ジーナ式ネントレとは?ジーナ式ネントレの特徴について解説

最近よく耳にする「ネントレ」。赤ちゃんの睡眠に関わる悩みはつきないもので、産後の睡眠不足が続くママにとって、なんとか解決したい問題ですよね。

ネントレの中でもよく耳にする「ジーナ式ネントレ」。ジーナ式ネントレに関する本や、ジーナ式ネントレを実践しているママパパをSNS等で見かけることしばしば。

ちょっと気になるけど、なんだか難しそうに感じて、なかなか始められずにいるママパパも多いのではないでしょうか?自分の生活にスタイルに合ったネントレかどうかも気になりますよね。

この記事では

  • ネントレに悩んでいてジーナ式ネントレを試してみたいママパパ
  • ジーナ式ネントレのメリット・デメリットを知りたいママパパ

に向けて、ジーナ式ネントレの特徴やメリット・デメリットについて詳しく解説します。

ジーナ式とは?どんなネントレ方法?

ネントレメリー

ジーナ式ネントレとは?

ジーナ式ネントレとは、イギリスのカリスマ保育者であるジーナ・フォードさんによるネントレメソッドです。執筆した育児書『カリスマ・ナニーが教える赤ちゃんとおかあさんの快眠講座』(The Contented Little Baby Book.1999)がベストセラーとなり、世界各国で出版されています。

ジーナ式ネントレは、赤ちゃんの1日のスケジュールをママパパ(保育者)がコントロールし、生活リズムを整えることで、赤ちゃんが1人でスムーズに寝ることができるようにメソッドです。赤ちゃんのスケジュールが整うことによって、夜泣きや理由の分からないぐずりが減り、ママパパの負担が減ると言われています。

ジーナ式ネントレをはじめる時期

ジーナ式ネントレを始めるのは、いつでも大丈夫です。赤ちゃんの体調に問題がなく、体重の増え方も順調であれば、生後1週間目安に始めることも可能です。

ジーナ式ネントレの基本は生活のリズムを整えることにあるので、早ければ早いほどリズムが整いやすくなります。時期が遅ければ遅いほど、生活リズムを整えるのに時間がかかることがありますが、月齢に合わせた方法でネントレを進めていけばスムーズに寝られるようになります。

ただし、ママの産後の体調や家族の協力体制にもよるので、ママの生活が落ち着いて、体と心の余裕が出てきてから行うことをおすすめします。無理してスケジュールに合わせようとすると、かえってストレスになることもあります。

ジーナ式ネントレの基本のポイント

ジーナ式ネントレの大きなポイントは以下の6つです。

  1. 寝かしつける30分前までには授乳を完了しておくこと。
  2. 寝室に明かりが入らないようにすること。(昼寝でも同様)
  3. 赤ちゃんとママが寝る部屋は別にすること。
  4. 赤ちゃんを寝かしつけるとき、抱っこや授乳はしないこと。
  5. 10分以上泣いている場合は、様子を見に行くが、抱っこや授乳はしないこと。
  6. 基本的にはこれを繰り返すこと

これにより、赤ちゃんの睡眠へのリズムが整い一人で寝るようになると言われています。

ジーナ式ネントレのスケジュール例

ジーナ式ネントレのスケジュール例をいくつかご紹介します。

生後1週間

7:00 起床 授乳
8:30~9:45 朝寝
10:00 授乳
11:15~13:45 昼寝
14:00 授乳
15:30~16:45 夕寝
17:00 授乳
18:00 沐浴
18:15 授乳
19:00 就寝
21:00 授乳 ※就寝後の授乳は様子を見ながら
0:00 授乳
3:00 授乳

生後3ヶ月

7:00 起床 授乳
8:45~9:45 朝寝
11:00 授乳
11:45~13:45 昼寝2時間
14:00 授乳
15:30~16:00 夕寝30分
17:00 授乳
17:45 お風呂
18:15 授乳
19:00 就寝
22:30 授乳

生後6〜8ヶ月

7:00 起床 授乳
9:00~9:40 朝寝40分
10:30 離乳食or授乳
12:00~14:00 昼寝2時間
14:30 授乳
17:00 離乳食
18:00 お風呂
18:45 授乳
19:00 就寝
22:00 授乳

ジーナ式ネントレ関連の本によって、多少の違いはありますが、大まかなスケジュールはこのようになっています。就寝時間と起床時間は同じで、成長に伴って昼寝や授乳の回数を減らしていきます。

ジーナ式ネントレのメリット

機嫌よく遊ぶ子

泣いている理由が分かるようになる

ジーナ式ネントレにより、生活のリズムが整ってくると、寝ぐずりや夜泣き、理由のない泣きが少なくなります。赤ちゃんの泣いている原因のほとんどが睡眠か空腹によるものが多いです。

赤ちゃんの体内のリズムが整ってくると、心の安定にもつながります。ママパパがスケジュールを把握しているので、時間やタイミングを見て、なぜ泣いているのか分かるようになり、赤ちゃんのお世話がしやすくなります。

1日のスケジュールが立てやすい

赤ちゃんの生活リズムが整っていると、ママパパの1日のスケジュールが立てやすくなります。授乳や昼寝のタイミングを外して散歩や買い物をしたり、離乳食の準備をしたりすることができます。

