毎日育児を頑張るママ。育児は思い通りにいかないことだらけで、実際に子どもを目の前にしてから生まれる悩みにあふれています。
子どもはかわいくってかけがえのない存在。そう分かってはいても毎日イライラ続きで、子どもにも自分のこともままならない…、そんな状態の方はもしかすると育児ノイローゼ気味なのかもしれません。
育児に奔走するママなら知っておきたい育児ノイローゼ。どんな状態になるのか、子どもにイライラが向かう前にストレスを解消する方法まで解説します。
育児ノイローゼとは
子育て中のママなら決して他人事にできない育児ノイローゼ。これは、育児に対する不安な気持ちや疲労感などが溜まり、イライラしたり無気力になったりする精神的な不調を指します。子どもを育てている最中のママは、毎日慣れない育児で手いっぱい。育児ノイローゼ状態だとしても、自覚がない方も多いと言われているため十分に気を付ける必要があるのです。
「育児ノイローゼは子どもが赤ちゃんのうちしか心配ない」と言われることもあるかもしれません。確かに手のかかる乳児期に育児ノイローゼ気味になるママは多いですが、子どもが何歳であろうと関係なく、知らないうちに長期的な育児ノイローゼになったり悪化したりするケースもあります。
そんな育児ノイローゼには、どういった特徴があるのかまずはチェックしていきましょう。
自分で感情がコントロールできない
育児中に「イライラしないようにする」のは、現実的に不可能に近いです。忙しい朝に子どもがぐずり支度に時間がかかったり、夜ゆっくりからだを休めたいのに夜泣きで何回も起こされたり。部屋の散らかり具合や家事が十分にできないことなど、ささいなことでイライラして怒りのコントロールができなくなるのが育児ノイローゼの特徴です。
「普段ならこんなことで怒らないのに」と思った場面でさえ、子どもに怒鳴ったり手を上げそうになったりするのは要注意。怒りの矛先は子どもだけでなく、パパに向かうこともあります。
悲観的になり何をしても楽しくない、悲しく感じる
何をしても憂鬱な気分が続き、これまで楽しめていた趣味の時間ですら焦燥感を覚えることがあります。子どもの成長を不安視するあまり、何もないのに涙が出たり止まらなかったりすることはないでしょうか。
また、「子どもが夜泣きをするのは自分の育て方が悪いから」「ずっと育児だけをして人生が終わってしまう」など自分に責任を感じたり未来を悲観したりするのも育児ノイローゼの特徴。ネガティブ思考が続いてしまい負のループが止まらないときは、他人の手を借りて気持ちを持ち直す必要があります。
何事にも無気力、無関心になる
育児ノイローゼに限らず、心が病気になると行動にも変化が起きます。育児に興味が持てなくなり「何もしたくない」状態になるのはもちろんのこと、自分のことすら億劫に感じ無気力になるケースも。
部屋の片づけをする気力がわかない、シンクには洗い物が溜まりっぱなし。子どものお洋服も洗わずそのまま…生活に支障が出るレベルの無気力状態は、ママ自身の怠惰ではありません。心を休めて、元気にする必要があります。
イライラしやすい時期、育児ノイローゼになりやすい時期とは
子育てをイライラせず行う、育児ノイローゼを完璧に防ぐ。理想的なことですが、実際に育児をしてみると「それは無理…」となりますよね。さらに完璧を目指すママは、イライラしないこと、自分の弱さを隠すことを必死になりすぎて、余計に育児ノイローゼの心配が増えてしまいます。
育児ノイローゼはママ自身がどうにかできるものではありません。そこで、事前に育児ノイローゼになりやすい時期を知っておきましょう。辛い時期はずっと続くわけではなく、「楽になった」と感じるときは必ずやってきます。
生活の中で孤立しているとき
育児を始めると、「子ども」という存在を命がけで守るママになります。これまで付き合いのあった友人とは異なる環境になり、ママ自身もすぐには「母親」としての生活に慣れるのは難しいです。
育児中はそういった「私だけ辛いんじゃないか」という状態に陥りがち。辛い気持ちを分かち合える人がおらず、孤立すると育児ノイローゼになる可能性も高まります。
孤立というとたった一人で育児と向き合うイメージがありますが、パパがいても両親の協力が得られていても、孤独感は覚えるものです。
この孤立というのは、シングルマザーであるとか、親元から離れているとかではなく、「本人自身の孤独感」です。
特集:育児ノイローゼで疲れた。育児でイライラする | イクハク
毎日子どもとしか会話できない生活が続くと、ママの悩みは誰にも打ち明けられることなく溜まっていきます。孤独を回避できればベストですが、今一度ママ自身が「自分にとって居心地の良い環境」とは何かを考え、早めにSOSを出していくことが必要です。
