イヤイヤ期1歳が大変!声掛けの仕方やイヤイヤ期の乗り切り方

イヤイヤ期1歳

子供の初めての反抗期である「イヤイヤ期」。何でもイヤ!と否定することからイヤイヤ期と呼ばれていますが、このイヤイヤの正体は子供に「自我の芽生え」が起きたからです。

大切な成長過程といわれていますが、イヤイヤ期の子供との向き合い方は難しく感じる人が多く、「何歳からイヤイヤ期が始まるんだろう?」「2歳になったら大変なのかな…」と不安に思っているママも多いかもしれませんね。

さらに、多くの子が2歳ごろで感じるイヤイヤ期ですが1歳でもイヤイヤが見られる子もいます。今回はイヤイヤ期1歳の対応方法や、ママが心がけたい点などを詳しく解説します。

イヤイヤ期1歳から始まる?

育児 疑問

「魔の2歳児」と噂されることも多いイヤイヤ期。みなさんも「2歳ごろでイヤイヤが始まる」とイメージしていませんか?

実はイヤイヤ期が始まるのは誰もが2歳からではありません。1歳ごろにイヤイヤが見られても大丈夫。まずは2歳近くの子供には、どんな変化が起きているのか年齢別に考えていきましょう。

【0歳】基本的感情に基づくイヤイヤ

子供は0歳のころから「したい」「やりたい」「これは嫌だ」と自分の気持ちを持っています。人間は6~8か月頃までに「基本的感情(喜び・悲しみ・嫌悪・怒り・恐れ・驚き)」が発達すると言われています。0歳の子供のイヤイヤはこれらの基本的感情に基づいたものです。

言葉をまだ話せない0歳児だと、身振り手振りでその感情を表現します。例えば離乳食の味が気に入らなければ吐き出したり、人見知りが始まるとママ以外の人が近づくと泣いて「ママがいい」と訴えたりするのです。

この時期のイヤイヤは時間が経てば収まります。冷静に「なぜこの子は泣いているのかな?」と考えて、要求を満たしてあげるとよいでしょう。

【1歳】やりたい気持ちと出来ないもどかしさでイヤイヤ

一般的なイヤイヤ期よりも少し早い1歳。イヤイヤ期1歳はどのような様子なのでしょうか。

1歳は自分でやりたいことも出始め、さまざまな興味・関心が生まれる時期。とはいえ、1歳児は手先も不器用でおもちゃなどもまだまだうまく扱えず、自分でできることは少ないでしょう。「これはやりたくない!」と拒否する気持ちがあったとしても、言葉に出して説明するのは難しいのが1歳イヤイヤの特徴です。

また、やりたい気持ちがあっても、まだ身体が上手に使いこなせずにそこにもどかしさを感じてイヤイヤするのも特徴です。そのため、ストレスを溜め込んでしまい泣き出したり癇癪を起こしたりしてママに訴えることもあります。

1歳のイヤイヤ期でもイヤイヤを起こす原因を考え、子供にとってネックとなる部分を解消してあげるとうまく付き合えます。

【2歳】言葉も出るがとにかくイヤイヤ!

では、イヤイヤ期というと多くの方がイメージする2歳。2歳のイヤイヤ期はどういったものなのでしょうか。1歳に引き続き、次第にいろんなことができるようになる2歳。さらに興味・関心は幅広くなり、イヤイヤの原因も複雑になります。

0歳だと「赤のお洋服は嫌だ!」と嫌がることはありませんが、2歳だと「赤のお洋服は嫌だ。だからお着替えも嫌だ!」と自己主張の手段がイヤイヤになります。イヤイヤする気持ちを切り替えてあげることも大切ですが、2歳になると気をそらすのも難しいです。

言葉も出始める2歳ですが、それでも「自分の主張」をうまく伝えるのは難しいもの。従って、多くのママが2歳のイヤイヤ期を感じやすく、育児に難しさを覚えるのです。

イヤイヤ期1歳、どう対応する?

怒る 1歳児

1歳でイヤイヤ期を感じたら「もうイヤイヤ期?」とママは混乱するかもしれません。情報収集しても「2歳のイヤイヤ期対応法」は見つかるけれど「1歳向け」は見当たらない…と悩む方も多いのではないでしょうか。

ここではイヤイヤ期1歳との向き合い方をご紹介します。

まずは子供に寄り添う。「これが嫌なんだね」と声掛けを

イヤイヤが始まると「なんでイヤイヤするの?」「突然わがままになって大変」とママは驚くかもしれません。さらに、イヤイヤをおさめるために「これはダメよ!」「やっちゃダメ!」と強く子供の主張を否定すると、さらにイヤイヤがひどくなった経験はないでしょうか。

「イヤイヤ」と名前が付いているのでネガティブなイメージをされがちですが、イヤイヤは子供の大切な自己主張です。頭ごなしに否定せず、まずは子供に寄り添いましょう

「〇〇が嫌だったの?」「これが嫌なんだね」と寄り添う気持ちで、声掛けの方法を変えてみてください。特に1歳の子供は自分の気持ちを言葉にするのが、まだまだ苦手です。ママが気持ちを代弁することで、子供にとっても「ママが分かってくれる」と理解してくれます。

