【子供の褒め方3つのポイント】褒めるときの注意点や褒め下手克服法

子供を褒めるときに、正しい褒め方ってあるの?と疑問を感じる方も多いのではないでしょうか。子供を褒めるときは褒める形にこだわらず、小さなことでもどんどん褒めてあげるのがポイント。今回は、子供を褒めるときの3つのポイントや、褒めるときに気を付けたい注意点、褒め下手さんの克服方法などをご紹介します。褒め方に迷ったら、ぜひ参考にしてみてください。

子供の褒め方が分からないは悩まなくても良い


子供をたくさん褒めてあげたいけれど、褒め方のポイントってあるの?と疑問に思う方もいらっしゃるかもしれません。「正しい褒め方」や「悪い褒め方」という情報もたくさんあり、知れば知るほど褒めることを難しく感じてしまうことも。

子供の褒め方はたくさんありますが、あまり形を気にし過ぎず、気軽に褒めてあげることをおすすめします。たとえば、結果を褒めるのは他者からの評価でしか判断できない子供に育つという情報があったとしても、状況や子供の性格によっては、結果を褒めてほしい時もあることでしょう。

「○○な褒め方は良くない」と頭でっかちになるのではなく、結果を褒める、過程を褒める、存在を褒めるなどさまざまな褒め方を織り交ぜることがポイント。色々な角度から褒められることで子供の自信にも繋がりますし、パパやママも褒めることを難しく捉えなくて済むため、子供を褒めやすくなりますよ。

褒められてうれしくない子供はいない

子供への褒め方を考えるときに忘れてはいけないことは、「褒められてうれしくない子供はいない」ということです。褒め方という形式に関係なく、誰かに褒められるという経験の積み重ねは、自己肯定感が高まるきっかけになります。

褒めやすい子供とそうでない子供がいるのも事実です。例えば、頑張ったことや努力したことのアピールが上手な子供は、褒めるきっかけが多くなります。反対に、アピールをしない子供の場合は、周りが褒めるポイントを見つけてあげなければならないため、褒める回数が少ないかもしれません。しかし、それも子供の個性です。周りの子供と比べて、褒める回数が少なくても構いません。子供の良いところを見つけたら、小さなことでもどんどん褒めてあげてくださいね。まずは、周りの大人が子供を褒めてあげようという姿勢を持つことが大切です。

子供の褒め方3つのポイント


子供の褒め方についてポイントを整理してみましょう。子供への褒め方に迷ったら、参考にしてみてくださいね。

具体的に褒める

「すごいね」「いいね」という言葉は、もちろん褒め言葉のうちのひとつです。もう少し踏み込んだ褒め方として、具体性を持たせることにチャレンジしてみましょう。

「色の選び方がきれいで良いね」「注射のときに泣かなかったの、えらかったね」など何が良かったのか、どこを褒めているのかを具体的にすると、子供自身が自分の得意な分野や興味のある分野、チャレンジできそうなポイントなどに気付くきっかけにもなります。

特に3歳以上になると、言葉の複雑な繋がりが理解できるようになるため、具体的に褒めることは、子供の自己肯定感を高めやすくなります。

行動やチャレンジなどプロセスを褒める

子供が何かに挑戦したとしても、毎回良い結果が出るわけではありません。しかし、たとえ結果が伴わなかったとしても、その頑張りに対して褒めることはできます。プロセスを褒めることは、次への頑張りにつながり、くじけない強い心を育ててくれます。

褒め方のポイントとしては、「よく頑張ったね」というシンプルな一言で褒められるようになったら、次は、「難しいのに、よくチャレンジできたね」「前よりも足が上がっていたよ」など、プロセスを褒めるときも、具体性を持たせることを意識してみましょう。

結果を褒める

子供が出した結果も褒めるポイントになります。結果を褒められることに慣れると、周りとの比較でしか自分の価値が見いだせなくなると言われることもありますが、頑張った結果は誰だって褒めてほしいものです。気にせずどんどん褒めてあげてOKです。

結果を褒める際に、「頑張った結果だね」のようにプロセスと一緒に褒めてあげたり、ほかの部分も褒めて、褒め方に偏りが出ないようにするのがポイント。「今の良かったね」のように結果を褒めることは、子供が難しいと思っている行動を定着化するのにも役立ちます。

結果を褒めるときは、褒め言葉で終わるのが大切です。「3位スゴイかったね、でも○○くんは1位でやっぱりもっとすごいね」のように、ひとこと多く言ってしまうと、せっかくの褒め言葉も台無しになってしまいます。励ましや期待する気持ちを込めたつもりでも逆効果になり、子供はがっかりしてしまいます。

