先日、学びの場に参加してきました。
心理学について、子どもの発達について、子育てについて、これまでたくさん学んできましたが、
学び続けることというのはいつになっても大切ですね。
さて、今回の学びの場ではこんなお話しを伺いました。
担当講師のお子さんが小学校高学年で、講師が小学校を訪れた際に壁に小学校イベントの感想文が張り出されていたそうです。
その感想文を読んでいると、子どもの表現力や語彙力に大きな差があることに気づいたというのです。
講師のお話では、語彙力の低下が学級崩壊へと繋がっているというのです。
相手を傷つけるような言葉を、教師に向けて頻繁に使う児童が多く、先生が心を病んでしまうことがたくさんあった、とのことです。
学級崩壊やイジメこれは特殊な学校で起こっている「特別な状況」ではもはやないのですね。
この学級崩壊がどうして語学力の低下と結びついているのか考えてみました。
作文の中に見られた表現力に差があるというお話でしたが、自分の内面を表現するというは、誰にでも出来ることではありません。
大人でも得意な人と不得意な人がいます。
内面を表現するためには、
・ある経験を、自分がどう捉えたのか
・自分の中に沸き起こっている感情がどんなものなのか
・その経験や感情をどのように表現するのか
のように、経験に対しての認知、感情に対しての認知、そしてそれらを言語によって表す言語的表現力
そんな能力が必要となってきます。
これらの能力が低いとどうなるでしょうか。
出来事を客観的に捉えることや自らの経験として捉える能力が低い
出来事よって沸き起こる自分の感情への気づきが弱い
表現力が乏しく、自分の伝えたいことをうまく伝えられない。
このような特徴が重なってしまうと
何か好ましくないと感じる出来事があった時に
それをただ漠然と「嫌な出来事」としてしか捉えられない。
自分の中に湧き上がる様々な感情をとらえきれずに、「好き」「嫌い」/「嬉しい」「嬉しくない」などの二極化した単純な感情としてしかと捉えられない。
表現力が乏しいために、伝えたいことが相手にうまく伝わらずに、そこでもまたフラストレーションが溜まる。
これらが積み重なり、「相手への攻撃」という形になる。
こんな流れが考えられます。
ここで、少しでも各々の能力があったらどのように変わりうるでしょうか。
出来事を捉える能力があったらただ「良い」「悪い」ではなく、
出来事を大きく一つのこととしてではなく、様々な要素から成り立つ物として捉えることが出来る。
感情を捉える能力があれば、その中で起こる感情に関しても複雑な感情の様々な面に気づくことが出来る。
そして表現力をともなっていれば豊かな表現力で的確に表すことができ、周りにも理解されやすくなる。
こういったことが期待できます。
そうすると、
理解される経験が増え、
必要であればそのニーズに合ったサポートが受けられる可能性が高くなります。
学級崩壊やイジメから遠ざかってきそうですね。
それでは、このような内面の表現力がある子どもに育てるためには、
日々どのようなことに気を付けて子どもと関わればいいのでしょうか。
それは子どもが小さい頃から丁寧な関わりをするということです。
丁寧な関わりとは?
子どもが何を感じているのか何を思っているのか
それを言語化することを教えたり、
考える機会を頻繁に与えることです。
赤ちゃんの頃からママが語り掛ける言葉これによって赤ちゃんは言葉をインプットしていきます。
2歳ころから現れる言葉の爆発期この頃から子どもがアウトプットをするようになります。
アウトプットを始めたら・何を言いたいのか・何を感じているのか・何を思ったのかたくさん訊いてあげてください。
初めはうまく言えません。その時に、ママが子どもと一緒にその表現したい物にピッタリの言葉を探す作業をしてあげることによって、子どもは少しずつ語彙を増やし、同時に自分の気持ちをみつめることを学びます。
このような丁寧な関わりがお子さんの内面への気づきや表現力を高めていくことになります。
ぜひ、お子さんとのやりとりの中で子どもの気づきの力表現力を高めることを意識してみくださいね。
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