子供がときどき上げる「キー!」という甲高い声。いつも一緒にいるママでも、我が子のことながら「うるさい」「耐えられない」と感じるかもしれませんね。
子供の奇声とは一時的なもので、次第に収まるとは言われています。しかし、言葉を理解するようになり育児がひと段落した3歳でも奇声が止まない場合はどうしたらよいのでしょうか。
今回は3歳の奇声について、なぜ大きな声を出すのか、ママができる対応をご紹介します。子供の奇声で悩んでいるママは参考にしてくださいね。
3歳児はなぜ奇声を上げるの?
なぜ3歳児は奇声を上げるのでしょうか。まずはその理由から探ってみましょう。
楽しい気持ちが抑えられないから
一つは、楽しい気持ちが抑えられないからです。特に元気な男の子や体力がたっぷりある子によく見られ、遊んでいるうちに夢中になり、声を出して気持ちを発散することがあります。
これが奇声になるのです。本人には不快感はなく、楽しさが声になって表れた形ですね。
幼稚園のそばを通るときも、子供が楽しくキャー!と声を出していることがあります。元気なのは良いことではありますが、声を小さく落とさないといけないシーンで奇声を上げると、ママとしては困ってしまうこともあるでしょう。
親の注意を引きたい、注目されたいから
3歳になると、「自分がどんな行動をすれば注目されるか」を理解できています。突発的に甲高い声を出すと、ママ・パパは「どうしたの?」と目を向けますよね。
もちろんママを呼べばそれだけで済む話ですが、日常的に自分の思いが伝わっていないと奇声になることも。特に下の子が産まれたりきょうだいに親が注目していて「話を全然聞いてくれない」となると、不満に思う気持ちも相まって奇声を上げる子もいます。奇声はママに何かを伝えたい気持ちの表れなのかもしれません。
気持ちが言葉で表現できないから
3歳さんの平均的な成長に目を向けてみると、
3歳から4歳にかけて話せるようになる言葉の数は、平均すると1700語程度。これぐらいになると、大人との会話も無理なくできるようになってきます(ただしこの年齢はまだ自己中心的なので、言葉の上ではコミュニケーションが取れても、相手の求めに応じて適切な応答をすることはなかなかできません)。
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このように、これまでよりも言葉の使い方がうまくなってきます。しかし、相手の気持ちを汲み取り配慮できるようになるのはまだまだ。3歳だと一方的な主張に終わってしまうことがほとんどです。
この気持ちを言葉に正しくできるようになるのは、もう少し大きくなってからです。ママに主張したいことがあるのに、「それを聞き入れてくれない」「理由も理解できない」「そもそもうまくお話しできない」ともどかしさを感じると、癇癪のように奇声を上げるかもしれません。
2歳ではイヤイヤ期真っただ中とよく言われますが、3歳の子供でも扱いに困ることもあるでしょう。いくらおしゃべりが上手になったとしても、子供の気持ちを汲み取って奇声の理由を考えてあげることは大切です。
3歳児の奇声はおかしいの?
子供の奇声が気になって、ネット上で検索をするママも多いかもしれません。ここで「発達障害かも」と不安に思う方もいるかもしれませんね。
お話できるようになり、ママと意思疎通もできる3歳なのに、突発的に叫んだり奇声を上げたりするのはおかしいことなのでしょうか。多くの親が不安に思っている「奇声はおかしいのか」について、掘り下げて考えてみましょう。
奇声=発達障害ではない
前提として、奇声を上げているからといって発達障害かどうかは、「これだけで判断できない」と言われています。確かに発達障害を持つ子の中には、言葉が出てこず奇声となって感情が現れることもあるでしょう。しかし、すべての奇声を上げる子供が発達障害かというとそれは違います。
しかし、奇声にはよく見ておきたいものもあります。以下に注意すべき奇声を上げました。
- 目に見えて外傷がないが、痛がる素振りがある
- 熱など他に症状がある
- 手足がつっぱっている、白目をむいている
このような奇声は体調不良からくるものかもしれません。すみやかにかかりつけのお医者さんに相談することをおすすめします。
また、3歳にもなると奇声を言い聞かせして止めさせることはできます。その言葉も理解できそうにない、子供としても「奇声を止めたいのに止められない」といった気になることが多ければ、専門家に相談するのも手段のひとつです。
3歳ごろの子供にはよく見られること
3歳になって突然奇声を上げ始めた、小さな頃から奇声を出していてなかなか止まらない。奇声といってもその子それぞれで異なるので、長く続いたり突然奇声を上げ始めたりすると驚くかもしれませんね。
ですが、3歳の子供には奇声は決して珍しいことではありません。よく見られることで、それほど「感情が豊かになった」「周りとコミュニケーションが取れるようになった」と成長の過程として受け止めることも大切です。
自由に周りのことを考えず奇声を上げて良いわけではありませんが、あまり奇声に対して過敏に反応しなくても大丈夫です。一時的なものですし、ずっと長くは続きません。3歳まで育児をしてきたママにとっては「子供は親の言う通りにはならない」のは身をもって感じていますよね。「子供だし奇声を上げることもあるだろう」と、どっしりと構えておくのもおすすめです。
3歳の子供の奇声、ママができる対応とは?