根気強くイヤイヤの原因を探る

2歳のイヤイヤと比較すると、1歳イヤイヤ期はまだ要求は単純で「絶対にこれじゃないといけない!」といった強いこだわりは少ないのが特徴です。そのため、イヤイヤの原因を根気強く探ってみましょう。

例えばおもちゃを「イヤ!」と言えば、「これかな?こっちかな?」と探りながら子供に選んでもらうのも良い方法です。イヤイヤの原因が分かれば、1歳の子の癇癪も少しはおさまるかもしれません。

ただ、頑張ってイヤイヤの原因を探っても分からない時もあります。1歳の子だとなおさら「なぜイヤだったのか」を忘れがちです。その時は「分からなかったね、こっちのおもちゃで遊ぶ?」と子供に伝えて、気持ちをそらしてみるのもひとつの手段です。このように、互いに分かり合う努力をしてみましょう。

分からないから「イヤイヤしないで!」と叱ってしまうのは、子供の気持ちもおさまりませんしママにとってもストレスがたまるのでおすすめできません。

「やってはいけないこと」には毅然とした対応を

イヤイヤする気持ちを否定しないのは大切ですが、危険な遊びや家庭で禁止をしている食べ物で遊ぶなどのやってはいけないことには毅然と対応しましょう。例えばママの関心を引くためにわざとおもちゃを散らかす、飲み物などを机にぶちまけるといったイヤイヤがあれば、過度に反応せずあえて淡々と「これはやらないでね」と向き合いましょう。もしママが大きく反応を示すと、「ママの関心を惹けた!」と誤学習するかもしれません。

「イヤイヤ」と「わざと」は違います。この見極めはママにとって大切なので、どうして子供がその行動をしているのかその原因を冷静に判断してみてください。

イヤイヤ期1歳、大切にしたいのは親のメンタル

遊ぶ親子

イヤイヤ期は、子供との向き合い方を特に考えなくてはいけない時期。ですが、「忙しくて対応できない」「子供を怒ってしまう、イライラして気持ちに余裕が出ない」「1歳だけどどうしよう、2歳になってからが本番なのに!」と焦る方も多いでしょう。

イヤイヤ期は何歳であろうと大変です。ママは子供と同じように、ママ自身も大切にしてくださいね。

余裕があるときに子供と「楽しい」の共有を

忙しくてイヤイヤする子供と向き合えない、ついイライラしてしまう。丁寧な対応ができないと罪悪感を覚える方も多いです。1日のうちわずかな時間でも、余裕がある時に子供と「楽しい」を共有しましょう。

子供が機嫌よく一人遊びをしていたら「今の間に家事を済ませよう」と別のことをしてしまいますよね。ただ、少しの時間でよいので大人も遊びに加わってみましょう。ママにとっては楽しい時間を共有することで安心でき、子供は「ママ・パパは自分のことを分かってくれる」と信頼感が生まれます。

「イヤイヤ」は「ママを否定」しているわけではないことを認識して

なんでも「イヤ!」と言われると、なんとなく否定された気分になります。ですが、イヤイヤ期は子供の心が成長している時期。例えひどくイヤイヤされても「ママを否定している」わけではないのを、頭に入れておきましょう。

イヤイヤ期という言葉が否定的なので、どうしてもすべてを否定するイメージが付きやすいですよね。言い換えるとイヤイヤ期は「自己主張期」です。「今この子は成長しているんだ」と前向きに捉えてみましょう。

「2歳になるとより理解できるかも」と前向きに

1歳からイヤイヤ期があるとどうしても「2歳になってさらにひどくなるのに!」と焦ってしまいます。ですが、1歳の頃からイヤイヤを理解する時間を持っていると、2歳になったら少し余裕ができるかもしれません。

親子が互いに成長し合うことで乗り越えられるイヤイヤ期。1歳のころからイヤイヤに困ったとしても「意思疎通の練習をしっかりしているんだ」と考えると、気持ちも楽になるかもしれません。

まとめ

イヤイヤ期1歳で困るママは多いもの。さらに、「1歳からもうイヤイヤ期が?」とがっかりする方もいるかもしれません。

ですが、イヤイヤ期は子供が成長した証であり、とても大切な成長過程です。1歳で自己主張ができる子供を認めてあげて、子供を理解する気持ちを持ってみましょう。

【参考】

イヤイヤ期はいつからいつまで?【公認心理師】ママがお伝えするイヤイヤ期の期間とママの関わり方  心の相談室こころラボL.L.C.

もしかして、、、これってイヤイヤ期!?年齢別で見る対応のヒント  MIMI STAGE

どう乗り切る? イヤイヤ期 ~なぜイヤイヤをするの?~ – NHK すくすく子育て情報

ABOUT US
【監修】久保田 由華久保田 由華
公認心理師、臨床心理士。
NY州立大学にてメンタルヘルスカウンセリングの修士号修得。NYCのNPOにてアシスタントサイコロジストとして勤務後帰国。
大学、クリニック、心理相談室等で勤務。7000ケース以上のご相談を担当。

心の相談室こころラボを設立し、カウンセリング以外にも子育てママのためのセミナーやスクール、ママのためのオンラインコミュニティを運営。