自己認知やメタ認知という言葉。ビジネスシーンではよく使われる能力の名前ですが、最近では「子どもの自己認知能力」や「メタ認知力を高める」など育児の場面でも見かけるようになりました。
実はこの自己認知やメタ認知、知っておくと育児への考え方が楽になったり、ママも知らない自分の能力を発揮したりできるのです。
今回は自己認知とメタ認知とはどんな特徴を持つのか、それぞれの違いなどを解説します。
自己認知・メタ認知とは?
自己認知とメタ認知。まずはそれぞれどんな意味を持つのかを考えてみましょう。
自己認知とは
自己認知とは、言葉の通り自分自身の認知のことを指しています。端的に言うと、
自分の内面や他者から見た自分への理解のこと
「自己認識」とは? 高める方法3つを解説|「マイナビウーマン」
が自己認知です。
普段何気なく生活していますが、実は自分自身のことをよく把握できていない時もありますよね。例えば育児の場面で「今私は焦っているからイライラしているんだな。感情的になっている」と自分の行動パターンや思考を把握できると、あらゆるシーンで怒りすぎや八つ当たりを防げます。自分のことが良く分かっている人は、自分の感情や行動のコントロールも簡単です。
自分の好き・嫌いや得意・不得意をよくわかっていれば、苦手なことを抱え込みすぎてストレスが大きくなりすぎて疲れ果ててしまう、ということを事前に避けることも出来るでしょう。苦手なことは、それが得意な人にお願いしたり、何か便利なグッズやサービスを利用するなどの工夫を取り入れることで、生活がしやすくすることも出来ます。
仕事の場面では、パフォーマンス能力に優れ問題解決がしやすいというメリットがあります。だからこそ、自己認知は今注目されている言葉でもあるのです。
メタ認知とは
一方でメタ認知とは、
自分自身を客観的に認知する能力を「メタ認知」といいます。
メタ認知とは?【意味をわかりやすく】メタとは? – カオナビ人事用語集
このような意味を持ちます。自己認知とメタ認知はよく似ているのですが、自己認知が「自分自身を知っている」状態であるのに対し、メタ認知はもう一歩踏み込んだ「自分自身はこう見られていると客観視できる」状態と言えるでしょう。
自己認知とメタ認知は同じ意味合いとして使われることも多いのですが、違いを付けるとしたら
と言えます。どちらも生活のパフォーマンスを上げるうえでは必要な能力であり、これに優れるとメリットもたくさんある、という点を頭に入れておきましょう。
自己認知のメリット、デメリットとは?
自己認知をより深く知るために、メリットとデメリットについて見ていきましょう。
実は、自己認知はあればあるほど良いというわけではありません。メリット・デメリットを踏まえるとうまく自己認知を生かせるので、ぜひ参考にしてくださいね。
【メリット】さまざまなものごとに対して自分がどう行動するかの判断ができる
自己認知を高めるメリットとは、先ほども挙げたようにさまざまなことに対して自分がどう行動できるのか、どう行動するのかの予測ができます。例えば、
- 今イライラしているから育児はほどほどにしておこう
- 子どもがこう考えているから、この言葉でアプローチしよう
- 今お買い物に行くよりも、家の中のことを済ませた方がいいな
などの選択肢を正しく判断できる可能性が高まります。自分のご機嫌を取れるのは自分自身という言葉がありますが、まさにこれは自己認知の持つメリットのひとつ。ママは育児中自分の思いや気持ちに目を向けることが少なくなりがちなので、自分自身の考えや行動パターンは把握しておきたいですね。
自分中心に考えるのは気が引ける…と思うママもいるかもしれません。ですが、ママが適した判断ができるほど親子に笑顔は増えていくことも忘れないようにしましょう。
【デメリット】認知はできているが行動に起こせるかは別問題
自己認知とはメタ認知と違い、「どう行動すればよいのか善悪の判断が付いている状態」です。もちろんこれだけでも日々の暮らしを助ける能力になりますが、認知できていたとしても行動に起こせるかは別問題です。
- 今イライラしているってわかっているのに、子どもの前で怒りを抑えられなかった
- 今これをしなくてもいいのに、気になって他のことに集中できなかった
など、行動に移すにはもう一歩踏み込まなくてはなりません。
また、自己認知は必ずしも軸がぶれないわけではなく、認知のずれ・歪みが起こることもあります。自己認知の歪みは「心と行動が裏腹になる」ために分かるかもしれませんが、歪みに気付いたらすぐ自分の意識を修正しなくてはなりません。
メタ認知のメリット、デメリットとは?
では、メタ認知にはどのようなメリット、デメリットがあるのでしょうか。メタ認知力とは高めると「仕事も育児もスムーズになる」と言われてはいますが、デメリットもあります。
【メリット】さまざまなものごとに対して良い行動がとれるようになる
メタ認知力が高いと「他者から見た自分がどうであるか」が分かるため、冷静な判断と行動ができさまざまなことに対して最適解を見つけやすくなります。
物事の本質を捉えるのも簡単で、自分を客観視できるために、合理的な行動ができるでしょう。
- 今この子にどう言い聞かせすると分かってもらいやすいか
- この子の能力を高めるためには、どんな教え方がいいか
- 我が子の良い面に目を向けられる
こんな風に、育児においてもポジティブな効果が期待できます。
【デメリット】考えすぎて動けなくなる
メタ認知力は生活に役立つ能力ではありますが、メタ認知力が高いために行動に制限が出ることもあります。それは「考えすぎて動けなくなる」こと。
自分がどう思われているか、第三者からの視線が気になって大胆な行動に移せないシーンもあるかもしれません。また、思考力をたくさん使うメタ認知だからこそ、考えすぎて踏みとどまることが多かったりリスクを重視してチャレンジできなかったりするかもしれませんね。
もし考えすぎていたり思考から抜け出せなくなったりしたら、一度周囲の人に相談しても良いでしょう。助けを求める相手を選ぶのも正しくSOSを出すのも、メタ認知力が高いと自分に無理なくできるはずです。
考えすぎて疲れるというのは、多くのママが経験したことがあるかもしれません。メタ認知さえあれば物事すべてうまくいくわけではないので、メリット・デメリットを踏まえた上で生活に役立てていけると良いでしょう。
まとめ
育児にも活かせる自己認知とメタ認知。よく聞く言葉だからこそ、正しい意味やメリット・デメリットを理解して、毎日の暮らしに活かしていけると良いですね。特にママは毎日育児に大忙し、子ども中心の生活をしているために「自分のことを考える時間」は極めて少ない点に注意が必要です。
親子で楽しく暮らせるように、認知力を鍛えて笑顔になれる時間を増やしてみましょう。
【参考】
自己認知とは?自己認知の定義と把握する方法を解説 – Well-Being Workers
「自己認識」とは? 高める方法3つを解説|「マイナビウーマン」
「自己認知は自分自身の意識。メタ認知は自分を通り越した他者の視点から見た自分の意識」