子供を褒めるときの注意点


子供を褒めるときには、いくつか注意点があります。子供を褒めたつもりでも、実は逆効果になってしまうことも。さっそく、子供を褒めるときの注意点をチェックしてみましょう。

褒めて伸ばすは「叱らない」ではない

育児書や教育論などで「褒めて伸ばす育児」というワードを、見たり聞いたりしたことがある方も多いのではないでしょうか。一見すると、褒めて伸ばす育児というのは、子供を褒めることばかりで、叱ることなく常にニコニコと笑顔で子供と接する育児のように思われがちですが、そうではありません。

褒めて伸ばすというのは、決して叱らないというわけではありません。子供がいけないことをしたり、危険が及んだりする場合などは、きちんと叱る必要があります。褒めて伸ばす育児は、ただ叱ってばかりいるのではなく、良くないところを叱ったら、同じように良いところも見つけて褒めてあげてくださいというものです。叱ることが悪いというものではない点に注意しましょう。

結果が良くないときも褒める

プロセスを褒めるところで前述したように、たとえ思うような結果が出なかったときでも、しっかりと褒めてあげることを忘れずに。

結果が良い場合は、自然に周りから褒められる機会が多くなる傾向がありますが、そうでない場合は、褒められることは少なくなりがちです。結果が伴わなかったときこそ、意識して前向きに褒めてあげるようにするのがポイント。子供は親が見守ってくれていたことを知るだけでも、安心でき嬉しいものです。

ほかの子どもや兄妹と比べない

比較して褒めるときには、子供の過去と比較して褒めるのがポイント。ほかの子供や兄妹と比べて褒めるのは人間関係を順位付けしたり、周りよりも劣った結果の場合に、自己否定してしまうことに繋がったりするためNGです。

子供は一人ひとり個性が異なり、それぞれに良さがあります。ほかの子供と比較したところで意味はありません。

褒め下手を克服するには?


「子供を褒めたい気持ちはあるのに、上手に褒められない」「褒めようと思っても、なんだか恥ずかしくなってしまってできない」「褒めたいけれど言葉が見つからない」など、褒め下手に悩むパパママもいます。「どうも上手に褒められない」を克服する方法をご紹介します。初めから完璧にしようとしなくてOKです。できるところからチャレンジしてみてくださいね。

子どもへ関心を向ける

褒め方が分からないという場合、褒めるきっかけ探しからスタートしてみましょう。子供と接触する機会を増やし、子供の言動に注目してみてください。どこか良いところはないかな?と褒めることを前提として子供へ関心を寄せると、自然と見えるものが生まれてきます。

褒めるきっかけがわからないという方は、大きな褒めポイントを探してしまっているのかもしれません。褒める事柄はどんなに小さくても良いのです。褒める回数を増やすゲームのつもりで探してみてくださいね。

短い言葉でもOK

褒めたいけれど、なんとなく気恥ずかしいという方は、まずは短い言葉でも良いので口に出してみることにチャレンジしてみてください。

「えらかったね」「すごいね」という言葉は褒め方としては表面的ですが、まず慣れることからスタートする場合には有効です。口に出すのも抵抗があるという場合は、拍手をしてあげるだけでも伝わりますよ。

感謝の気持ちを伝える

上手に褒め言葉が見つからず、褒めたいけれど口籠ってしまうという場合は、普段から使い慣れている言葉に言い替えてみるのがおすすめ。「○○ちゃんに優しくしてくれてありがとう」や「お手伝いしてくれたから助かった」「水やりに気付いてくれてママ嬉しかったな」なども褒め言葉になりますよ。

まとめ

褒められてうれしくない子供はいません。褒め方の良し悪しを気にし過ぎず、どんどん褒めてあげましょう。褒められた体験を積むことで、子供は自分自身に対して自信が持てるようになります。心に余裕が生まれると、周りに気遣えるようにもなり良いことばかりです。褒める内容は、日々のほんの小さなことでOKですよ!

【参考】

京都府「ほめかた絵本」 

岩手県教育研究発表会発表資料「ほめられたと思いにくい子供はどのように支援するとほめられたと思うのか?」

東洋経済オンライン「子どもを褒めない親は「見る目」がなさすぎる」

現代ビジネスプレミアム「発達障害の子の「能力を伸ばす親」はやっぱり「ほめ上手」だった」

ABOUT US
【監修】 公認心理師YUKA久保田 由華
公認心理師、臨床心理士。
NY州立大学にてメンタルヘルスカウンセリングの修士号修得。NYCのNPOにてアシスタントサイコロジストとして勤務後帰国。
大学、クリニック、心理相談室等で勤務。7000ケース以上のご相談を担当。

心の相談室こころラボを設立し、カウンセリング以外にも子育てママのためのセミナーやスクール、ママのためのオンラインコミュニティを運営。