最適な親子関係構築は『幼児期』が大切!今ママが子供にできること

幼児 親子関係

「子育ては幼児期が重要!」こんな言葉をよく聞きますよね。その通り幼児期は子供の人格形成親子関係、人間関係の基礎構築が行われ、その後の生き方を大きく左右する大切な時期です。

今回はそんな幼児期にママが子供にできること、やっておきたいことに注目。「大切って言っても、毎日育児するだけで大変…」と悩む方のために、今日からできる簡単な親子関係の築き方をまとめました。ぜひ参考にしてくださいね。

なぜ幼児期?幼児期の親子関係が大切な3つの理由

幼児 親子関係

幼児期とは小学校入学前、未就学児期までの子供を指します。つまり今、幼稚園や保育園に通っている子を育てているママは、「幼児期の子供」を育児中。確かに幼児期の子はさまざまなことを吸収し、できることも増え、この時期の親子関係が子供の成長に大きく影響するのは想像に難くありません。

ですが、どうして幼児期の親子関係が大切と言われているのでしょうか?その理由から、まずは紐解いてみましょう。

幼児期は親と過ごす時間が長いから

幼児期とは幼稚園や保育園に通うとはいえ、生まれてからはしばらく親子で長い時間を過ごし、人生の中でも特に親子関係が親密になる時期です。赤ちゃんの頃はママの育児なしでは子供は生きていけませんし、子供の人間関係も限られたもので、親は子供にとって生活の中心です。

だからこそ幼児期は親子関係が重視される傾向にあり、子供の成長にも親は大きく影響します。たくさん吸収する幼児期だからこそ、育児には気を遣いたいものです。

幼児期の親子関係は将来にも影響するから

1971年、ノースカロライナ大学で「幼児期の教育は将来的に影響を及ぼすのか」を調べる実験が行われました。1歳~5歳までの幼児教育を受けるグループと受けないグループに分かれ、それぞれのグループの子供は大人になったらどのような暮らしをするかを長期的に研究したものです。

すると、適した親子関係を含める質の高い幼児教育を受けた子供は、大学への進学率が高く良い職業に就くことが分かりました。それだけでなく、健康状態や大人になってからの親関係も良好だと研究結果に反映されています。

つまり、幼児期の親子関係は将来的に影響すると言えるのです。幼児期に親と信頼しあえる関係を築けていると、大人になってもその効果は持続することがわかりますね。

子供の人格形成も幼児期でおおよそ決まるから

いろんなことを吸収し、一気に成長をする幼児期。この頃の親子関係によって、子供の人格形成もおおよそ決まります。極端な例を挙げると、子供を「子供だから」といって服従させたり支配したり、すべてを否定させるとその子は自分に自信がなくなります。先ほども説明したように、幼児期に築かれる狭い人間関係の中で、親という存在は子供にとって大きなものなのです。

そんな絶対的な存在から、「ダメな子」と言われ続けると本当に自分は何もできないのだ、と思い込んでしまいますよね。反対に、この時期には子供の自己肯定感を育み、自信をつけてやり抜く力を培うこともできます。

ある程度成長し自我が確立した児童期や青年期の子供には、親子関係はあまり影響を及ぼしません。今だからできることを見逃さず、親子の最適な関係を築けていけるのが理想的です。

親子関係にも影響する、最適な幼児教育とは?

幼児 親子関係

では、幼児期の子供に親としてできることとは何でしょうか。先ほど「質の高い幼児教育」「最適な幼児教育」が子供を内面的にも身体的にも育てるとご紹介しました。すると「言葉や数字を早く教えて、早期教育をすればいいの?」と思うかもしれません。

確かにお勉強も大切な要素のひとつ。ですが、勉強を早いうちから始めても小学2年生ごろには幼児期に培った能力は消失してしまうのです。

そうではなく、今回は将来的にも子供に与える教育であり、なおかつどんなママでも今すぐできることをご紹介します。以下の3つを詳しく見ていきましょう。

たくさん話しかける

まずはたくさん話しかけることです。先ほどのロースカロライナ大学の実験でも、「質の高い幼児教育」には大人が話しかける言語教育に重点を置いていました。親が正しい言葉で話しかけることで、子供は言葉を覚えてコミュニケーション能力をはぐくみます。

一方的に親が話しかけるだけでなく、子供の話に耳を傾けるのも大切です。「話を聞いてくれた」「理解してくれた」と子供が感じると、親を信頼できるようになるでしょう。子供にとって自然な自信がつくのは、勉強がよくできて褒められたときだけではありません。ありふれた日常の中で「ママが話を聞いてくれた」と思えた瞬間も含まれます。

