非認知能力を鍛える遊びとは?子どもの心を豊かに育てよう!

非認知能力を鍛える遊び

IQ、学力といったテストで評価される能力を認知能力といい、それとは異なる考える力、取り組む姿勢、日常生活で育まれる能力全般を非認知能力といいます。

もちろんお勉強ができるというのは、大切な発達指標。一方で、この学力以外の非認知能力も今育児では大切な要素として重要視されています。

今回はそんな非認知能力とは何か、子どもの非認知能力を鍛える遊びをご紹介。非認知能力を正しく理解し、親子で楽しみながら心の発達を促していきましょう。

非認知能力を鍛える遊びのポイントとは

HSC 怖がり

非認知能力を鍛える遊びを知る前に、非認知能力とは何か、ママは何を考えながら子どもと遊ぶとよいのかを解説します。

非認知能力は最近の子育てではよく聞かれる言葉ですが、「いまいち何を指しているのかわからない」というママも多いです。正しく非認知能力を理解することで、子どもとの接し方も変わります。

非認知能力とは?

非認知能力とは、

物事に対する考え方、取り組む姿勢、行動など、日常生活・社会活動において重要な影響を及ぼす能力を「非認知能力(non-cognitive skills)」と言います。

非認知能力について | 一般財団法人 日本生涯学習総合研究所

IQや学力など、テストで評価できるいわゆるお勉強能力ではなく、考える力ややる気、根気や行動といった日常生活における重要な能力全般が非認知能力です

子どもを育てる中で、いくら文字が読み書きできても、数字をたくさん知っていても、お友達を思いやり優しい子に育ってほしいと思いますよね。この社会性は非認知能力を鍛えることで高められると言われています。

非認知能力は特に北欧などの育児先進国で重要視されており、ビジネスシーンにも役立つ能力です。子どものうちから鍛えておくと大人になってから能力開花しやすい幸福度が高くなるといったよい影響が受けられるため、特に幼児教育などで大切な成長要素として扱われます。

意志や決定を子どもにゆだねる、選ばせる

では、非認知能力を理解したうえで、子どもの非認知能力を高めるためにはママは何をすればよいのでしょうか?

子どもの非認知能力を高めるためには、子どもに「意志を発信する」場面をたくさん設け、子どもに選ばせ決定権をゆだねましょう。

例えば、日ごろの遊びで「こっちとこっち、どちらで遊ぶ?」「どうやって遊ぶ?」

「あなたは何の役をする?」といった風に、子どもに選ばせるようにしましょう。

大人から見ると子どもの意思決定はもどかしく、つい口を出したくなりますよね。ここをぐっと我慢して子どもに選択させることで、考え選び取る力が育まれます。

子どもの好きな遊びや興味を尊重する

「好きこそものの上手なれ」という言葉があるように、子どもは一度興味を示したものには大変な集中力を発揮します。何となくママが見て、「危ないな」と思った遊びや「本来の遊び方じゃない」と思ったものを遠ざけていないでしょうか?

子どもの想像力や空想力は、大人が思った以上に広がっています。非認知能力を高めるためには自由な発想力に制限をかけるべきではないので、子どもの好きを尊重するように徹底しましょう。

小さな成功を喜ぶ、褒める

非認知能力には、自己肯定感が重要です。

子どもが遊ぶ中で「それだと非認知能力は鍛えられない」とマイナスに見るのではなく、「昨日よりもできるようになった」「おもしろい発想で遊べた」と小さな成功を見つけて一緒に喜び、褒めるようにしましょう。

ママと一緒に成功を喜ぶことで、ポジティブな体験が積み重なり自信へとつながります。より遊びに対して興味を持ち、さらに遊びの質を高めることができるため、できることをいくつも見つけることが大切です。

非認知能力を鍛える遊び9選

登園渋り 登園拒否 泣く

非認知能力を鍛えるポイントを踏まえながら、非認知能力を鍛える遊びを親子でやっていきましょう。

この遊びは見てみるとわかりますが、決して特別なものは含まれていません。気が向けば家庭でもできるので、毎日の親子遊びの参考にしてくださいね。

絵本の読み聞かせ

絵本の読み聞かせは、子どもの想像力を育てるといわれています。絵本は映像が動くアニメやテレビとは違い、登場人物がどんな気持ちでどんな動きをしているのかがわかりません。これを子どもたちは想像しながら世界観を補完するため、対人でも「○○って言うとお友達は悲しい気持ちになるかもしれない」「嬉しいかもしれない」とコミュニケーションがとりやすくなるのです。

絵本の読み聞かせはそうたびたびしなくても構いません。夜寝る前など、時間を決めて1冊ずつ楽しめるとよいですね。子どもが絵本に興味を持たない場合は無理強いすることなく、他の遊びや子どもが楽しめる遊びで非認知能力を高めましょう。

おままごと遊び

おままごと遊びごっこ遊びは、遊びの中で家族やヒーロー、さまざまな職業の人物になりきります。子どもの好奇心を刺激し、さまざまなものにチャレンジする可能性も高めるでしょう。

