最近よくビジネスシーンや子育ての中で聞かれる「共感力」。言葉の意味とは感覚や気持ちを共有する力を指しますが、なぜ共感力が今注目されているのでしょうか。
実は、共感力を大切にすると育児に立ちはだかる壁の乗り越え方が分かることもあります。
今回は子育てにお悩みを持つママにおすすめしたい、共感力とは何か、共感力をどう子育てに活かすのかをご紹介します。
最近よく聞く「共感力」とは?
共感力とは、記事冒頭でもお伝えしたように気持ちや感覚を共有できる力のことです。共感力は二つに分けることができ、
- 認知的共感……他人の立場にたって物事を考えること
- 情動的共感……他人の気持ちを汲んで自分ごとに考えること
これらのバランスが大切と言われています。
意味だけ見ると、「他人を思いやる心」「お友達が何を考えているのかを思考すること」といった内面を研ぎ澄ませる力にも思えますよね。確かに育児に役立ちそう、と感じるママも多いでしょう。
また、共感力は同じ意味合いの言葉に協調性やコミュニケーション能力が挙げられます。これら二つと共感力の違いをまずはご紹介します。
協調性との違い
協調性とは、立場や意見がことなる者同士がお互いに譲り合い、協調し合うことを指します。共感力とは相手の気持ちを汲み共感することなので、二つには大きな違いがあることがわかりますよね。
協調性が高いと、例えば喧嘩や言い合いが起きたときに場をうまくまとめることができます。ビジネスシーンだとチームワークを高め、プロジェクトを成功させるために必要な要素と言えるでしょう。
コミュニケーション能力との違い
次にコミュニケーション能力です。こちらもビジネスシーンでもよく使われる言葉であり、育児にも深くかかわっていますよね。
コミュニケーション能力は文字通り人とのコミュニケーションを円滑にできる能力です。対話できる力、的確に自分の状況を相手にとって分かりやすく説明する力もコミュニケーション能力に含まれます。
対して共感力は相手を分かる力であるため、コミュニケーション能力とは延長線上の関係にあるでしょう。コミュニケーションをうまくとるためには、共感力も大切です。
共感力を育児にどう生かす?
この共感力とは育児にどう生かせばよいのでしょうか。ママが知っておくと得する共感力を使った子育て方法をご紹介します。
子どもの興味関心を知る手段として
共感力が高いママは、子どもが今何を感じてどう思っているのかを察する能力が高いです。すると自然と子どもの興味関心も把握できるようになり、「この子は今何が楽しくて何がしたくないのか」も分かるようになるでしょう。もっといくと、「○○だからこれに楽しさを見出している」と分かるかもしれません。
子どもの興味関心を知ると、得意・不得意も分かります。好きこそものの上手なれという言葉があるように、子どもの得意で楽しいものこそ伸ばすと才能を発揮しやすいので、共感力で子どものことを知れると良いですね。
子どもの話に共感し、言語化する
子どもの話に共感することで、子どもの意識をママに向けることができます。そして言語化できれば「ママは私のことを分かってくれた」と満足感を得るでしょう。共感力は仕事を効率化するだけでなく、親子関係を円滑にするための手段としても大切です。
特に共感したいのは、悲しみや不安といったネガティブな感情。こうした不安定な感情は大人でも対処するのに難しいので、子どもにとってはどうして良いかわかりません。ネガティブな感情が溢れると泣き出す子がほとんどでしょう。
ここでママが共感力をもってして言語化できれば、子どもは安心感を得られます。このように共感力は育児に役立てることができるのです。
子どものタイミングや話の終わりを待つ
子どものことを思いやる共感力とは、子どもの独特なタイミングや話の終わりも分かるようになります。子どもが話している途中で「今時間がないからあとにして」「その話をしているんじゃなくて」と遮ってしまうのは、共感力が低いからかもしれません。
ただ、忙しいときやママ自身の気持ちに余裕がないと子どものことを「待つ」のは難しいです。共感力があれば子どもを待てる気持ちが作れるので、子どもにイライラすることもなく親子の関係が良くなり、好循環が生まれます。
共感力を高めるために大切なこと
共感力はあるとメリットが大きく、子どもへの理解も深まり子育ても少しだけ楽になります。ですが、今自分の共感力に自信がないという方や、より共感力を高めたいと思うママも多いですよね。
ママの共感力が高い=他人を思いやれる人になると、その影響は親の背中を見て育つ子どもにも関係します。子どもも思いやりのある子に育って欲しいと思ったら、まずは共感力を知りママから変わってみることをおすすめします。
他人と自分は「違う」ということ
まず考えたいのは共感力とは「他人と自分は違う」と区別するところから始まります。誰もが自分と同じ考えとは限りませんし、その違いを認めて受け入れることこそ共感力です。
例え親子でも、ママと子どもは違う考えを持ちます。だからといって「それはおかしい」と子どもを頭ごなしに否定するのではなく、「違う考えなんだな」「なぜそう考えるんだろう?」と分かってあげると共感力を高める一歩になるでしょう。
自分の感情の本質、中身を良く知る
他人のことを思いやるには、自分の思考の癖やこういった場面ではこう考えるという自分のことも深く知る必要があります。ただし、無意識に過ごしている方がほとんどなので、よく知るためには自分の思いを言語化すると良いでしょう。
例えば簡単な三行でもいいので1日に起きたこと、その時感じたことを日記にするのもおすすめです。思考の癖や歪み、偏見というのは誰でも持つものであり、ここを完全にフラットにする必要はありません。その思考の癖も含めて自分の中身だと認めるのが大切です。
さまざまな体験・経験を積む
共感力を高めるためには、他人と関わりいろんな経験をするのがおすすめです。対人トラブルは確かに誰とも向き合わなければ起こらないかもしれませんが、いざ起こったときに経験が少ないと冷静な対応ができません。
さまざまな体験や経験は、親子で重ねることができますよね。ママの人生経験ももちろん活きるものですが、これから共感力を身につけるのも遅いわけではありません。親子でさまざまな体験をし、それを通じて思いやりの心を育んでみてくださいね。
まとめ
子どもとママの共感力は、子育てにおいて重要な要素です。最近よく見る共感力とは、他人を思いやる力であり、ここを意識するとより子どもと素直に向き合えます。
子どもの共感力を高めたいと思ったら、まずはママ自身に目を向けるのも大切。今すぐできる高め方や考え方を知り、日々の暮らしに役立ててくださいね。
【参考】
共感力とは?共感力を身に付けるメリットや高めるための方法を解説 | オンライン研修・人材育成 – Schoo(スクー)法人・企業向けサービス
共感力が高い人とは?ビジネスで共感が強みになる理由と高めていく方法|グロービスキャリアノート
思いやりを育てる……大人が子供に教える「共感力」を育むヒント [子育て] All About