下の子が生まれると、二人の子どもを同時に見るきょうだい育児が始まります。すると、「上の子は赤ちゃんじゃないのに、聞き分けがない」「上の子が下の子を乱暴に扱ってイライラする」と上の子を怒りすぎてしまうことも。
二人育児でママが越えなければならない壁の一つが、上の子怒りすぎてしまう問題。二人育児で手が足りず、それでも育児を完ぺきにこなそうとする頑張り屋さんのママこそ陥りがちです。
今回は上の子を怒る前に、怒りをコントロールする方法や怒ったときの子どもへの影響を考えてみましょう。きょうだい育児をこれから始めるママ、二人育児で悩んでいるママはチェックしてみてくださいね。
上の子怒りすぎてしまうと悩むシーン
上の子を怒りすぎてしまうシーンは、1日のうちに何度も訪れます。まずはどんなときに怒りすぎてしまうのか、状況を整理してみましょう。
下の子の面倒を見ているとき
下の子が生まれたばかりだと、日夜を問わずおむつ替えや授乳が必要です。もちろん赤ちゃんに言葉は通じないため、「ちょっと待ってね」と声を掛けても聞いてくれません。
下の子が泣いてしまい、すぐにあやさないといけないシーンに限って、上の子から呼ばれたり上の子もぐずったりしていないでしょうか。年の差にもよりますが、上の子が2~5歳の小さな子なら赤ちゃん返りがあり、ママがイライラしてしまうこともよくあります。
朝の支度や晩御飯前など、家事が多く忙しいとき
朝起きてから入園準備、保育園へ行く支度をするとき。ママ自身も身支度があるため、子どもの相手が十分にできません。また、家事が溜まりがちな夕方もやることが多く、子どもの声に応えてあげられないことも出てきますよね。
そんな忙しいとき、下の子の面倒を見ている間でも上の子は「お兄ちゃん・お姉ちゃんだから」自分で準備をしたり、一人遊びしたりして欲しいと思ったことはないでしょうか。時間が迫っていて慌ただしいときほど上の子に期待をしてしまい、結果として思い通りにならず怒ってしまうこともあります。
ママ自身育児疲れが溜まっているとき
上の子も下の子も平等にかわいく、二人を同時に愛しながら育てたい。そう思っていても、二人育児は予想できないことだらけで、特に乳児と幼児の育児を同時進行にするとなるとママの疲れも溜まりやすいでしょう。
「二人目は一人目よりも慣れている」とはいっても、単純に子どもの数が増えているため育児の手も足りません。知らないうちに育児疲れが溜まっていて、衝動的に上の子を怒ってしまうこともよくあります。
ただ、子どもを怒りすぎてしまうとママにとっても辛いですよね。上の子怒りすぎてしまうことが多ければ、「今私は疲れていないかな?」と自分を振り返ってみてください。
「上の子怒りすぎてしまう」コントロールする方法とは
上の子怒りすぎてしまうことは、誰にでも必ずあります。しかし、まだ幼い子どもを強く叱るとママ自身後悔が募るもの。そこで、怒りを上手にコントロールして子どもと向き合ってみましょう。
アンガーマネジメントで怒りを抑える
アンガーマネジメントとは、言葉通り怒りを自分で管理するものです。怒りは抑えようと我慢すればするほど、増長されて収集がつかなくなるのです。
そこで、自分に合った方法で瞬発的に起こる「怒りの感情」を収める方法を身に付けましょう。
アンガーマネジメントには「目を閉じて6秒カウントする」「怒りの感情を覚えたらその場から立ち去る」「他のことを考える、思考をシフトチェンジする」などやり方があります。どれも特別な道具がいるわけではなく、考え方次第で実践できるため気になる方はぜひ試してください。
こちらの記事に怒りを管理する7つの方法が詳しく掲載されています。参考にしてくださいね。
少しだけ子どもと距離を置く
上の子を怒りすぎてしまうシーン、思い返してみれば「外は雨で遊びが十分にできない。部屋は散らかっていて、片づけても子どもたちがどんどん出してしまう」といった、閉鎖的な空間で起こっていないでしょうか。
