子どもとテクノロジーの付き合い方を解説!ゲームなし育児の正しい方法とは

子ども スマホ

育児をするにあたって、何度もママが悩むのは「子どもにどれくらい電子機器を与えるべき?」という最新テクノロジーと育児の組み合わせ方です。

ゲームや動画は子どもが大好きなもの。ですが、1度与えたらずっと夢中になって学力にも影響が出たらどうしよう…と悩んでしまいますよね。

今回は、『セルフドリブン・チャイルド 脳科学が教える「子どもにまかせる」育て方』 ネッド・ジョンソン、ウィリアム・スティクスラッド著を参考に、子どもとテクノロジーの付き合い方を解説します。

脳科学の視点から見る子どもと電子機器の相性を一緒にチェックしていきましょう。

この記事は以下の方におすすめです
  • 子どものゲームやりすぎに悩んでいるママ
  • 動画などを子どもに与えようか迷っているママ
  • テクノロジーが子どもにどんな影響を与えるかを知りたいママ
この記事では以下の情報が得られます
  • テクノロジーのメリットとデメリットを両方解説
  • 子どもがほどよくテクノロジーを使うためのルールの決め方
  • ママが子どもとテクノロジーとに向き合うためのポイント

育児からテクノロジーを省くのは不可能?

古典的条件付け

有名な話ですが、iPhoneを開発したスティーブジョブズは、わが子には決してiPadを与えなかったそうです。「開発者がそうしたのだから、電子機器は全部悪影響があるに決まっている!」とそう思うママも多いかもしれません。

しかし、最新の脳科学から見るとテクノロジーが子どもに与える影響は良いことも、悪いこともあります。まずはフラットな視点から、育児とテクノロジーの結びつきを見ていきましょう。

今の育児からテクノロジーを完全になくすのは難しい

育児の中で最初にテクノロジーを活用するのは、「テレビや動画」といったものかもしれません。また、ママは常に子どものことをネット上で検索し、当ブログを読むのもテクノロジーを駆使しています。

小学校では3年生からパソコンの使い方を学び、1年生から授業でタブレットを使用します。幼稚園でも早いところだとプログラミング的思考を学習しますし、今の育児からテクノロジーを完全に切り離すのは難しいと言えるでしょう。

どうしても子どもが泣き止まないとき、もしくはママが「一瞬でいいから休みたい」と思ったとき、テレビや動画、ゲームに助けられた経験は1度や2度ではないはずです。SNSで飛び交う情報にママが学びを得たことも、嫌な思いをしたりすることも育児とテクノロジーの結びつきです。

「全部を排除するべき」と極端に考えず、テクノロジーとうまく付き合うには「飼いならす」のがベストと言えます。まずは、テクノロジーの良い面と悪い面を正しく知っておきましょう。

テクノロジーの良い面とは

「ゲームをすると頭が悪くなる」とは一概には言えず、例えばアクションゲームには脳を活性化させ、考えが研ぎ澄まされ脳の状態としては理想的な「フロー」の状態を作る土台があると言われています。ゲームによって視野が広がり、また効率的な手段を取る中で、実生活でも段取りが良くなるという研究結果もあるほどです。

ゲームがうまくできるようになると、有能感達成感が満たせるでしょう。また、一人で行うのがゲームのすべてではなく、最近ではオンライン上のプレイヤーと協力することで、関係性の欲求まで満たせます。

オンライン上で知り合った男女が、結婚して夫婦になることは多いですよね。また、配信者の行う配信で楽しさやファン同士のコミュニティが築かれることもあり、テクノロジーが実際の関係性を補うというのもメリットの一つです。

テクノロジーの悪い面とは

一方でテクノロジーには悪い面も存在します。例えば、一方的な刺激のみに頼ることで、子どもは考えることを停止させてしまいます。少しだけ不自由な遊びであれば「工夫し創造性を高める」ことができますが、ゲームなどは完成された遊びである分自由度は少なく、子どもが苦労して楽しむことを止めてしまうのです。

また、少し大きくなると子ども達がSNSを使って、承認欲求と戦わなくてはなりません。ママ達も経験がある「いいねがもらえない悲しみ」や「フォロワー数による対立」「ネット上で見知らぬ人から誹謗中傷される危険性」さらには「自分が加害者になる」なんてことも、テクノロジーが発達した現代ならではの悩みです。

どうやってテクノロジーとうまく向き合うの?

虐待しそう 相談

切り離せないテクノロジーと育児。では、どうやってうまく向き合えばよいのでしょうか?

