「うちの2歳が内向的…」恥ずかしがり屋の子どもにママができることとは

ボウルビィ Bowlby J. M.

ずっとおうちにいた子どもも、2歳ごろになるとお出かけの機会が増えます。児童館や保育園、ベビーサークルなどで他の子との交流が始まると、「もっと積極的になって欲しい」「お友達をたくさん作って欲しい」とママとしてはやきもきしてしまいますよね。

とはいえ、2歳さんの内向的な性格が気になるというママも多いはず。

今回はなぜ子どもが内向的な性格なのか、子どもの心情を解説しながら2~3歳の恥ずかしがり屋さんにママができることを解説します。

この記事は以下の方におすすめです▼

  • 2~4歳の未就園児のママ
  • 子どもの交流の少なさ、内向的な性格が気になるママ
  • 恥ずかしがり屋を直したいママ

この記事はこんなことがわかります▼

  • 内向的な子どもの本音
  • 内向的な性格の子にママができること
  • 内向的な性格の原因やきっかけ

2歳になってから内向的な性格が気になる!

ウィニコット Winicott D. W.

2歳というと、自分で出歩き言葉もよく出るようになるという「子どもの成長を特に感じられる年齢」です。これまではママと二人きりで過ごすことが多くても、2歳からは児童館デビューや保育園、プレ幼稚園に通う子も増えますよね。

すると、気になるのが子どもの内向的な性格です。「挨拶もできない」「ママから離れてくれない」など、子どもの内向的な性格が気になる場面をまずは見ていきましょう。

児童館や保育園、プレ幼稚園でいつも一人

子どもの恥ずかしがり屋や内向的な性格が気になるのは、

  • 児童館で他の子と交流するとき
  • 保育園などで活動するとき
  • プレ幼稚園など、新しい環境に通うとき

など。特に2歳から始めることが多いため、ママとしては気になることも増えますよね。

例えば幼稚園や保育園では、活動発表会の場も設けられています。発表会では他のお友達が楽しく遊戯をするのに対し、わが子は引っ込み思案で何もしない、舞台に立つことも恥ずかしがってできなかった…なんてこともあるでしょう。

人見知り、場所見知りでママが大変

人見知りや場所見知りは、9か月のころから始まります。1歳を過ぎると落ち着く子が多いといわれていますが、2歳になってもまだまだ人見知りをする子は当然います。

内向的な性格だと「この先苦労することが多い」とママが自ら子どもに克服させようとお出かけするかもしれませんが、どこでも人見知りや場所見知りをすると、ママが大変な思いをしますよね。

「どうしてうちの子はこんなになじめないんだろう?」と悩むのもこの時期です。

自宅ではとても活動的だけど外に出ると内向的に

自宅では活発的な2歳さん。特にきょうだいがいると、よりしっかりした子もいるかもしれません。

しかし、外に出ると途端に内向的に。おうちだと楽しく遊べているのに、なぜお出かけ先ではおしゃべりもできないのか…と悩むママも多いようです。さらに、おうちではしっかりと活動できているために、「子どもに言い聞かせもできない」「家ではむしろ活発なのに」とママとしてはイライラするときもあるでしょう。

2歳の内向的な性格、いつ直る?

育児イライラ どうしたら

2歳さんが内向的な性格で、なかなか周囲となじめないというのは、特に珍しいお悩みではありません。

ここでは、同じく「2歳ごろに子どもが消極的な性格だった」というママから話を伺いました。いつ頃直るのか、どんなきっかけで恥ずかしがり屋が直ったのかを一度チェックしてみましょう。

小2のママは「気にならない」

現在小2の息子は、幼稚園の頃から恥ずかしがり屋。発表会や保護者参観ではあまり活動せず、「せっかく見に行ったのにな」とがっかりしたこともたくさんありました。お友達も少なくて一人で遊ぶことが多かったけれど、小学生になると同じような内向的な子もたくさん。今では息子なりに学校生活も送っているし、友達も少ないけれど仲良くしているようだし、気にしていません

2歳のころには気になっていた内向的な性格ですが、小学校に上がると気にならなくなったママも。小学生では友人の人数も増え、同じような性格の子が増えたためにうまくいくのかもしれません。

そもそも2歳というのは、まだ周囲と協力して遊ぶには早い年齢です。4歳以降から周りの子との協調性がはぐくまれるため、長い目で見て見守ってあげるのも大切です。

下の子が生まれてから活発に

上の子は控えめな性格で、人見知りと場所見知りが激しい子でした。ですが、4歳のころ下の子が生まれてからは活発な性格に。きょうだいと遊ぶということも増えたため、現在小学1年生ですが、特に内向的な性格で困ったことはありません

きょうだいができたことによって、活発な性格になったという子もいます。どうしても一人だと勇気が出ないことも、「お兄さん」「お姉さん」になることでできることが増えるのかもしれません。