では、3歳の奇声に対してママができることはどんなことがあるでしょうか。自我がはっきりとしていてなかなかいうことを聞いてくれない…そんな3歳さんにも伝わる「奇声への声掛け方法」をご紹介します。
なぜ奇声を上げたのか代弁する
3歳になると言葉の理解が進みます。その点に注目して、「なぜ子供が奇声を上げたのか」をママが代弁してあげましょう。
- 下の子ばかり見ていて悔しかった
- とても楽しくて遊びに夢中になっていた
- ふざけていただけ
さまざまな理由が考えられます。まずはその子供の気持ちを否定せず、一度言葉に出して受け入れてあげましょう。
「○○したかったんだね」「○○があったのね」と子供の気持ちを代弁した上で、「大きな声を出さなくても分かるよ、大丈夫だよ」と安心させてあげましょう。大切なのはママも子供と一緒になってヒートアップすることなく、冷静に対応することです。
「この場所ではこのくらいの声で話す」とママがお手本に
3歳にもなると、「お買い物に行くスーパーでは周りの迷惑になる」「ご近所さんにうるさいと思われちゃう」と次第に周りの方への配慮の気持ちを持つことがあります。そこで、事前に奇声を上げられない場所へ行くときは、「この場所ではこのくらいの声でお話ししようね」とママがお手本を見せてあげてください。
大きな声を出すことがいけないわけではありません。例えば屋外の公園や広くて人気のない場所は、思い切り遊んでもOKです。ただし、「どんな場所でも自由に振舞って良い」のかというとそうではありませんよね。静かにしなくてはならない場所、奇声を上げてはならない場所もあることを、事前に教えてあげましょう。
叱ったり曖昧な言葉で注意するのはNG!
「もう3歳なのに、どうしてふざけて奇声を上げるんだろう?」とママの中にはひどく怒ってしまうこともあるかもしれません。奇声は親としても不快で、どんなに小さな子のやることでも「思い出すとイライラする」という方も多いです。
ですが、「いい加減にしなさい!」「静かにして!」と理由も話さずいきなり怒鳴りつけるのはおすすめできません。
以下の記事は「子供に怒鳴る弊害」を詳しく解説したものです。
ここを見ると分かるように、子供にひどく怒鳴って注意しても「ママから怒られてびっくりした」という記憶しか残らず、なぜ奇声を上げてはならなかったのか?は学べないのです。
まずは子供がなぜ奇声を上げたのかを考えて、その思いを受け止めてあげましょう。その上で「大きな声を出すとどうなるかな?」と周りへの影響を一緒に考えてあげられるとベストです。
まとめ
子供の奇声は決して珍しいものでもなく、どの子も少なからず「大きな声を出す」ことに悩みを持っています。どうしても注意しきれない奇声や躾では収まらないことなので、「子供が奇声を上げても大丈夫」とママは堂々としておくと良いでしょう。
その上で、3歳の子にも理解できるような奇声の収め方を試してみます。言い方や言葉を工夫して、子供と上手にコミュニケーションを取ってみてくださいね。
【参考】