子どものPTSD

心の病気の一つとして「PTSD」とうい言葉を聞いたことがある人も多いと思います。

こちらの記事ではPTSDとは何なのか、
子どもに現れる反応などについて
ママと子どもの心の相談室こころラボ代表
公認心理師*臨床心理士YUKAがお伝えします。

PTSDとは

震災や大きな事故や事件などの命に関わるような出来事の後に
そのストレスが原因で様々な症状が現れる心の状態のことをいいます。

「心的外傷後ストレス障害」のことを英語でPost Traumatic Stress Disorderと言い、
それを略してPTSDと一般的に言われています。

具体的には、
・地震や津波などの自然災害
・交通事故にあう、目撃する
・犯罪に巻き込まれる
・家庭内暴力を受ける、目撃する

などが原因となり、
それらが心の中で傷となり、時間が経ってからも何度も思い出されて、
その時と同じような恐怖を体験し続ける状態です。

このようなトラウマ体験(生死に関わるような経験や、非常に怖い体験)をすると、誰もが恐怖を感じます。

一般的には、数週間のうちに恐怖が薄れて日常生活に戻っていけます。
PTSDの人は、1ヶ月以上にわたりトラウマ体験が思い出され続け、
以下のような症状も出ます。

・急に涙ぐむ
・急に恐怖がこみあげてくる
・ぼんやりとしている
・落ち着きがなくなる
・些細なことで怒る
・トラウマ体験に関わることを避ける(車の事故に巻き込まれた場合、車に乗れなくなるなど)
・突然トラウマ体験を思い出し、その時と同じ恐怖などを再体験する

子どもに現れる反応

子どもがPTSDとなった時、どのような症状が現れるのでしょうか。
脳が発達段階にある子どもは、大人とは少し違った症状の現れ方をします。

心の症状

・過度に甘える
・赤ちゃん返り
・わがままになる
・出来ていたことが出来なくなる
・すぐに泣く
・怒りっぽい
・いつも緊張している
・物音に敏感
・1人になれない
・物忘れや学力低下
・口数少なくなる
・無関心になる
・自分が悪い子だから?と言う
など。

体の症状

・だるそう
・なんとなく元気がない
・寝れないと訴える
・怖い夢を見る
・夜に怯える
・声が出ない
・腹痛/吐き気
・下痢
・食欲不振
・頻尿
・おもらし/おねしょ
・頭痛
・過呼吸
・動悸
など

子どもへの対応

衝撃的な出来事があった後に、上記のような反応が見られたら、
ママはどのように対応したらいいのでしょうか。

大切なことは、なるべく一人にしないようにすることです。
子どもが不安になっている時に、ママなどの大人が常に近くにいてあげる。
それだけで子どもにとっては安心感を与えてあげることが出来ます。

大人が近くにいて、「何か助けが必要な時はいつでも言ってね」ということで、
子どもは何か非常事態が起きても一人でない、
誰かが助けてくれるということで、気持ちが少し落ち着きます。

そして、赤ちゃん返りや甘えに対して、叱ったり突き放したりしないことです。
出来ていたことが出来なくなったり、おねしょをしたり。

ママの手がかかるようになると、
ついそのことを叱ったり
「自分で出来るでしょ」と言ってしまいたくなることもあるかもしれませんが、
子どもの状態が少し落ち着くまでは赤ちゃん返りや甘えに付き合い、
子どもをお世話してあげる=守ってあげることで、
ママと一緒にいれば大丈夫と安心させてあげることが大切です。

どんなことが起こったのか、わかりやすく事実を説明してあげる。
人間は脳の中で出来事を過去のこととして処理する上で、
自分なりにその出来事を捉えて納得する必要があります。

トラウマ体験は子どもにとって衝撃が大きすぎて、
その全体像や何が起こったのかということが理解できず、
過去の出来事として脳が処理しきれていないこともあります。

ママや周りの大人が、子どもにわかりやすく事実を説明することで、
子どもなりに理解することが出来、それが次への一歩とつながります。

トラウマ体験について話したがったら、話を聞いて共感すること。

ここでのポイントは子どもが話したがったらということです。
以前は、震災時などに「子どもに話をさせる」ことが心の傷を早く癒すと考えられ、
子どもの状態に関わらず話すことをさせられたこともありましたが、
今は、心の準備が整っていない子どもに無理に話をさせることは
かえって心の傷を深めてしまうということがわかっています。

話す準備の出来た子にとって話をすることは、
脳の中で出来事を形のあるものとして捉えて
その時の気持ちを他の人に聞いてもらい、共感してもらうことで、
乗り越えていく大切な一歩となります。

遊びの中で現れた時は、見守ること。
言葉に表現出来ない時は、
子どもは遊びの中でトラウマ体験を表現することがよくあります。

残酷な遊びだったりするので、
大人は慌てて「そんなことしちゃダメ」と思ってしまうかもしれませんが、
子どもにとって遊びは大切な感情表現の方法です。

遊びの中で表現することで、気持ちを整理したり、出来事を客観的に捉えたり、
今の辛い状況から抜け出すために必要なことをします。
大人であれば頭の中で言葉で考えて行うプロセスを
子どもは遊びを通して行うのです。

なので、遊びの中に現れた時は決して遮ることなく
温かく見守ってあげてください。

家の中では生活の立て直しが出来るようにしてあげましょう。
トラウマ体験をすると、食事や睡眠に影響が出たり、
赤ちゃん返りがあってこれまで出来ていたことが出来なくなることも多いです。

まずは温かく見守ることが大切ですが、
徐々に生活リズムが整うように無理のない範囲でサポートしてあげましょう。

学校や地域では、
勉強・遊び・活動などは普段と同じように過ごせるようにする。

トラウマ体験をすると、一時的に日常生活から離れますが、
少し落ち着いてきたらなるべくこれまでの日常生活を大切にしましょう。

もちろん、それに参加するかどうかはその時の子ども次第ですが、
まずは生活のリズムを取り戻し、日常がそのにあるということが大切です。

少しずつでも子どものペースでこれまでの日常生活が過ごせるよう
必要な配慮やサポートを周りの大人がしてあげましょう。

そして半年たっても症状が全くなくならなかったり、
1年以上経っても治らない場合は専門家に相談をすることも大切です。

まとめ

命に関わるような衝撃的な体験をすると、
それに反応して心や体にいつもと違う状態になることは、
ある意味当然のことです。

そこからどのように心が回復していけるか、
そしてそのためにママや周りの大人が
どうサポート出来るのかを知っておくことは、万が一の時に役立ちます。

正しい知識の下、効果的なサポートをしてあげてくださいね。

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