ここからはママができること、大人が子どもに対してサポートできることをご紹介します。

まずはママがやってみる、子どもにさせっぱなしにしない

「ゲームはよくわからない」「TikTokも若者のコンテンツだから良く知らない」と、大人が理解できないものを子どもにはさせっぱなしにするのはおすすめできません。

テクノロジーとは、大人でも使いならすのが難しいものです。ことさら、子どもが上手に利用時間を管理し、自分でテクノロジーから受けるストレスやリスクを正しく処理できるとは思えません。

まずはママが実際にオンラインゲームやSNSを体験してみましょう。すると、「どんな危険性がありどんな中毒性があるのか」を理解できます。

コンサルタント視点で使い方を提案する

以前も当ブログでお伝えしましたが、コンサルタント視点で育児をするのが大切です。

コンサルタントとは、「クライアントである子どもに押し付けない。正しい提案をし、子どもが自ら成長するのをサポートする」ことを指します。SNSやゲームをママが実際に体験してどのような運用をすれば子どもにとって適切なのか、まずは提案してみましょう。

  • 「ゲームなんて絶対にやっちゃダメ!」
  • 「こんなものをしたら頭が悪くなるよ」
  • 「こんな動画、テレビを見るのはやめなさい!」

どれもママの考えがあってこそですが、頭ごなしにこうした指導をするよりも、ママが経験したことを出しながら「こういう危険があるから、気を付けてみたらどうかな?」と提案すると子どもは聞き入れてくれやすくなります。

子どもの意見に協力する

もし、子どもが「友達がゲームをやっていて、うらやましいと思った。僕もゲームをしたくなったんだけど、どうしたらいい?」と言い出したらどうしますか?何かゲームを購入しても良いという条件を付けて、1度聞き入れてみることをおすすめします。

例えば「〇時から〇時だけゲームをすることを許すけれど、これでも大丈夫ならゲームを楽しんでもいいよ」と言った風に、子どもの意見にまずは協力することから始めましょう。「お手伝いをこれだけやってね。なら、ゲームを楽しむことをママは協力する」などの言い方だと、子どもに寄り添うことができます。

テクノロジーの約束を子どもと作ってみよう

幼児 親子関係

育児とテクノロジーは切り離せないもの。子どもから完全に電子機器を取り上げるのは、現代において現実的ではありません。

では何が重要になるか、というと「ルールを作ること」です。以下では、ルールの作り方を一例としてご紹介します。

ただし、このルールは必ず親が一方的に制定するのではなく、子どもと意見を出し合って一緒に作ってみましょう。子ども自身が決めることで、責任感が持てるようになります。

1日の終わり〇時間前は完全に電子機器を遮断する

まずは夜の電子機器の使用ルールを作ってみましょう。

しっかりと睡眠をとるためには、寝る前の〇時間からは電子機器を遮断するといった方法がおすすめです。この時間は生活の仕方によって家庭で短くしても、長くしても構いません。

どうしても難しい場合は、「寝室ではスマホやテレビを使わない」と電子機器を遮断するゾーンを設けてもよいかもしれませんね。可能であれば、ママもパパも一緒に協力してみましょう。

「満足するのは何時間くらい?」と聞いてみる

ゲームや動画を見る時間が足りない、と言い出す子にはママが「ダメ!〇時間まで!」というのではなく、満足するのはどのくらいなの?と聞いてみても良いかもしれません。

低年齢のうちはうまく答えられなかったり、反対に大げさな長時間の返答があることも。しかし、ここで「それは無理」と突き放すのではなく、現実的な時間になるよう話し合ってみましょう。

やるべきことをリストアップし一緒にクリアしてから電子機器を使う

「宿題をやったら」「お手伝いをしたら」ゲームをやってもいいよ、というルールは家庭でよく見るものです。ただ、このルールは効果的ではありますが子どもがすべてのやるべきことを把握するのはとても難しい点に注意が必要です。

やるべきことはママと一緒にリストアップし、親子で「これはOK」とチェックするようにしましょう。一緒にやるべきことをクリアしてから、電子機器を使う時間を持つと「使いこなす」ことができます。

まとめ

なかなか難しい電子機器との向き合い方。子どもからテクノロジーを完全に切り離すことはできず、さらにテクノロジーに触れていると良い面もあるのです。

一概には「ゲームや動画は全部悪!」ではないので、ぜひ親子で上手な使いこなし方を身につけてみてくださいね。

【参考】

『セルフドリブン・チャイルド 脳科学が教える「子どもにまかせる」育て方』 ネッド・ジョンソン、ウィリアム・スティクスラッド著

ABOUT US
【監修】久保田 由華久保田 由華
公認心理師、臨床心理士。
NY州立大学にてメンタルヘルスカウンセリングの修士号修得。NYCのNPOにてアシスタントサイコロジストとして勤務後帰国。
大学、クリニック、心理相談室等で勤務。7000ケース以上のご相談を担当。

心の相談室こころラボを設立し、カウンセリング以外にも子育てママのためのセミナーやスクール、ママのためのオンラインコミュニティを運営。