子供の片付け。「教えないと」と思いつつもなかなかうまくいかないため、結局ママが一人で片付けてしまうこともあるのではないでしょうか。
特に2歳児くらいの小さな子だと、片付けを何度促してもやってくれないことも多いです。「2歳児に片付けって必要なのかな?」と疑問に思う方もいるかもしれません。
そこで今回は
- 2歳児が片付けをしない理由
- 2歳児に片付けを教えるねらい
- 2歳児が片付けしたくなるような声かけ方法
を解説します。
子供の片付けに悩んでいるママは、ぜひチェックしてみてください。
2歳児が片付けをしない…。なぜ?
2歳児はなぜ片付けをしないのでしょうか。まずは片付けをしない心理を考えてみましょう。
片付けなくても必要ないと思っているから
大人から見るとお部屋が散らかったりおもちゃが散乱している様子が気になったりするので、「片付けをして欲しい」と思いますよね。ですが、2歳児の子供から見ると「片付けなくても遊べる」ので、お片付けの必要がないと思うことがほとんどです。
片付けの必要性を理解するのはまだまだ先のこと。片付けなくても支障がないので、2歳ごろの子供は片付けしないこともあります。
片付け方が分からないから
片付けは「片付けるための物を選び」「収納する場所を選択して正しくしまう」と動作が複雑です。大人でも整理整頓がうまくいかないときもありますが、2歳児だともちろん片付け方を理解するのはとても難しいものです。
ただ言葉で「おもちゃを片付けて」とざっくり教えただけでは、片付け方は分かりません。2歳児が片付けをしないのは、その方法がよく理解できていないからというのも原因のひとつです。
また、片付ける方法が難しかったりそもそも子供の手に届かない場所に片付ける必要があるなど、環境が整っていないと片付けを理解してくれないこともあります。まずは子供と一緒に片付けをしてみて、「片付けにくそうだな」と思うところは変えていくとよいでしょう。
実は片付ける場所が子供の目線よりも高く、片付ける方法が分かってもらえていないのかもしれません。
「片付けたくない」というこだわりがあるから
2歳ごろ、多くの子供がイヤイヤ期を迎えます。自我が芽生え、主張も激しくなるため「片付けたくない!」と強く反発することもあるでしょう。
また、こだわりが見られるのもこの頃。おもちゃをしまう場所を整えていたとしても、「このおもちゃは手に持っておきたい」「絶対にこの場所に置きたい!」というこだわりで、片付けをしてくれないことも考えられます。
2歳児に片付けを教えるねらいとは
片付けがうまくいかないと、結局大人がすべて片付けをしてしまうことも。何度も繰り返すと、「2歳児に片付けを教えるのは早いのではないか」「教えなくてもいいんじゃないの?」と思う方もいるかもしれません。
そこで、2歳児に片付けを教えるねらいを解説しましょう。
「遊び」の時間を区切るため
遊びの時間は大切ですが、「ごはんの時間」「お昼寝の時間」と区切りの時間はやってきます。だらだらと遊んでいると一緒に過ごす大人も家事が回らないため、大変ですよね。
そこで、遊びの時間を区切ってメリハリを付けるために片付けを教えるねらいがあります。どんなに楽しく遊んでいても、就寝前にはお片付けする。など、時間を区切る目的で片付けを身に着けるとよいでしょう。
物を「しまう」ことを教えるため
おもちゃは確かに散らかったままでも問題はありません。しかし、遊びにくくなるのは明らかですし、借りた物で遊ぶのなら元あった場所に返す必要があります。
この、物を「しまう」ことを教えるには片付けは大切です。散らかしたままだと「次に遊ぶ自分が困る」ことも教えるために、部屋はキレイにしておかなければなりません。
「しまう」ということをするためには、子どもはどこに何があるかを覚え、片付けようとしているものを探し出したり、お片付けの場所に合わせて置き方を工夫する必要があります。つまり、「しまう」ことを練習することは、子どもの記憶力、集中力、計画性、空間認知能力、などといった、子供の成長において大切な非認知能力を高めることにもなります。
