子供の空間認識能力を高めると知能が上がる!?ママができること4選

空間認識能力

幼児期のころから身に付けておきたい空間認識能力空間認識能力とは、物事を立体的に見る力を指します。

空間認識能力を高めると、子供の知能数学的力を高めることも可能。さらに、難しいことは必要なく早くて1歳ごろからこの能力を遊びの中で育むことができるんです。

今回はそんな空間認識能力とは何か、日ごろからできる空間認識能力の高め方をご紹介します。

空間認識能力とは?

空間認識能力

空間認識能力とは、知能テストなどでも図られるものです。物事を立体的に捉える力を指し、「子供には難しそう…」と思われがちですが、意外とおもちゃ遊びや外遊びの中で活用する能力のひとつ。まずは、空間認識能力とは何かを詳しく解説していきます。

目にするものを立体として捉える力のこと

空間認識能力は「二次元的なものを三次元的に捉える力」のこと。例えば地図を読み取り実際に目的地までたどり着けるのは、空間認識能力が使われています。数学の出題などで平面図から立体図にした際の値や面積を求めるものはよく見られますが、これも単純な知識だけでなく空間認識能力を使って問題を解く必要があるでしょう。

空間認識能力が高いと、

  • 地図を見ても道に迷いにくくなる
  • 車の運転が上手になる
  • 空間の有効活用が上手になる

など日常的に何かと便利です。さらに空間認識能力は元々備わったものもありますが、トレーニング次第で高めることは可能。早くて1歳の子供でもこの能力を高めることはできます。

男女で空間認識能力は異なる?

何となく空間認識能力を考えてみると、「運転はパパの方が得意だな」「息子は空間認識能力が高いかもしれない」と気づきがあるかもしれません。実は、男女で元々備わっている空間認識能力は異なるとは言われています。例えば我が家では男女双子を育てていますが、同じ日に生まれて同じ環境で育った男女でも、息子の方は空間認識能力が高いです。これはテストステロンという女性よりも男性に多く分泌されるホルモンによるため、と研究結果が出ており、男女比は少なからずあると言えるでしょう。

ただし、生まれつきの空間認識能力はそのうち男女の差がなくなっていきます。育ってきた環境や与えた影響によって空間認識能力を高めることも可能なので、「女の子だからうちの子は空間認識能力がもともと低い」と諦める必要はありません。

空間認識能力が高いと科学・数学スキルが高くなる

日常生活の中で何かと便利な空間認識能力ですが、「どんなメリットがあるの?」と疑問に思う方もいるかもしれませんね。空間認識能力は科学や数学のスキルと関係性が高く、将来的に算数が得意になったり物事を俯瞰的に捉えられる能力が高まったりします。

「計算が苦手で苦労した…」というママにとっては、我が子にそろばんを習わせたい、計算や数学に苦手意識を持って欲しくない!と思うかもしれません。そんなときに、空間認識能力を意識すると、子供は科学や数学の分野で成功できるかもしれないのです!

空間認識能力を高めたい!ママができる4つの方法

空間認識能力

数学や科学のスキルと関連性の高い空間認識能力。高めるためには特別なトレーニングが必要そうなイメージがありますよね。ですが、この能力を高めるのに特別な早期幼児教育が必要なわけでも、塾や習い事をしなくてはならないわけでもありません。

また、先ほどもお伝えしたように家庭の中のちょっとした工夫で空間認識能力は高まります。早い子だと1歳ごろからトレーニングできるので、ぜひママができる4つの方法をチェックしてみましょう。

具体的に話しかける

まずは子供に話しかける言葉を変化させましょう。ついつい忙しいと子供に対する呼びかけも抽象的なものになってしまいますよね。自分の靴下を取ってきて欲しいときに、「ほら、あそこにあるやつを引っ張って、靴下取ってきて」と身振り手振りを交えて声掛けをしてしまうかもしれません。

これを具体的に変えてみましょう。

あっちにあるそれ、取ってきて→テレビの右側にある丸い形のお皿、取ってきて

たったこれだけで子供は言葉からママが何を指しているのかが想像しやすくなり、形や空間的特徴を表す言葉の語彙が増えていきます。右・左を使う回数を増やし、子供に左右を早く理解してもらってもよさそうですね。

実際に心理学者のキャノン・プルーデン氏らが行った研究によると、「丸」「三角」「球」「大きい・小さい」といった具体的な特徴を豊富に使う親の子供は、空間認識能力がはるかに高くなったと解明されているのです。