子どもとの距離が近いと、その分子どもに言いたいことも増える上、窮屈さを感じてイライラします。支援センターや広々とした公園などを選んで一度距離を置き、育児を進めてみましょう。
ママがどれだけ怒っているのか表現する
上の子に怒りすぎてしまう前に、ママ自身がどれくらいの「怒りレベル」なのかを示すのもひとつの手段です。
この怒りの表現にはメリットが二つあり、一つは子どもにどれくらい怒っているかを示せる点です。子どもが幼いと数字で表してもなかなか伝わりませんよね。体を使って「こんなに怒っているよ」と言ってみたり、頭のてっぺんが「怒りレベルがマックス」だとして顔のどのくらいまで怒っているかを伝えてみたりするとよいでしょう。
また、もう一つのメリットがママ自身も「自分はこれだけ怒っているのか」と客観的になれるものです。怒りの感情が湧くとそればかりに支配されてしまいますが、怒っていることと程度を自分で図ることで、少しの間冷静さを取り戻せます。
上の子怒りすぎてしまう影響とは
子どもを怒りすぎてしまうと、「子どもに悪い影響が出ないかしら」と悩むこともありますよね。ここでは子どもを怒りすぎてしまうときの影響について考えていきましょう。
繰り返すようなら対策を!
赤ちゃんだと言葉は通じないため、どうしても怒りの矛先や叱る相手は上の子になりがちです。怒りすぎる影響というのは、1~2回であれば悪影響は出ないと言われています。
ただ、繰り返し怒ったり些細なことでも口出ししたりすると、子どもは親の顔色をうかがい行動するようになるでしょう。
小さな子どもには、「これはやってはいけないこと。なぜなら〇〇だから」というように善悪の意識を正しく身に着けて欲しいですよね。しかし、繰り返しひどく怒られると「ママが怒るかどうか」で物事の判断を付けてしまうかもしれません。
繰り返し怒りが爆発しストレスフルな生活が続いているというのであれば、育児環境を見直したりパパに育児を変わってもらったり、シッターサービスなどを利用して子どもと距離をとってもよいかもしれません。先ほどご紹介した怒りをコントロールする方法とあわせて対策を取ってみましょう。
叱ると褒めるはワンセットで
まず前提として考えたいのは、感情に任せて突然怒りだす「キレる」行為と、子どものためを思って躾をする「怒る」行為は別だということです。育児をしていて怒らないママは珍しく、例えば二人育児が始まったばかりで疲れているときなどは、よりひどく怒ってしまうこともあるでしょう。
ただ、叱る・怒ると褒めるはワンセットで行いたいものです。ずっと怒ってばかり、叱ってばかりだと子どもの自尊感情を損ねてしまいます。自尊感情が下がると、子どもが「何をやっても怒られる」と思い込んでしまい、行動意欲が減退してしまうのです。
そこで、行動を改めたり言われたことができるようになったり、お手伝いをしてくれたりしたときは思い切り褒めましょう。心情的にも「子どもを叱ってばかり」と後悔する気持ちが薄れ、上の子に対しても優しい気持ちで接することができるかもしれません。
「ママが悪いな」と思ったらちゃんと謝る
子どもには何も伝わらないかもしれませんが、「ひどく怒ってしまった」「怒りすぎてしまった」と後悔したら「ごめんね」と素直に謝りましょう。そして、怒りすぎた事実を認めて繰り返さないよう努めてみてください。
とはいえ、「絶対に怒りすぎない、繰り返さない」と誓っても、現実的に怒ることをストップするのは難しいです。できる限りでもうやらない、と自分に言い聞かせるとよいでしょう。
まとめ
大変な二人育児の中で、上の子怒りすぎてしまうことはよくあります。「私はおかしいのかもしれない」と悩まず、まずは自分の中の怒りの感情を認めて、できるだけ怒りを管理できるようになりましょう。子どもの成長とともに、きょうだい育児はだんだん楽になります。今回ご紹介した方法を試し、日々のイライラを少しでも和らげておきましょう。
【参考】