ある日、ママが「私、育児ノイローゼみたい」と告白したら、夫は相当にうろたえてしまうかもしれません。今回は、女性の育児ノイローゼと夫の関係を探り、夫がどのように対処できるのか、育児ノイローゼだと分かったときに、して良いこととそうでないことなどをまとめました。
ふたりともが疲れたときの対策も、一緒にチェックしてみてくださいね。
また、育児ノイローゼの治療や受診に関しては、こちらの記事もお読みください▼
育児ノイローゼは周囲の協力が重要
「育児ノイローゼ」という症状を耳にしたことがある方も多いのではないでしょうか。育児ノイローゼとは、子供がいる人なら誰でも発症する可能性のある症状で、ワンオペ育児による肉体的疲労や、子供の命を守るという緊張が続くことへの精神的負担、大人だけの生活とは異なり、スムーズにスケジュール通り物事が進まないことへのストレスなど、さまざまな要因により、引き起こされるとされています。
育児ノイローゼにならないためや、育児ノイローゼになってしまったときの回復などには、周囲の協力が不可欠です。特に、核家族化が進む現代で、ママがメインで育児に携わる時間が長いことが多く、ママの支えである夫の協力が重要なポイントになっています。育児ノイローゼは、夫の協力の有無や内容によって、症状を軽くしたり、発症してもスピーディーに改善できたりします。
育児ノイローゼのときに夫ができることは?
ママが育児ノイローゼで苦しむ姿を見て、胸を傷める夫も少なくありません。ママが育児ノイローゼになったとき、夫はどのようにママをサポートすれば良いのでしょうか。ママが育児ノイローゼのときに、夫ができることをチェックしてみましょう。
育児ノイローゼについて理解する
ママがイライラしていたり、子供に怒りすぎたりしている姿を見て「どうしてそんなことをするんだ」と夫が怒れば、ママはますます孤立してしまいます。「なぜ?」という疑問は、ママに向けるものではありません。ママがなぜ育児ノイローゼのような症状を発症しているのか、育児ノイローゼとは何なのかという勉強をして、ママが置かれている状況や、症状を理解することが大切です。
育児ノイローゼは、心身の疲労から襲ってくることが多くありますが、産後のホルモンバランスの変化も大きな要因になるとされています。治療が必要な部分はきちんと治療することで、症状は改善します。さまざまな要因から症状を発症しますが、反対に言えば、さまざまな角度からアプローチができるものだということを理解してあげてくださいね。
夫にしてほしいのは「励ます、ほめる、慰める」
厚生労働省が所管する独立行政法人独立行政法人労働政策研究・研修機構(日本労働研究機構)が平成15年に発表した「育児と介護と仕事の両立に関する調査」によると、育児ノイローゼや産後うつのときに夫にしてほしかったことの1位は「励ます・ほめる・慰める」という結果になりました。育児の負担を減らすために、夫は家事や育児を自分のできることから手伝おうとしがちですが、まずはママの話に耳を傾ることが先決です。その上で、何をしてほしいかを尋ねてあげると、ママのしてほしいことが確実に伝わるでしょう。
育児ノイローゼは、精神的なダメージにより発症することが多くあります。ママを孤立させずに、夫婦でしっかりコミュニケーションを取ることで、予防や改善につながります。
できるだけ手抜きOKに
ワンオペ育児の忙しさも育児ノイローゼを発症する一端だと言われています。お掃除や衣類の乾燥など便利に使える家電を取り入れて、少しでも家事の負担を減らすのも、育児ノイローゼ対策におすすめです。
様子を見ながら、家事代行サービスやベビーシッター、地域のファミリーサポートなどを取り入れることも検討の余地があるでしょう。
こちらの記事も参考にしてみてくださいね。
1人になれる自由な時間を
心身をゆっくり休めるためには、ママが一度子供から離れることが必要なこともあります。子供と離れる時間が必要という場合は、夫が子供を連れだしてあげてくださいね。
子供のお世話だけでなく、家の用事とも距離を置きたいという場合は、ママ1人でのお出かけがおすすめ。たとえ短時間でも、日常と少し距離を置くことで心身の元気が回復することがあります。
育児がうまく行く!夫の心構えとは?