しかし、きょうだいがいるから突然内向的な性格が変わるわけではありません。それぞれ子どもには性格があるため、「お姉ちゃんだから恥ずかしがり屋を直さなくちゃ」と強要するのはおすすめできません。

内向的でも気にしないママも

昔から内向的で、人見知りも場所見知りもたくさんするわが子。お友達を作ることにも、交流をすることも興味を持たないようです。

ただし、そんなうちの子の気持ちもよくわかります。なぜなら、親である私も積極的な性格ではないから。

内向的な性格でも恥ずかしがり屋でも、別に困ることはないので特に気にしていません。家庭での時間も大切にしているので、子ども自身の生き方や性格を尊重してあげたいです

内向的な性格だとしても、「まだ2歳だからこれから変わることはある」「別にお友達がいなくても恥ずかしがり屋でも、いいんじゃない?」と思うママの声はたくさんありました。

確かに親としては歯がゆい思いをするかもしれませんが、2歳の交友関係はそう長く続かないものですし、この先ずっと恥ずかしがり屋というわけでもありません。子どもに無理をさせないことを優先するママの声もたくさんあるため、見習ってみてもよいのかもしれません。

内向的な性格は遺伝?環境?ママができること

育児ストレス 厚生労働省

内向的な性格の子ども。最後に、ママができることを見ていきましょう。

この性格というのは、3つの要素によって決まります。

  • 親や親族からの遺伝
  • 育ってきた状況など、共有環境
  • 子ども自身の体験である非共有環境

「私も恥ずかしがり屋だし、友達を作るのは難しい性格。そんな性格のママが育てたから、子どもも内向的になったのかな」と悩むママもいますが、上記の3つの要素のうち最も性格を左右するのは「子ども自身の体験である非共有環境」です。

そのため、内向的な性格を直せるのかというと「子ども自身が望めば直せる」といえるでしょう。とはいえ、恥ずかしがり屋や消極的な姿勢というのは、気質がほとんど。ママが無理強いして子どもに積極性を持たせるのはおすすめできません。

子どものタイミングをひたすら待つ

まずは子どもが踏み出すタイミングをひたすら待ちます。「お友達に話しかけてみたい」「一緒におもちゃで遊びたい」と考えている子どもに対して、ママは手助けするのではなく子どもから歩み寄る瞬間を見守りましょう。

もし、ここで子どもが違うことに興味を示したらそれももちろんOK。大人が先回りして子どもの環境を整えるのではなく、大切なのは見守ることです。

子どもにできることから始める、成功体験を積む

大きな舞台で発表する、運動会など注目を集める場面での活躍を期待するなど、こうした大規模な経験は子どもにとってハードルが高いです。家庭内でも子どもが意見を発したとき、「すごいね!」「上手だね!」と注目してできることから積極性をはぐくみましょう。

内向的な性格を直すには、たくさんの「場慣れ」が必要です。いきなり児童館などの交流が盛んな場所に連れ出すのではなく、親族の集まりや小規模サークルの集会など、人数が限られた場所から交友関係を作ってみるのもひとつの手段です。

「恥ずかしがり」は悪いことじゃない

ここまで内向的な性格を直す視点でお伝えしましたが、恥ずかしがり屋さんは決して悪いことではありません。

極端な話でいうと、保育園や幼稚園の発表会でうまくできなかったとしても、子どもが悪いわけでもママが恥ずかしいわけでもありません。たくさんの子どもがいる中で「みんながみんな楽しくお遊戯ができるわけじゃない」のは当たり前のことです。

また、内向的な性格というのは「リスクを考慮して慎重な行動ができる」というメリットにもなります。確かにママとしては「子どもに積極的になって欲しい」と思うのかもしれませんが、今一度小さな子どもでも「ママと子どもは違う人間」であることを自覚して、向き合ってみると気持ちも楽になるでしょう。

まとめ

内向的な性格のわが子。2歳にもなってお友達がいない…と焦るママもいるかもしれませんが、まず、2歳とはこの先の成長も十分期待できる時期です。必ずしも積極的になることがよいとは言い切れないため、まずは子どものペースで成長するのを見守り、必要なときは助けてあげてサポートする姿勢を大切にしましょう。

【参考】

“内気な性格” は直せます! 子どもの「恥ずかしがり屋」を克服する5つの方法

赤ちゃん&子育てインフォ|インターネット相談室 Q&A

ABOUT US
【監修】久保田 由華久保田 由華
公認心理師、臨床心理士。
NY州立大学にてメンタルヘルスカウンセリングの修士号修得。NYCのNPOにてアシスタントサイコロジストとして勤務後帰国。
大学、クリニック、心理相談室等で勤務。7000ケース以上のご相談を担当。

心の相談室こころラボを設立し、カウンセリング以外にも子育てママのためのセミナーやスクール、ママのためのオンラインコミュニティを運営。