クイズ形式で空間認識を促す質問を

毎日のコミュニケーションの中で、クイズ形式で楽しく空間認識を学んでみましょう。

例えば食事の準備をしているとしましょう。食材を切って子供に見せて、「この中のどれを選んだら全部入るかな?」と保存容器を持ってきてもらうのもおすすめです。子供は切っている食材を見た上でどのぐらいの量かを頭の中で想像し、さらに複数ある保存容器から適したものを選ぶという、空間認識能力を高めるトレーニングができます。

その他にも、「このケーキは切ったらどんな形になるかな?」「この氷はお風呂に入ったらどうなるかな?」と身近なものでクイズにすると面白そうですよね。空間認識能力というと「計算やお勉強をしっかり行って高める」とイメージされがちですが、親子で楽しく学ぶこともできるのです。

また、Eテレで放映中の子供向け番組「ピタゴラスイッチ」では、ピタゴラじゃんけん装置というクイズも出題されています。さまざまな仕掛けがどんな動きをして、最終的にじゃんけんのどれが出るのかを想像するクイズで、こちらも見るだけで楽しく空間認識能力を高められますよ。

子供のおもちゃで遊びの幅を広げる

奇声 3歳

子供のおもちゃを使っても、空間認識能力は高められます。異なる形のブロックを使ってひとつの立体物を作ったり、重ねたり並べたりして遊べる積み木はまさに空間認識能力をフル活用していますよね。どの家庭にも、ブロックや積み木は用意されているかもしれません。おもちゃだと1歳ごろの子供から触れることができ、遊びを通じて能力を楽しく高められるでしょう。

また、子供の想像力や空想力は大人には予想できないことも多いです。積み木やブロックは何も「正しいやり方」「大人の望む方法」で遊ぶ必要はなく、子供が安全に楽しく遊んでいるのであれば本来の使い方ではないやり方でも、まずは任せて遊ばせてみましょう。

赤いブロックを炎に見立てて、おままごとで「ジュージュー」と遊ぶこともあります。青いブロックを水のようにして、「じゃー」と流すかもしれませんね。これもまた、物を立体的に捉えられている証拠です。丸いものは転がるから上に重ねられない、三角は尖っているから組み合わせることで重ねられるなど、子供は自然と立体物の構造や特徴を理解できるようになります。

地図やカメラで遊ぶ

レストランでの順番待ちや食事が出てくるまで手持ち無沙汰に。こんなとき、ママやパパのスマホで子供が暇をつぶすこともありますよね。このときも地図アプリやカメラを使うと、空間認識能力を高めながら遊ぶことができます。

カメラを子供に持たせて、さまざまなアングルから写真を撮ってみましょう。「右側からだと見えたものが、左側からだと見えない。ママの目線から見えるものが、子供の目線からは見えない」などいろいろな発見があります。このように写真にすると変わる物の見え方を、親子で話し合って気付きを得ると学びがたくさんあるはずです。

また、地図アプリも子供にとって新鮮な楽しさを与えてくれるもの。普段何気なく見ている近所や我が家も、地図という二次元に書き起こすと少し不思議な心地がします。地図を読む力を養うこともでき、楽しく空間を学べるのでおすすめですよ。

また、間取り図を紙に書き起こして宝探しゲームをするのもおすすめ。ママが家の地図を書き、何かを隠したところをマークして子供に探し当ててもらいましょう。親子で空間認識能力を高められ、楽しいコミュニケーションの一環にもなります。

まとめ

数学と科学のスキルを高める空間認識能力。特別なことをする必要がなく、日常の中で楽しく能力を高めることができます。ちょっとした工夫で子供の知能は上げられるので、子供にとって負担のない形で暮らしの中に取り入れてみてくださいね。

【参考】

空間認知能力が高い子供の特徴とは?数学や科学に強くなる! [子育て] All About

ピタゴラそうち こうするとおもしろい | ピタゴラスイッチ | NHK for School

空間認識能力を鍛えるにはおもちゃが最適!おすすめの遊びも紹介

空間認知能力とは?能力の育て方と生かせる仕事まとめ | コエテコ

子どもの空間認識能力が低い4つのデメリット

ABOUT US
【監修】久保田 由華久保田 由華
公認心理師、臨床心理士。
NY州立大学にてメンタルヘルスカウンセリングの修士号修得。NYCのNPOにてアシスタントサイコロジストとして勤務後帰国。
大学、クリニック、心理相談室等で勤務。7000ケース以上のご相談を担当。

心の相談室こころラボを設立し、カウンセリング以外にも子育てママのためのセミナーやスクール、ママのためのオンラインコミュニティを運営。