おままごと遊びも絵本遊びと同じく想像力を育てますが、役割を分担しなりきることで、社会性やコミュニケーション能力も育めます。おままごとに使う役割は大人から見ると「それはおかしい」と思ってもあえて指摘せず、子どもたちがやりたいことを見守りましょう。

例えおかしくても現実的にありえなくても、遊びの中では自由です。大人も一緒になって子どもならではのごっこ遊びに参加してみるのもおすすめです。

積み木遊び

さまざまな形の積み木を「おうち」「くるま」など見立て遊びをすることで、想像力を育みます。また、自分の理想の形を作るための創造力も育てるのが、積み木遊び。

積み木はほどよく難易度があり、完成するまで粘り強く努力しようとする忍耐力も育めるでしょう。親子でも取り組みやすい遊びなので、ママと一緒に遊ぶことでコミュニケーション力も刺激できる非認知能力を鍛える遊びです。

鬼ごっこ、かくれんぼなど

鬼ごっこやかくれんぼには、ルールがあります。「〇秒数えてから探そうね」「隠れる場所はこの公園の中」など、ルールを作り守ることで規律性や協調性、コミュニケーション能力などが高められるでしょう。

また、身体を動かす遊びなので、身体能力も刺激できるのはうれしいポイントですよね。おうち遊びに飽きたり運動不足を感じたりしたら、公園や広場などで鬼ごっこ、かくれんぼをして遊んでみてはいかがでしょうか?

どろんこ遊び

泥は砂場に水を含ませ、手でこねたり素足で感触を楽しんだりできます。身体のさまざまな部分を刺激しながら、手を動かすどろんこ遊びは、五感すべてを使う非認知能力を鍛える遊びのひとつです。

このようにいろいろ試せるどろんこ遊びは、触れる中で想像力や好奇心が育み、自ら考え遊ぶ力を鍛えることができます。

自然を使った遊び

自然の中には、子どもの好奇心を刺激するさまざまな現象や疑問があります。なぜ葉っぱは色を変えるの?なぜクモの巣はねばねばしているの?など、ささいな疑問を自ら考えるのが自然遊びのメリットです。

また、壮大な自然でなくても構いません。普段使う公園やお散歩コースにも四季それぞれで特徴があり、新しい発見があります。忙しいママでも「少しだけお散歩」と子どもと一緒に自然の中で想像力や感性を育んでみてはいかがでしょうか?

歌、リズム遊び

ママ 自己肯定感

歌を歌う、リズムで遊ぶのは、単純な音楽的能力が向上するだけではなく、一緒に歌うママやお友達との協調性も身につくと言われています。

もちろんテレビの映像に合わせてリズム遊びをしたり、躍ったり歌ったりを楽しんでもよいのですが、その場合はママも一緒になって遊んでみましょう。

うまく踊れると気持ちが晴れやかになり、歌を歌うことで親子の絆も育めますよ。

公園の遊具を使った遊び

公園にはさまざまな遊具がありますよね。この遊具一つとってみても、初めて遊ぶものであればチャレンジ精神が身につき、ブランコやてつぼうなどは努力し続けることで忍耐力が育めます。

また、子どもは遊びの天才であり、遊具がなくても地面に線を描いておままごとを始めたり、砂や枯れ木、落ち葉を集めて料理ごっこをしたりします。

このような自由な遊びによって発想力協調性も育つため、公園での遊びは子どもにとって重要な要素です。

水遊び

水遊びというと準備が大変で服が汚れる!と敬遠するママも多いのですが、水遊びは子どもも大好きで、どろんこ遊びと同じく五感を使い遊ぶものです。

大掛かりなプールを用意しなくても、雨の日に水たまりに入ってみたり、お風呂で遊んでみたりでもOK。じょうろやスコップなど、水あそびの道具を使っても楽しめます。

水遊びは水の感触が子どもの知的好奇心を育て、変化する水を使って遊ぶことで創造性を刺激します。

まとめ

今注目を集めている非認知能力。非認知能力は決してしっかりしたお勉強によって育つものではなく、ありふれた非認知能力を鍛える遊びによって育まれます。

ママも一緒に遊ぶことでより子どもの感性は育つので、親子でぜひやってみてくださいね。

【参考】

非認知能力について | 一般財団法人 日本生涯学習総合研究所

小学生向け!非認知能力を鍛える遊び7選|遊びながら楽しく育てよう! | ページ 2 | Wonder Code

非認知能力を鍛えるのに必要な遊びとは?具体的な保育内容について解説|名古屋市緑区のプリスクール SukuSuku English Preschool

非認知能力を鍛える遊び9つ|注目される理由や高めるコツも紹介

非認知能力を鍛える遊びを親子で楽しもう!環境づくりのコツもご紹介|ベネッセ教育情報サイト

ABOUT US
【監修】久保田 由華久保田 由華
公認心理師、臨床心理士。
NY州立大学にてメンタルヘルスカウンセリングの修士号修得。NYCのNPOにてアシスタントサイコロジストとして勤務後帰国。
大学、クリニック、心理相談室等で勤務。7000ケース以上のご相談を担当。

心の相談室こころラボを設立し、カウンセリング以外にも子育てママのためのセミナーやスクール、ママのためのオンラインコミュニティを運営。