2歳の子供の叱り方4つのポイント!叱り方に悩んだときの対処法は?

イヤイヤ期と呼ばれる2歳は、心身ともに成長が著しい時期です。叱る回数が増えることで、自己嫌悪に陥ってしまうパパママが少なくありません。

2歳の子供への叱り方に悩んだときにはどのようにすれば良いのでしょうか。2歳の子供成長の特徴や、叱り方のポイント、叱り方に悩んだときに対処法などをまとめてご紹介します。

2歳の子供の特徴は?

イヤイヤ期の子
2歳の子供の叱り方を考える前に、まずは2歳の子供ってどんな特徴があるのかを知ることからスタートしてみましょう。厚生労働省の「保育所保育指針解説書」に記載された内容に基づき、2歳の子供の特徴をまとめてご紹介します。

語彙量が爆発的に増える

2歳の子供の1年は言語の発達が著しく、2歳半までには、450単語程度を理解できるようになるとされています。2歳の子供には、周囲の人が積極的に声かけをしたり、絵本の読み聞かせをしたりして、言葉への興味を引き出してあげることがポイントになります。

子供の言葉への興味や言葉の発達は個人差が大きいため、神経質になりすぎず、ゆったりと見守ってあげてくださいね。言葉の発達が早いから良い・悪いというものではありません。

2語文を話すようになる

1歳までは、犬のことを「わんわん」と呼んでいたのに対し、2歳を過ぎると「わんわん いる」「わんわん かわいい」のように2語で状態を表せるようになります。

これまで蓄積した言葉の記憶を使って、一生懸命自分の状態や感情を伝えようとしますが、完璧にできるわけではありません。

身近なものへの好奇心がより一層旺盛になる

2歳の子供は、これまで以上に身近なものへの好奇心が強くなります。好奇心とは知りたい気持ちですので、実際に触れてみたり、味わってみたりしたいと思うことが増えます。

2歳の子供の場合、先の危険を予測することはできないため、大人が環境を整えてあげましょう。例えば、ハサミが入っている引き出しは簡単に開かないようにロックを付けるなど、子供に危険が及びそうなものは、あらかじめ片づけておいたり、安全性を確認するなどの工夫が必要です。

自己主張がではじめる

2歳は「イヤイヤ期」とも呼ばれるほど、自分のことを自分でしたいという意欲から、自分の思いを自己主張するようになります。

自分の好みの洋服を着たい、自分の好きなものから食べたい、自分の思うタイミングで動きたいなど、一見わがままを言っているようにも見えてしまいがちですが、これらはすべて、「自分」という存在が意識できるようになった成長の証です。

走る・ジャンプができる

指先が器用に動かせるようになったり、走ったり、両足でジャンプすることもできるようになります。体を自由に動かせるようになった分、行動範囲が広くなるため怪我や事故のリスクも高くなりがちです。気付いたら走って親のそばから離れていた、ということのないよう、気を付けて見守ってあげてくださいね。

10~15分程度の絵本の読み聞かせが聞ける

指先が器用になるため、自分で絵本のページをめくれるようになります。10~15分程度の絵本なら、読み聞かせも聞けるようになるほど。集中力もその長さだけ付くようになってきます。

2歳の子供への叱り方4つのポイント


2歳の子供への叱り方は、子供の発達に合わせることがポイントです。2歳の子供でも理解しやすく、心に響く叱り方をしたいときの叱り方のポイントをご紹介します。

その場で叱る

子供がよくないことをしたその場で、短時間で叱るのが基本です。後から叱ろうと思っても、子供の記憶はあいまいで、何が良くなかったのかが分かりにくくなってしまいます。

2歳の子供を叱るときは、その場その瞬間にしましょう。また、長く叱ったところで、2歳の子供の集中力は続かず、何に叱られているのかが分からなくなってしまいます。

短い単語で叱る

2歳の子供へ叱るときは、短い単語で端的に伝えるのがおすすめです。長く説明しても理解ができないため、叱る理由を伝えるよりも、まずは子供の行動にストップをかけるつもりで取り組むと良いでしょう。

単語も聞き慣れているものであればある程度理解できますが、そうでないものは理解できません。2~3語で短く伝えると伝わりやすいでしょう。

爆発する気持ちを受け止めてあげる

伝えたい、やりたいという思いとは裏腹に、上手く自分の体や言葉がつかえないことに、気持ちが爆発してしまいがちです。

「○○したかったのね」など、子供の気持ちを代弁するように声かけをしてあげると、子供も気持ちが静まりやすくなります。気持ちを受け止めてもらえた子供は、安心して前を向けるようになるでしょう。

できたときにはご褒美を

子供を叱ったあとにできたときがある場合は、ご褒美を与えることも忘れずに。叱ったあとの一番のご褒美は、パパやママの抱っこやハグです。自分の気持ちを受け止めてもらったという安心感は、何よりも子供が欲しているものです。

たとえ結果が成功しなくても、頑張りが見られたときも、思いきり抱っこやハグで愛情を伝えてあげてくださいね。

イヤイヤ期の2歳は叱ることが増える?