夫がママの育児ノイローゼのために育児を手伝おうと思っても、ママの思いとは異なる行動に出て、帰って問題が深刻化してしまうことがあります。そうならないためにも、夫の育児に対しての心構えを紹介します。さっそく取り入れてみてくださいね。
自分のことは自分で
赤ちゃんや小さな子供と一緒の生活で、ママは精一杯です。夫は大人で自分のことは自分でするという自覚を持って生活するのがポイントです。
たとえばお料理の支度でも、「なんでもいいよ」や「急がなくていいよ」というのは、一見ねぎらっているようですが、ママの負担はまったく減っていません。
ママが辛そうなときは、自分の食事は自分で用意したり、ママが食事の準備をしているなら、一緒に準備をするなど、自分のことは自分でしましょう。
育児は手伝いレベルであること自覚し、妻への感謝を忘れない
長い時間子供と接するママと、1日のうち短時間だけ育児を行なう夫では、できることも容量の良さも桁違いです。
夫が携わる育児は手伝い程度しかできていないことを理解し、ママへの感謝の気持ちを持つのを忘れずに。お互いが感謝しあえれば、きっと育児もうまく行くようになります。
「手伝い」ではなく「当然の使命」
家事や育児を夫がするとき、ママの手伝いをしてあげようと思っていませんか?育児や家庭が上手く行くには、「手伝い」という概念を捨てて、「当然の使命」であると感じ取れるようになるのがポイントです。
ママが家事や育児をするのを当たり前だと思っていませんか?それと同じように、実は夫が家事や育児をすることも、当たり前の使命です。
聞き役は夫の役目
仕事で疲れて帰ってきているのに、ママの話を聞くのは辛いという方もいらっしゃるかもしれません。しかし、家事や育児の負担について話し合い、改善できるのは夫だけです。1日の様子や不満、愚痴など、しっかり聞いて、妻の心理状態を把握してあげてくださいね。
女性は、話すことでストレス発散をしているという一説もあります。しっかりと夫が話を聞いてあげるだけで、育児ノイローゼが予防できたり、育児ノイローゼが改善されたりします。
ふたりとも疲れているときの対処法
家事や育児を夫がママと一緒に取り組みたいと思っていても、ふたりとも疲れてしまって余裕がないこともあります。そんなときの対処法をご紹介します。取り入れられるところから取り入れて、それぞれの夫婦に合う形を探してみてください。
実家に預ける
どちらかの実家が近くにある場合は、思い切って子供の世話をお願いしてみてはいかがでしょうか。現代の育児法と昔の育児法では異なる点も多々ありますので、してほしくないこと、してほしいことを明確にし、夫の実家に預けるなら夫が実家へそれを伝え、ママの実家に預けるならママが伝えることで、よりストレスのない環境が整えられます。
ベビーシッターを利用する
自治体で行なっているファミリーサポートサービスや、ベビーシッターなどを利用して、子供のお世話から距離を取るのもひとつの手です。双方の実家が近くにないときや、実家にお世話を頼めない環境にある場合は、特におすすめです。
家事代行サービスを利用する
育児ノイローゼといっても、さまざまな状態があります。家事があまり得意でない場合は、育児と家事との両立が大変で、育児ノイローゼと引き越してしまうこともあります。家事代行サービスなら、ママが苦手と思っている部分をカバーしてもらえるため、安心して子供と向き合えるようになります。
デリバリーでおいしいものを食べる
最近では、デリバリーサービスも多くの飲食店が行うようになりました。小さな子どもを預けられないという場合には、デリバリーを利用して、ちょっぴり贅沢してみませんか。ほんの少しでも、日常と異なるものを取り入れることで、心を日常の喧騒から解放してあげてください。
まとめ
育児ノイローゼを避けるためには、ママを孤立させないことが大変重要です。ママと夫がしっかりコミュニケーションを取らなければ、症状がますます悪化してしまうケースがあります。家事や育児は、当然ながら二人で取り組む課題です。お互いに尊重し合える素敵な夫婦を目指してみましょう!
【参考・参照】