上の子が下の子をいじめる!どう対応する?声かけの方法

下の子が生まれ、家族が増えるのはとても喜ばしいこと。これまで一人だった上の子も、下の子ができたことでより楽しく過ごせるかもしれない、と期待する方も多いのではないでしょうか。

しかし、中には「上の子が下の子をいじめる」と上の子の変化に戸惑うママも。大人が見ていないときに下の子をいじめたり、無抵抗な赤ちゃんに理不尽な態度を取ったりするのを知ると上の子に対して怒りがわいてしまいますよね。

今回は「上の子が下の子をいじめる」という悩みに対して、解決法を解説します。なぜ下の子をいじめるのかな?どう上の子と向き合ったらいいのかな?と悩むママは、ぜひチェックしてみてください。

「下の子をいじめる!」きょうだい育児でぶつかる壁

下の子をいじめる上の子

せっかくきょうだいなのだから、できれば二人仲良くして欲しいですよね。上の子は下の子の面倒を見て欲しいし、ケンカせず二人で一緒に遊んで欲しいと思うママは多いはず。
ですが、下の子が生まれると上の子には変化が起きます。

上の子の「赤ちゃん返り」が始まる

下の子が生まれると、上の子は不機嫌なときが増えたり、これまで聞き分けがよかったのに突然わがままになったり。自己主張が激しくなるときもあり、これをいわゆる赤ちゃん返りと呼びます。

赤ちゃん返りは上の子が幼いほど現れる傾向にあり手がかかるものなので、きょうだい育児を始めたばかりのママは多くの方が悩むものです。

上の子の赤ちゃん返りについてはこちらの記事もご確認ください▼

上の子の赤ちゃん返りが大変。赤ちゃん返りの理由とは?対応の仕方

上の子が下の子をいじめる

赤ちゃん返りとともに悩むのは、上の子が下の子をいじめること。まだ赤ちゃんである下の子に対して乱暴にしたり、大人が見ていないときにこっそりいじめたりしていると、上の子に対して怒りが沸くのは当然です。きょうだいに対してひどいことをする上の子の行動は見過ごせませんよね。

いじめる原因にはさまざまありますが、突然上の子が下の子に対していじめる様子を目撃したママは、「なぜこんなことをするのだろう?」「どう対処すればいいの?」と悩むでしょう。いじめる行動を繰り返さないで欲しいからこそ、適切な対応を心がけたいものです。

下の子をいじめるのはなぜ?

何故上の子が下の子をいじめるか悩む子

なぜ、上の子は下の子をいじめるのでしょうか。考えられる原因をここでは見ていきましょう。

「赤ちゃんとの接し方」が分からないから

上の子と下の子の年齢差にもよりますが、1~4歳差だと上の子も幼く、赤ちゃんへの接し方が理解できていない場合もあります。ママから見ると「なんでそんなにひどく叩くの?」と思えることでも、上の子にとってはスキンシップの一環として捉えているかもしれないのです。

上の子の様子を見てみて、赤ちゃんへの接し方が分かっていないようだったら教えてあげましょう。もちろん一度では理解してくれないかもしれません。繰り返し、上の子よりも下の子は小さくて弱いから、優しく触ってねと言い聞かせることが大切です。

ママを下の子に取られたと思っているから

下の子が生まれると、ママは赤ちゃんの育児に追われます。すると上の子と過ごす時間も限られてくるため、これまで上の子が一心に受けていたママからの愛情を無意識的に「下の子に取られた」と感じてしまう子もいるのです。

下の子に嫉妬するあまり、下の子をいじめる上の子もいます。また、この感情を言葉で表現できない幼い子ほど、言葉にできない衝動から下の子をいじめることが多くみられるでしょう。下の子をいじめるのは、「上の子が何か伝えたいことがあるサイン」かもしれないのです。

ママにかまって欲しいから

下の子は上の子にとって強力なライバル。下の子の育児でママが取られるだけでなく、周囲の興味も「小さな赤ちゃん」にいくので、上の子にとってはおもしろくないシーンが増えます。

特にママにはそんなつもりがなくても、下の子の育児中は上の子の対応は後回しになってしまいますよね。これを「ママに放っておかれた」と感じて下の子をいじめることがあるのです。