たくさん本を読む

子供と会話ができる2歳ごろになると話しかけも楽しくなりますが、それまでの0歳のころや1歳では、「何を話しかけたらいいの?」と悩むママもいるかもしれませんね。「話しかけるのは得意じゃない」と苦手意識を覚える方も、もちろんいます。

その場合はたくさん本を読んであげましょう。絵本は子供にも理解しやすい優しい言葉でできており、ポジティブな声かけのきっかけになります。子供が読まない、興味を持たない場合でも、ママがそばで絵本を音読するだけでも「質の高い幼児教育」だと言えるでしょう。

本を読むのは、夜寝る前やお昼寝前と時間を決めてもよいかもしれませんね。毎日続けると相当な読書量になり、子供に話しかける機会も言葉も一気に増えるでしょう。

子供の好奇心を解放したくさんの経験をさせてあげる

子供が好きで楽しいと思えることほど、吸収力は増します。「好きこそものの上手なれ」という言葉があるように、子供の好きなことは応援してたくさんの経験をさせてあげることこそ、質の高い幼児教育と言えるでしょう。

頭の良い子に育って欲しいからといって、お勉強を強要しても子供のためになりません。我が子がどんなことに興味を持ち、「知りたい」と思っているのか、ママならではの目線でチェックして好奇心を満たしてあげましょう。子供を理解することにも繋がりますし、子供にとっても楽しく興味深い経験を積むことは将来的にも良い影響を与えます。

理想的な親子関係を考えよう

卒乳

最後に、幼児期にはぐくみたい親子関係の目指すところを考え直してみましょう。親子関係において大切な3つのポイントを解説します。

互いに信頼し合える関係

子供を信頼し、そして子供にも信頼してもらえる関係というのは、当たり前のように思えて難しいものです。子供を子供扱いして「まだ幼児期なんだから」と親がすべてを決めていないでしょうか?

小さなうちから子供を信じ、意見を尊重できる関係が理想的です。我が子の意見にしっかり耳を傾け、頭ごなしに否定しないよう、小さなうちから癖づけておけると良いですね。

何でも打ち明けられる関係

次に何でも打ち明けられる親子関係です。今は子供のすべてを把握できているかもしれませんが、学校に通うようになると親の知らない交友関係や、学校でどんな生活をしているかは分からなくなります。その分親が助けられないトラブルも増えてしまいますが、ここで良好な親子関係を築けていると子供と親の間に秘密がなく、事前にトラブル回避も簡単です。

打ち明けられるというのは、子供のすべてを親がコントロールできることではありません。ママだって子供に何でも打ち明けられるようにし、対等な親子関係こそ目指したい部分です。

子供にとって親は安心できる存在であること

幼児期の子供は親との信頼関係、安心できる関係の基礎を築く最中です。また、親とは子供の狭い世界の中でどんなときでも味方であり、安心できる場所であると言えるでしょう。

子供が親を安心できる存在だと認識すると、外部でどんなに傷ついたり挫折を味わったりしても、自分で気持ちを持ち直すことができます。次のチャレンジにつながったり諦めにくい性格が出来上がったりと、子供にとって良い影響しか与えないのです。

親子関係は子供にとって安心できるもの。この大切なポイントを常に念頭に置きながら、幼児期の大切な時期を親子で楽しめるとベストですね。

まとめ

幼児期の子供、親子関係はその後の将来を大きく左右します。大切なのは、早めの学習を促し子供の頭を良くしよう!と働きかけるのではなく、子供の内面や構築する人間関係に目を向けて、本当に子供が求めている信頼関係を築くことです。

幼児期の子供に今すぐできることは、どれも簡単なもの。今日からできるので、ぜひ試してみてくださいね。

【参考】

【幼児教育】生後6週間から5歳までがカギ!将来の親子関係を良好にする「質の高い教育」とは?(1/2) – ハピママ*

幼児期の性格形成に関与しているもの。親子関係や幼児への態度について – teniteo[テニテオ]

親子の関係 | 生涯学習関連情報 | 東京都生涯学習情報

早期教育とは?幼児教育との違いやメリット・デメリットも | 保育士を応援する情報サイト 保育と暮らしをすこやかに【ほいくらし】

ABOUT US
【監修】久保田 由華久保田 由華
公認心理師、臨床心理士。
NY州立大学にてメンタルヘルスカウンセリングの修士号修得。NYCのNPOにてアシスタントサイコロジストとして勤務後帰国。
大学、クリニック、心理相談室等で勤務。7000ケース以上のご相談を担当。

心の相談室こころラボを設立し、カウンセリング以外にも子育てママのためのセミナーやスクール、ママのためのオンラインコミュニティを運営。