非認知能力という言葉、ママなら育児本や育児サイトで目にしたこともあるかもしれませんね。今、育児において非認知能力を高めるというのは、スタンダードな考え方です。
とはいえ、非認知能力とはいったい何を指すのか、「いまいちピンときていない」「大切なのはわかるけれど、どう子どもの非認知能力を高めればいいの?」と悩む声も多いでしょう。
今回は非認知能力とは何か、非認知能力も含まれる子どもの育てるべき「3つの柱」を詳しくご紹介します。
「非認知能力を高めよう!」の非認知能力とは?
非認知能力とは、今重要視されている要素です。端的に言うと、IQや学力など勉強では測れない能力全般のことを指しますが、この能力が高いと「将来成功しやすい」「困難を乗り越えやすくなる」「やる気や根気が育つ」と人生にとってポジティブな影響が出ます。
非認知能力について、まずは詳しく見ていきましょう。
認知能力以外の幅広い能力のこと
非認知能力を知る前に、認知能力について考えていきましょう。認知能力とは、
- 数字がわかる
- 字の読み書きができる
- 記憶する
- 推測する
など、テストや数値で測れる能力のことを指します。いわゆるお勉強ができるのは、認知能力が高いといえるでしょう。
非認知能力とは、この認知能力以外の幅広い能力のことです。非認知能力の定義は研究者によってその能力が研究されており、代表的なもので数字やテストでは測定にしくい「心の働きに関する能力」があげられます。
例えば、
- 自尊心:自分自身に価値を見出す能力、自己肯定感
- 切り替える力:嫌なことや困難などに直面したとき、課題の本質を理解し切り替える
- 自己効力感:自分にできる能力を理解し必要な行動をとる力
- 忍耐力:やり抜く力、根気
- 創造性:オリジナリティがあり有用性も考えたものを生み出す力
これら能力はすべて非認知能力です。
学力が高いのはもちろん人間的にも優れているといえますが、お勉強ができるだけでは生涯を豊かに過ごすことは難しいです。非認知能力は認知能力と合わせて身につけたい能力であり、生涯をかけて培うものと言われています。
なぜ子どもの非認知能力は大切なの?
特に育児のシーンにおいて、非認知能力は大切といわれています。なぜなら非認知能力が持つ
- 自分で考え、物事の本質を理解できるようになる
- 大学入試など学力を試される場面で有利になる
- 大人になり幸福度が高くなる
というメリットは一生をかけて育みたいものであり、子どものうちから身につけておきたいからです。
また非認知能力の土台は3〜5歳までの幼児教育の時期に高められるとされています。認知能力を高める学習、いわゆる早期教育では小学校入学ごろには早期教育をしている子ども、しなかった子どもには能力差が認められるものの、小学三年生10歳ごろになると差はほとんどありません。早期教育が無意味というわけではなく、学力だけでは子どもの本質的な能力が完成するのではなく、非認知能力もあわせて鍛えることが重要だと言われています。
子どもだけでなく大人にも大切な要素
では、「5歳まで非認知能力を高めればよい」「うちの子は5歳までに非認知能力を重視しなかったからもう無理かも」と極端な考えを持つママもいるかもしれません。これは少し間違った考え方です。
非認知能力は大人にとっても大切な要素で、先ほどご紹介した能力はすべて「社会で生きる人間として大切なスキル」とも言えます。円滑な対話ができ、他人を思いやり協調性のある人は、社会人として優れた人物と思えますよね。
ビジネスシーンでも非認知能力はソフトスキルと呼ばれ、セミナーなどでマインドを学ぶこともあります。非認知能力は3〜5歳を過ぎると伸ばせないわけではないため、大人も子どもも意識するとよいでしょう。
非認知能力も含まれる「育成すべき3つの柱」とは
非認知能力は今育成すべき項目として、文部科学省でも学習要領にプログラムが導入されています。学校というと認知能力を中心に学ぶイメージが強いですが、非認知能力も重要視されているというのは、興味深いことですよね。
この育成すべき非認知能力は、3つの柱として表されています。非認知能力とは何かを知るためにも、一つずつ見ていきましょう。
一つ目:学びへの興味、人間性
一つ目は学びへの興味や人間性です。どのような社会的働きに注目するのか、その上で人とどのようにかかわるのか、どうコミュニケーションを取るのかを考える力を指します。
二つ目:知能や技能
次は何を理解しているか、自分には何ができるかを正しく知る力です。この能力があれば、例えば困難や乗り越えなければならない壁に当たったとき、諦めずに自分なりの答えを出し乗り越えることができます。
三つ目:思考力・判断力・表現できる力など
最後は思考力や判断力、どう表現できるかという力です。気づいたことやできるようになったことを使いこなし、考えて試し、工夫し表現できると、さまざまなチャレンジを成功に近づけられるようになります。
非認知能力を育てるために大切なこと
非認知能力について理解できると、「子どもにも身につけて欲しい」と思うママがほとんどです。非認知能力を鍛えるのに特別なカリキュラムや勉強は必要なく、日常生活で心掛けるだけで心は育ちます。
そこで、非認知能力を育てるために大切なことを3つご紹介します。一つずつチェックしていきましょう。
決定権は子どもに。親は「選ばせる」「決めさせる」
どの能力にも言えますが、まずは子どもが「やってみる」「試してみる」ことを何度も繰り返すと成長につながります。特に非認知能力は自分で考える力を指すため、
- 遊びなど子どもがやりたいことを選ばせる
- 今日着る服を自分で取ってきてもらう
- 何時に帰るのか子どもに決めてもらう
など決定権を子どもにゆだねましょう。
どうしても子どもが心配で、親はあれこれ口を出したくなります。子どもの決定を待つのは忙しいから難しい!という気持ちも十分理解できますが、非認知能力を育てるためには、ママも辛抱強く「子どもを待つ」とよいでしょう。
たくさんのことを経験させる
参考書をたくさん読む、計算をいくつも解くという明確な鍛え方のない非認知能力。大切なのはたくさんのことを経験させることです。
とはいえ特別な体験は必要なく、外遊びを増やしたり新しい公園に連れて行ってみたり、子どもが興味を持ったものの展示会などに行ってみるなど、ささやかな体験で構いません。
また、経験こそ力になるので、つい「危ないから行っちゃダメ」「危ないからやったらダメ」という遊びも、条件が許せば子どもにチャレンジさせてみましょう。もしかすると失敗するかもしれませんが、成功しても失敗しても、これも大切な経験になります。
協力する遊び、一緒にする遊びを増やす
一人で自由気ままに遊ばせるだけでは非認知能力はあまり育ちません。誰かと一緒に遊び、コミュニケーションをとることで対人関係スキルや規律性が発達するでしょう。
未就園児の場合は、ママと遊ぶ親子遊びがおすすめです。お友達と協力できるようになれば、児童館や保育園・幼稚園などを利用すると誰かと一緒に遊ぶ体験を増やせます。
決して特別な環境が必要なわけではなく、毎日の中でほんの少し気を付けるだけで育める非認知能力。ぜひ意識してみてくださいね。
まとめ
よく聞く言葉である非認知能力ですが、ひとことでは言い表せないほどの幅広い能力のことを言います。また、3つの柱として教育要領に組み込まれるほど、今重要視される能力です。
非認知能力を高めるには特別なことは必要ないため、ぜひ今日から家庭内でも意識してみましょう。
【参考】
意外と知らない”非認知能力” – 教育ウォッチ | 学びの場.com
非認知スキル(非認知能力)とは?今から養いたい学力以外の力 | 【公式】練成会 北見網走
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