育児が特に忙しくママの休息もままならないとき
育児は子どもが何歳になっても大変なものです。特に手がかかるのは乳児期。夜間授乳や夜泣きがあると満足な睡眠時間も取れず、さらに産後の疲労も重なってママは身体的にも精神的にも追い詰められがちです。
とはいえ、育児が休めないのは理解できます。ベビーシッターや保育施設の利用などが簡単にできればそれで良いのかもしれませんが、費用の関係や空きのタイミングなどで難しい側面もあるでしょう。ただ、ママ自身が元気で過ごせないと子どもも健やかな成長は期待できません。ある程度育児の理想を下げたり手を抜いたり、これまでやっていた家事のいくつかを手放してパパや両親にお願いすることも検討しましょう。
ホルモンバランスが急激に変化したとき
妊娠から出産、そして産後の生活の中で、ママのからだでは女性ホルモンが急激に変化を起こします。これまで規則正しくホルモンバランスを保てていても、乳児を育てる間や産後すぐはバランスが乱れがちです。
すると、ホルモンバランスの急激な乱れによって精神的に不安定になることも。生理が始まる前のPMS症候群ではイライラや気分の落ち込みが見られることもありますが、その状態になりやすいのが「産後」であることを意識しておきましょう。
また、「妊娠する前までは健康だったから大丈夫」と自分を過信しすぎないことも大切です。妊娠・出産はからだに大きな負担のかかることであり、年齢の関係もあってこれまでにない不調も見られます。産後だけでなく体調不良、大きな病気をした際にも気分は不安定になりやすいので、自分の体調と気分の変化には十分気を付けておきましょう。
育児ノイローゼは放置厳禁。今すぐできるイライラの対策法
これまで育児ノイローゼの特徴やなりやすい時期を見てみると、「もしかするとノイローゼ気味なのかも…」と気づいたママもいるのではないでしょうか。その「育児がつらい」「イライラする」気持ちは決してママのわがままではありません。
放っておくと、ママだけでなくパパや子どもに影響することも。今すぐできるイライラの対策法を見ていきましょう。
自分で自分を追い詰めない、育児から離れる時間を作る
育児ノイローゼは甘えでもなく、防げるものでもありません。周囲がどんなに悩みなくスムーズに育児できるように思えても、また周りのママは「子ども一人だけでなくきょうだい育児をしているのに」と自分より大変そうな環境を楽々乗り切っているように見えても、育児ノイローゼは自分だけの問題で周りは関係ないのです。
何かと比べたり自分の理想だけを追い求めたりすることなく、自分自身を追い込まないようにしましょう。これは「周りからの協力も得られているのに」と遠慮する必要もありません。周囲に人がいるからこそ、もしかするとその状況がママのストレスになっているもかもしれません。
ときには育児から離れて、自分だけの時間を満喫するのもおすすめです。最も避けたいのは、ママの育児ノイローゼで子どもに危険が及ぶこと。手遅れになる前に、自分に優しくできる時間を作ってみてください。
誰かに相談する
次に、誰かに悩みを打ち明けることです。育児で悩むママは多く、そんなママの相談に乗るために窓口が用意されています。
- 自治体の子育て相談窓口
- 児童相談所
- 子育てサークル、子育てイベント
- 子育て支援センター
- 児童館、保育園、幼稚園など保育施設
- 病院や保健センターの窓口
- 日本保育協会、ママさん110番
その他にも両親やパパ、ママ友など信頼できる知り合いがいれば相談しても構いません。私自身は子どもが乳児期のころは出かけることもままならなかったため、SNSを通じて全国のママと知り合い相談していました。
相談先は3つ以上作っておくことがおすすめです。自治体窓口や病院など、混雑していると即座な対応ができません。また、相談するときは「育児の悩み、子どもの悩み」なのか「ママ自身が辛くて耐えられない」のか、誰のことについて悩んでいるのかをはっきりさせると話しやすくなります。育児ノイローゼ気味であれば、「子どもがきちんと育っているか不安で」ではなく「育児が辛くて私がどうにかなりそう。私が辛いんです」と主語をママにして話してみましょう。
まとめ
育児でイライラする、抑えられない…そんな育児ノイローゼはどんなにしっかりした人でも症状が現れる可能性はあります。自分自身の気持ちやからだを大切にして、ママは「子どもを守るため」に「自分を守る」ことを徹底しましょう。
悩みがあれば相談窓口も利用して、SOSを出すことが大切です。
【参考】
もしかして育児ノイローゼ?8つの症状とタイプ別の特徴とは | COE LOG
特集:育児ノイローゼで疲れた。育児でイライラする | イクハク