子どものことや学校のこと、保活のこと、ママの生活や家族の暮らし。毎日さまざまな考えることにあふれているママは、つい考えすぎてしまうことが増えてしまいます。
物事をきちんと受け取り考えることは大切なのですが、「考えすぎ」はネガティブな方向に進んだり、自分の価値観を極端なほうに歪めてしまうという問題点も起こります。
今回は思考のクセである自動思考を解説し、この考えすぎを変える方法をチェックしてみましょう。
この記事ではこんなことがわかります▼
- 考えの最初の段階である「自動思考」の意味
- 認知の歪みを直す方法
- 自動思考の育児への活かし方
「ついつい考えてしまう…」自動思考とは?
「考えすぎ」について着目するときに、知っておきたいのが自動思考です。名前の通り「自動的に」「意識なく」行われる思考が自動思考ですが、まずは感情や思考が生まれる最初の段階である自動思考について解説します。
物事に対してとっさに沸き上がる考えのこと
自動思考とは、物事に対してとっさに思いつく考えのことです。例えば子どもが巻き込まれた交通事故のニュースを見たとして、
- 巻き込まれた子どもがかわいそう…
- 誰が運転していたの?許せない
- うちの子も気をつけないと
などさまざまな思いを抱きます。これが自動思考であり、同じ状況でも人それぞれ自動思考は異なるのが特徴です。
自分の思考のクセや感情の本質も含まれている
この記事では自動思考を「変える」ことに注目していますが、誰しも「どんな意見を持っていてもおかしくはない」という前提は変わりません。ただし、自動思考の中には、自分の思考のクセや感情の本質も含まれており、ネガティブなものもポジティブなものも含まれているのがポイントです。
例えば先ほどの交通事故のニュースでも、ただニュースを見ただけで「うちも同じことが起きたらどうしよう」と強い不安感が止まらなくなるかもしれません。これがより身近になり「ママだから子どもから目を離したらダメ」「交通事故に遭うのは自分のせい」と自身の生活にまで影響してくるのが、考えが起こる最初の段階である自動思考の気をつけたいポイントです。
一度歪んでしまうとネガティブな自動思考が止まらないことも…
自動思考は無意識のうちに展開するもの。そのため、一度歪んだ自動思考がクセになると、ネガティブな思考が止まらなくなることもあります。
- 交通事故のニュースを見ただけで気分が悪くなる
- 普段のお出かけも怖くなる
- 子どもと接するのも不安が募る
など、こうしたネガティブな自動思考は変えるまでずっと続きます。
ネガティブな思考とは、「万が一何か悪いことが起きたとき」の保険や予防にもつながる側面があります。また、ポジティブな考えよりも「考えやすい」のも厄介な点です。そのためクセになりやすく、歪んだ自動思考に気付いたら自分で修正することでより生きやすくもなるでしょう。
歪んだ自動思考を変えるには?
歪んだ自動思考を変えるには、3つのステップで修正していきます。ここでは「とっさに思いつく」という自動思考を変える方法を見ていきましょう。
自分の自動思考に気づく
まずは自分の自動思考がどうなっているのか、自分で気づくことから始めます。子どもが遊んでいるのを見て「楽しく遊んでいていいね」と思うのか「そんな遊び方をして、掃除が大変じゃない」と思うのか、とっさに浮かんだイメージをメモに残しましょう。
瞬間的に浮かぶ自動思考は、その場面では振り返れないことも多いです。そのため、1日の終わりや時間が取れたときに、日記をつけるように箇条書きでよいので書き出してみると気づきがあります。
自動思考を否定しない、受け入れる
自動思考には「誰にも言えない真っ暗な気持ち」や「世間的によくないこと」「倫理観が失われたもの」などさまざまです。確かにその思考に陥るのはよくないとは思いますが、どんなにネガティブなものでも否定するのはNGです。
- 「子どもが楽しく遊んでいても、私はこんな場面だと喜べないんだな」
- 「この場面ではイヤな気持ちになるし、心が狭くなってしまう」
- 「この出来事はネガティブに捉えることが多い」
以上のように、ただ受け入れるだけで大丈夫。自動思考のような無意識を「思っちゃダメ!」と抑制すると、より考えすぎてしまい自分が苦しくなります。
他の自動思考を考える
書き出した自動思考を客観的に見て、違う方向性で考えられないかを見つけてみます。例えば、
- 私にとっては楽しくないことだけど、子どもには楽しいことなのかもしれない
- もしかすると考えすぎかも
- 単なる思い込みなのかも
とさまざまな角度から自動思考を考えてみるのです。ここでポイントとなるのは、自動思考を変えるのではなく「自動思考の代わりになる考えを持つ」という点です。
自動思考とは勝手に生まれる思考のため、コントロールするのは難しいもの。なおかつ否定するとより自動思考が止まらなくなるので、変えようという意識よりも他の考えや違う方向性の考えを付け加えていくほうがずっとうまくいきます。
育児に自動思考をどう活かす?
自動思考を意識して、ネガティブな考えを変えるという行為。このちょっとした感覚は、実は育児にとても役立ちます。最後に、ママの自動思考と育児との関係をご紹介します。
子どもの意見を「イメージだけで」決めつけない
勝手にイメージしてしまう自動思考。この自動思考には、自分が経験した過去の出来事や思考のクセ、本質が隠れているとお伝えしました。そのため、放っておくと「ママがイメージした子ども像」に知らず知らずのうちに当てはめてしまいます。
- 子どもだから遊園地が好きでしょ?
- お外で遊んだほうがいいに決まってる
- 子どもは早く寝るべき
どれも「子どもの中であるある」という一般論かもしれませんが、我が子に当てはまるかというと別問題。必ずしも子どもは外で遊びたいわけではありませんし、遊園地やテーマパークが喜ぶかというとそうではありません。
自動思考をそのままにしておくと、「喜ぶと思ってやったのに!」とイメージと異なる子どもの行動や思考が理解できません。頭ごなしに子どもを否定してしまい、本来私たちが目指す「子どものすべてを受け入れる母親」から遠のいてしまうのです。
子どもの自由な発想を認めて育ててあげる
自動思考やスキーマといった言葉は、認知療法学の世界でよく使うものです。これは、何かを認識する「認知」という人間の特性を表すものです。
認知の仕組みや自動思考を知ると、より子どもの行動にも理解が深まります。ママと子どもの意見が違って当たり前ですし、ママの意見を子どもに押し付けても何も響かず、むしろ親子間の認知の溝が深まってしまう…と知っただけでも大きな進歩です。
子どもは本来自由な発想で、常識やルールに縛られない豊かな想像力を持ちます。そんな子どもの本質を理解するためにも、自動思考というものを今一度学ぶのもおすすめです。
まとめ
ママの思考のクセや考えすぎを直すだけでなく、ネガティブな思考も変えることができる自動思考。今、育児や生活に悩んで「生きづらい」と感じるママは、ぜひご紹介したような自動思考を意識してみましょう。1日のうち少しずつ自分の思いにも目を向けて、親子で笑って過ごせる日を迎えられるとよいですね。
【参考】
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