子供の非認知能力を高めるには、お片付けなど、日常生活の一つ一つに向き合うことも大切なのです。
集団生活の準備として
2歳児だと、3歳から幼稚園に入園する子も多いですよね。これまで自宅で遊んでいた子も、集団の中での生活に少しずつ慣れなければなりません。
児童館などの施設でも同じことが言えますが、遊んだあとのおもちゃはもとに戻すのがルールです。保育施設ではみんなで遊ぶので、片付けを覚えていた方が過ごしやすくなるでしょう。
片付けを教えるのは本当に大変ですが、2歳児に片付けを教えるねらいには以上の3点が考えられます。少しずつでよいので、片付けの習慣を作りできる限り続けてみましょう。
片付けしない2歳児に効果のあった声かけ
片付けを教えるのは大切ですが、2歳児だとなかなか片付けがうまくできないことも。子供の片付けを促すのは、とても難しいものです。
ここからは2歳児に効果のあった声かけの方法を見ていきましょう。
「ママと一緒に片付けゲームをしよう!」
我が家の2歳児に効果があったのは、片付けをゲームにしたり遊びの一環にしたりするものです。片付けをどちらが早く終わらせるか、おもちゃを入れるゲームにしても楽しそうですよね。
2歳児に「片付けしなさい」と言って素直に聞き入れてくれるのは少ないです。それよりも「ママと一緒に遊びながら片付けをしよう!」というように、ポジティブな声かけに変えてみてはいかがでしょうか。
「〇時までに片付けたら外に遊びに行こう!」
片付けはだらだら続けていても終わらないので、「〇時までに片付けようね」と時間で区切るのがおすすめです。とはいえ、時計を見せても2歳児だと分からない子も多いでしょう。
お片付けの時のテーマソングなどを決め、音楽を流し「〇〇の曲が終わるまでに片付けよう」と2歳児にも分かるように声かけをするのもいいでしょう。このほかにも、「時計の針が上を向いたら」など視覚的に教えるのもよいでですね。
また、片付けたあとは「〇〇しよう」と子供が喜ぶポイントを作るのも大切です。外に遊びに行こう、お買い物に行こうなど、片付けたあとの達成イベントを作ってから片付けを始めてみてはいかがでしょうか。また、片付けは「ママと一緒に」など大人がサポートしてあげることが2歳児では大切です。
「このおもちゃ、寂しそうだね」
片付けがどうしてもうまくいかないときもあるでしょう。そのとき、「片付けないとおもちゃを捨てちゃうよ」と脅す言い方をするのは子供の心の成長にマイナスです。「捨てちゃうよ」と言っても実際には捨てない親がほとんどなので、親の発言が結果的に「ウソ」となり親の言葉の信頼性が低下します。また、そのように脅す親の行動をみると、子供も「お友だちを脅す」ようになっていきます。子供に片付けを促す声かけは、「なぜ片付けをしないといけないのか」を交えて説明すると分かってもらえることがあります。
例えば、「このクレヨン、ひとりぼっちだね。みんなのところに戻してあげよう」と言ってクレヨンケースにしまうようにしたり、片付けられていないおもちゃを「寂しそうだね」と言ってみたりします。すると、子供から自発的に「みんなのところに持っていく」と片付けてくれることもありました。
もちろんいつでもうまくいくわけではありません。ですが、繰り返し声を掛けて少しずつ片付けをすることで、子供にとって習慣化できるようになるでしょう。
まとめ
2歳児に片付けを教えるのはとても難しいです。だからこそ、何度言っても片付けてくれなかったり「そもそも片付けを教える意味はあるのかな?」と悩んだりすることもあるでしょう。ただ、2歳ごろから片付けの習慣を少しずつ覚えていくと、その後の集団生活で役に立つことがあります。
今回ご紹介した2歳児に片付けを教えるねらいを参考に、毎日繰り返し片付けを実践してみましょう。今はできないかもしれませんが、きっと将来的に片付け習慣に助けられるときがくるはずです。
【参考】