また、初めての赤ちゃんのお世話は、分からないことだらけで、どうしたらいいかと迷うことが多く、泣いている理由探しに疲れをしてしまうママパパも多いです。スケジュールが決まっていることで、泣いている理由探しから解放され、赤ちゃんのお世話を余裕をもって楽しむことができるようになります。

ママの睡眠時間や自分時間がとりやすくなる

赤ちゃんの夜泣きによる睡眠時間の減少は、産後のママにとってはとてもつらいものです。産後の体は交通事故レベルだと言われています。

赤ちゃんの夜泣きがなくなり、ママの睡眠時間が確保されることは、ママの体と心にとって、とても大切なことです。また、夜しっかり睡眠をとることは、赤ちゃんにとっても大切なことで、日中ご機嫌な時間が増えます。赤ちゃんがご機嫌にしている時間が増えると、ママの自分時間の確保もしやすくなり、ママにとっても赤ちゃんにとっても余裕がある生活ができます。

パパの育児参加のハードルが下がる

母乳による寝かしつけの場合、多くの場合「ママじゃないと寝ない」という状況になります。いくらパパが育児参加をしようと頑張っても、ママじゃないと泣き続ける赤ちゃんに心が折れてしまうことも。

ジーナ式ネントレでは、授乳による寝かしつけに頼らないので、パパでも寝かしつけできるというメリットがあります。また、スケジュールが決まっているので、普段なかなか一緒にいられないパパでも迷わずお世話をすることができます。

ジーナ式ネントレのデメリット

ネントレ部屋

イレギュラー時の対応が難しい

スケジュールが決まっているので、来客や旅行など、イレギュラー時の対応が難しいことがあります。スケジュール通りに進まないと焦ってしまい、イライラしてしまうこともあります。

慣れるまでに時間がかかる

ジーナ式ネントレが合っている赤ちゃんは、スムーズにいくこともありますが、生活リズムが整うまでに時間がかかることも多いです。

特に、就寝時抱っこや授乳なしで寝かせようとしても、上手く寝られず、火がついたように泣き続けることも。そんな赤ちゃんの泣きに心が折れてしまうママパパも多いです。

周囲の理解を得にくい

授乳や抱っこによる寝かしつけや、添い寝が当たり前と思っている人からは、ジーナ式ネントレについてなかなか理解を得づらいことがあります。

親世代からは、「一緒に寝ないなんてかわいそう」「早く授乳してあげて」などと言われてしまうことも。少なくとも、夫婦間ではしっかりと理解し合ってからジーナ式ネントレを始めることをおすすめします。

環境設定へのハードルがある

ジーナ式ネントレでは、就寝時、基本的に電気はつけず、寝室でママと別々に就寝します。しかし、住居の間取りやママパパの生活スタイルの関係上、それが難しい場合もあります。

ジーナ式ネントレを成功させるポイント

ネントレで寝る赤ちゃん

すぐに成功させようと焦らない

睡眠のサイクルや性質には個人差があります。スケジュール通りに進まなくても、焦らないようにしましょう。

ママパパの焦りや苛立ちが伝わると、返って寝付けなくなることも。長い目で見て、焦らずチャレンジしていきましょう。

自分の生活に合ったポイントのみおさえて実践する

ジーナ式ネントレを全て完璧に実践しようとすると、息苦しく感じてしまうママパパも多いでしょう。

そのような場合は、自分たちの生活スタイルに合ったもののみ取り入れてみるのもおすすめです。継続できそうなポイントだけ実践してみましょう。

ジーナ式を実践している仲間を見つける

1人でジーナ式ネントレをしていると、上手くいかず不安になることも。

そんなときは、ママ友やSNS,ブログ等でジーナ式ネントレを実践している仲間を見つけてみましょう。同じ悩みを抱えていて、思わぬ解決策が見つかることもあります。

アプリや育児ノートで記録をとる

ジーナ式ネントレで大切なことは、生活リズムを整えることです。

個人差があるので、わが子の睡眠の特徴を知るのに、アプリや育児ノートで記録をとっておくことがおすすめです。生活リズムの整ってきたかどうかも目に見えて分かるようになります。ただし、ストレスにならない程度にしましょう。

まとめ

上手くいけば、赤ちゃんにとってもママパパにとってもメリットの多いジーナ式ネントレ。自分の生活スタイルに合っていて、実践できそうであれば、ぜひチャレンジしてみてください。出産前であれば、ジーナ式ネントレ関連の本に一度目を通しておくのもおすすめです。

ネントレについてはこちらのコラムでさらに詳しく解説しています▼

ネントレとは?いつから?【公認心理師】が睡眠と子どもの成長とネントレ(ねんねトレーニング)について解説

 

【参考文献】
ジーナ式 カリスマ・ナニーが教える 赤ちゃんとおかあさんの快眠講座 改訂版 朝日新聞出版
著者ジーナ・フォード 訳者 高木千津子

ひろしま子育て情報picabu「『ジーナ式ネントレ」ってうまくいくの?ゆるルールで実践したわが家の場合」

ABOUT US
【監修】 公認心理師YUKA久保田 由華
公認心理師、臨床心理士。
NY州立大学にてメンタルヘルスカウンセリングの修士号修得。NYCのNPOにてアシスタントサイコロジストとして勤務後帰国。
大学、クリニック、心理相談室等で勤務。7000ケース以上のご相談を担当。

心の相談室こころラボを設立し、カウンセリング以外にも子育てママのためのセミナーやスクール、ママのためのオンラインコミュニティを運営。