しかし、きょうだい育児の中でこの問題を解決するにはとても難しいでしょう。どうしてもママ一人で子供たちの相手をするには限界があり、下の子と上の子二人ともを満足させるのは不可能だからです。

ただ、上の子との向き合い方を見直すことできょうだい喧嘩が収まることもあります。次は、下の子をいじめる上の子にどう対応すればよいのかを考えてみましょう。

下の子をいじめる上の子への対処法

上の子に絵本を読むママ

下の子をいじめる上の子。「どうやって向き合ったらいいのかな?」「強く怒るべきかな?」とその対応に悩むママはとても多いです。下の子が生まれて、環境の変化に敏感になっている上の子との接し方は十分注意しておきたいですよね。

ここでは下の子をいじめる上の子への対処法を解説していきます。

上の子とのスキンシップを増やす

まずは上の子とのスキンシップを積極的に増やすことです。上記でも説明したように、下の子をいじめる上の子の心理は「ママを取られた」「ママにかまって欲しい」などが考えられます。上の子も、どんなに幼くても心の中では「ママは弟・妹のお世話をしなければならない」ことは分かっているはず。ですが、幼いからこそうまく言葉や態度で表せず、自分よりも弱い立場である下の子にストレスが向かってしまうのです。

ママは、こうした上の子の行動を頭ごなしに叱ってはいけません。怒鳴ったり、下の子と同じように上の子を叩いたりすると逆効果です。まずは上の子が満足するまでスキンシップを取りましょう。

例えば下の子が少し泣いていても、上の子に呼ばれたら対応してあげてください。もちろん十分に安全が確保できることが前提です。これまで下の子を優先にしていたことを、少しずつ上の子優先にしていきます。すると、上の子も「自分は忘れられていないのだ」「自分も大切にされている」と気づくはずです。

また、ママの気を引くために下の子をいじめているケースも多いもの。これに取り合うと「下の子をいじめる=ママがかまってくれる」と覚えてしまうため、時には目をつむることも考えてみましょう。

上の子が赤ちゃんだったころを教えてあげる

下の子が生まれても、ママにとっては上の子も下の子もかわいい自分の子供であることに変わりはありませんよね。ただ、この気持ちを言葉にして上の子に伝えることはとても大切です。

下の子をいじめる上の子へのケアとして、上の子が赤ちゃんだったころを教えてあげるママもいます。下の子と同じように上の子も小さいときがあり、その頃からパパとママは上の子を大切に思っていたのだと理解すると、上の子の態度も変わるかもしれません。

決して大人は上の子への愛情が薄くなったり見捨てたりしているわけではないことを、十分に教えてあげましょう。

育児を少しだけお手伝いさせてみる

「下の子をママに取られた」と思うのは、まだ手のかかる下の子育児にママの手が取られがちだから。どうしても上の子に待ってもらったり一人になってもらったりするシーンは増えてしまいますし、そのたびに上の子は寂しい思いをしますよね。

そこで、下の子のお世話を上の子に頼んでみてはいかがでしょうか。もちろん年齢差が少なければお手伝いできる範囲は少ないです。できることから一緒に始めていき、下の子と上の子が触れ合う機会を作るのもおすすめです。

ママと一緒に下の子の育児をすることで、上の子との時間も確保し、上の子はより赤ちゃんの扱い方を学んでくれるでしょう。

まとめ

上の子が下の子をいじめるという悩み。多くのママが抱えることで、上の子が幼いほどよく起こります。決していじめる上の子がおかしいわけではなく、きょうだいが生まれたことで起こる上の子の変化として正しい反応なので、親は毅然として対応しましょう。

また、今は下の子をいじめることがよく見られても、いずれ上の子も成長して下の子になれるときがくるはずです。いつまでも下の子をいじめるわけではないので、様子をしっかり見ておくことも大切。下の子が生まれたら、上の子のケアを最優先にするのがおすすめです。

ABOUT US
【監修】久保田 由華久保田 由華
公認心理師、臨床心理士。
NY州立大学にてメンタルヘルスカウンセリングの修士号修得。NYCのNPOにてアシスタントサイコロジストとして勤務後帰国。
大学、クリニック、心理相談室等で勤務。7000ケース以上のご相談を担当。

心の相談室こころラボを設立し、カウンセリング以外にも子育てママのためのセミナーやスクール、ママのためのオンラインコミュニティを運営。