

小学生の不登校は現状増加中。いったいなぜ、不登校になってしまうのでしょうか。ここでは原因を4つ解説します。一つずつチェックしていきましょう。

親から離れることへの不安感

小学生低学年のころは、特に慣れない小学校への不安が強いです。子どもがママから離れることで「母子分離不安」が起こりますが、これが強い子は不登校の原因になることも考えられます。

「母子分離不安は幼児期だけじゃないの?」と思うかもしれませんが、小学校に強い不安を感じてしまう子ももちろんいるもの。泣きだしてしまって登校できないよりも、腹痛や頭痛など症状が起こって学校に行けない子もいます。

人間関係や環境に悩みがある

小学校入学当初は特に、これまで通っていた保育施設から小学校という場に変わるため、環境が大きく変化します。また、中学年になると人間関係は複雑になり、友人間のトラブルやちょっとした言い争いなどで学校に行けなくなることもあります。

人間関係というといじめのイメージが強いですが、不登校の原因がすべていじめとは言えません。大人にとってはちょっとしたことでも生きにくさを感じ、思いつめやすい子は不登校になるかもしれません。

勉強についていけない、苦手なこと・嫌なことがある

小学校の時間のほとんどを占めるのは授業です。一度授業についていけないとずっと小学校にいる時間が苦痛になり、テストや成績の点数が悪くなり、子どもはネガティブな思考にとらわれてします。

授業だけでなく、運動会の練習や休憩時間、修学旅行などイベントや授業外の時間が苦手になるかもしれません。

特に9歳の壁と呼ばれる小学三年生、四年生は授業で求められるものも一気にレベルが上がります。その際に基礎ができていないと躓いてしまい、子どもにとって学校が行けなくなるほどの辛さになるかもしれません。

生活リズムの乱れ

例えば病気などで長期的にお休みした、夏休みなど長期休暇中に昼夜逆転してしまったなど、生活リズムが乱れると小学校に通うのは大変です。

生活リズムが乱れる原因も、避けられなかった理由から人間関係で悩んで不眠になったりなど、さまざま。最近ではゲームを自宅で楽しむ子も多く、長時間プレイしていると朝起きれず登校がしぶりがちになる点も問題です。

子どもの不登校とどう向き合う?ママができること

育児ストレス 厚生労働省

ご紹介したように、決して珍しくない子どもの不登校。子どもが「小学校に行きたくない」と言い出したら、ママとしては不安に思って無理やり登校させたくなるかもしれません。

しかし、これは逆効果。ここからはママが子どもにできることをご紹介します。

原因を無理に探ろうとしない

子どもが不登校になったら、当然親なら不安に思います。「ずっとこのまま小学校に行かなかったらどうしよう」「誰のせいで小学校に行けないんだろう」「休ませたいけど、くせになってしまったら?」さまざまな思いがあるのはもちろんですが、まずはママは冷静に受け止めるようにしましょう。

繰り返しますが、不登校は珍しいことでもおかしいことでもありません。ママがパニックになって原因をあれこれ子どもに聞いたり、子どもが悩んでいることに無理やり結論を出したりするのはNGです。

子どもが話せるようになるまで、じっと待つことが大切です。

休んでも大丈夫と伝え安心させる

小学校で不登校になっても、転校や自宅学習などで取り返すことはできます。中学校の進路を多くの子が一緒に繰り上がる公立校をやめて、私立校に切り替えるという家庭もあります。

そのため、子どもがどうしても登校できないなら、無理に通わせるのではなく「休んでも大丈夫」と安心させましょう。ポイントは子どもを放っておくのではなく、安心させるところです。

ただし、子どもが休むことになった原因は親として知っておきたいものです。必ず担任の先生や学校側と連携を取り、授業はどこまで進んでいるのか、テストや提出物、宿題などを受け取るなど学校の情報を教えてもらいましょう。

子どもの話をしっかり聞く

もし子どもが自分のことを話せそうになったら、子どもの話をしっかり聞きましょう。話したくないときに質問を重ねるのはおすすめできませんが、子どもが話したい雰囲気と環境を作っておくことは大切です。

また、どんな理由で不登校になっても、それがママにとって「そんなことで?」と思うくらい些細なものでも、決して子どもを否定してはいけません。寄り添って話し合うことで、親子関係の信頼も築けます。

「小学校」に代わる居場所を作る

不登校から脱するには、どうしても「元の小学校に通えるようになるまで」と考えがちです。しかし、今はフリースクールの充実や通信教育を自宅で受けて授業を補うこと、学区外への転校などさまざまな手段で小学校の代わりができます

もし子どもが小学校以外の場所に興味を持ったら、そこに出かけても構いません。その中で自分の気持ちと解決する方法や、子どもなりの乗り越え方を学べるかもしれないからです。

「小学校に復帰できたらいいけど、無理にしなくても大丈夫。だって他に代わる子どもの居場所があるから」と思えることで、子どもが安心するだけでなくママとしても落ち着けるかもしれません。

まとめ

小学生の不登校は、年々増加中。原因を知るため、子どもを登校させるために躍起になるママの気持ちもわかりますが、大切なのは子どもが話したくなるまで辛抱強く待つこと、ずっとママは味方だからね、と理解を示すことです。

今ではさまざまな不登校のケア方法、対策が進んでいます。行政のサービスも利用しながら、わが子と正面から向き合ってみてください。

【参考】

小学生の不登校|原因や対応方法、解決のためにできること | LITALICOライフ

もし 自分の子どもが不登校になったら 親はどうする? – #これからの育児 – NHK みんなでプラス

我が子が不登校になったら?親の取るべき8つの対応、3つのポイント、 4つの相談先

【子どもの不登校】意外な事実! 公立の小中学校間での転校は可能? | 不登校ー親子のための教科書 | ダイヤモンド・オンライン

ABOUT US
【監修】久保田 由華久保田 由華
公認心理師、臨床心理士。
NY州立大学にてメンタルヘルスカウンセリングの修士号修得。NYCのNPOにてアシスタントサイコロジストとして勤務後帰国。
大学、クリニック、心理相談室等で勤務。7000ケース以上のご相談を担当。

心の相談室こころラボを設立し、カウンセリング以外にも子育てママのためのセミナーやスクール、ママのためのオンラインコミュニティを運営。