イヤイヤ期の男の子
イヤイヤ期とも呼ばれることが多い2歳。以前よりも叱ることが増え、「また叱ってしまった」と、自己嫌悪に陥ってしまうパパやママもいるかもしれません。2歳の頃はどうして叱ることが増えるのでしょうか。

できることが増え、できないことへストレスを感じる

2歳の頃は心も体も大きく成長するため、子供自身で出来ることが増えますが、できずにストレスを抱えることも増えるのも特徴です。

あらかじめ、子供が好奇心で触ったり上ったりしてしまうと危険だと分かるようなものや場所は、ある程度対策をしておくと、叱る回数が減らせます。

行動の裏には2歳の心理が隠れていることが多い

2歳の行動には、何かしらの理由が隠れていることが多くあります。子供の興味が広がり理由が増える分、叱る回数も増えていきます。

2歳の子供を叱るときには、危険なことを止めたあとに、なぜ子供がそのような行動を取ったのかを推測してあげると、子供の気持ちに寄り添いやすくなります。

言葉で伝えられない感情が爆発しがち

2歳は、できないことへ抱えたストレスをうまく言葉や行動で表現できない時期です。子供は泣くことが増えたり、物に八つ当たりをしたり、かんしゃくを起こしたりしてしまいがちです。

かんしゃくはわがままだけで起こしているのではなく、爆発する気持ちが裏側にあることを理解してあげると、叱るよりも受け止めることに繋がりやすくなります。

2歳の子供への叱り方に悩んだときは

イヤイヤ期の親子
泣いたり怒ったりかんしゃくを起こしたりと、気持ちをストレートにぶつけてくる2歳を前に、頭では成長の証だと分かっていても、パパやママの気持ちが疲弊してしまうことも少なくありません。2歳の子供への叱り方に悩んだときの対処法をまとめました。

子供の話を聞いてみる

2歳の子供につい怒ってしまいそうになるときは、まずは子供の話を聞いてみましょう。怒ったり泣いたりしている理由が分かると、叱るポイントが見えてきます。

子供が大声で泣いていると、とにかく一刻も早く泣きやませなければと思い、つい怒ってしまいますが、子供にとっては、理解してもらえない悲しみが重なり、ますます声を上げて泣くきっかけにもなります。泣きやませるよりも、理由を聞くことにポイントをおくのがおすすめです。

子供とルールを決める

子供が冷静になっているときに、ルールを決めておくと、叱る回数が減らせます。たとえば、触ってはいけないところにシールを貼って、「ここはダメ」ということを何度も伝えます。

まだ細やかな言葉は理解できないため、目でみて分かりやすくするのがポイントです。一度でできなくても諦めずに、根比べをするつもりで、ゆったり取り組む余裕があると良いですね。

抱きしめることは双方がHAPPYに

叱り方に悩んだときには、スキンシップで解決する方法がおすすめ。叱るよりも怒ってしまいそうだと感じたら、子供を抱きしめてみましょう。言葉で伝えられない気持ちは、体のふれあいやぬくもりで伝えられます。

子供は抱きしめられることで、しっかりと愛情が受け取れるため、双方がHAPPYに解決できます。叱るのは、お互いの気持ちが静まってからスタートしてOKです。

ママの逃げ道を作るのもわすれずに!

2歳の子供への叱り方に悩むというのは、2歳の子供と向き合っている証です。ストレートに感情をぶつけてくる子供を前に、疲れないママはほとんどいません。心に疲れを感じるときは、少し子供と距離を置くのもひとつの手です。パパに預けて自由な時間を確保したり、身内で頼れる人はいない場合は、ベビーシッターや自治体のサポートを利用する方法もあります。

同じ悩みを持つママと交流できる機会を持つ、カウンセリングで辛い気持ちを吐き出すなど、いくつもの逃げ道があります。ひとりで悩みを抱えこまないことが、ママにとっても子供にとっても大切なことです。

まとめ

2歳の子供の叱り方に悩むパパママは少なくありません。2歳の成長の特徴を知って、2歳の行動の裏にある子供独特の気持ちを理解すると、叱り方のポイントが分かりやすくなります。上手にできないときは、抱きしめるだけでOKです。叱る回数が増えて、自分を責めてしまいがちですが、上手に息抜きを入れて、心に余裕を作るように取り組んでみてくださいね。

【参考サイト】

厚生労働省「おかあさんと子どものコミュニケーションのために」

厚生労働省「保育所保育指針解説書」

ABOUT US
【監修】 公認心理師YUKA久保田 由華
公認心理師、臨床心理士。
NY州立大学にてメンタルヘルスカウンセリングの修士号修得。NYCのNPOにてアシスタントサイコロジストとして勤務後帰国。
大学、クリニック、心理相談室等で勤務。7000ケース以上のご相談を担当。

心の相談室こころラボを設立し、カウンセリング以外にも子育てママのためのセミナーやスクール、ママのためのオンラインコミュニティを運営。