時間がないときに限って子供が駄々をこねたり、出かけ先でお菓子を買うまで泣いてみたり、イヤイヤ期の育児に悩むママパパは少なくありません。イヤイヤ期の育児はストレスの宝庫。イヤイヤ期辛いと感じているママパパも多いのでは?
今回は、イヤイヤ期の基礎知識と乗り越え方、考え方のポイントや、気を付けたい育児ノイローゼについてまとめました。
イヤイヤ期とはどんな時期?
イヤイヤ期と呼ばれるのは2歳を中心に、早い子供では1歳半ごろからスタートし、多くの場合、3歳ごろまでの時期です。言葉や心の発達に伴い、ほとんどの子供に現れる自己主張が強くなることを言います。
2歳前後が、身体機能、言語機能ともに大きく発達する時期で、好奇心も旺盛になってきます。しかし、好奇心旺盛でなんでも自分でやってみたいと思う反面、身体の機能はそのすべてを解決できるほど発達していないため、やりたいのにできないことへストレスを感じ、泣いたり叫んだり、ときには叩いたり物を投げたりといった行動をとるようになります。
また、言葉の発達が著しく進む時期といっても、嫌なことややりたいことなど、自分の気持ちを上手に言葉だけで言い表せるほどの語彙も表現力もないため、癇癪を起こしてしまいます。イヤイヤ期に子供が取る行動について、特にはじめての育児の場合は、パパママが対処に困ることも多く、親子ともストレスを抱えがちです。いつまでも大変な時期が続きそうな気がしてしまいますが、いずれ落ち着く時期が来るので、焦ったり心配したりしなくても大丈夫です。
前頭葉の発達が鍵
最近の研究では、子供が2歳ごろに見せるイヤイヤ期の状態は、大脳の前方にある前頭葉の前頭前野と呼ばれる部分の発達が大きく関わっていることが分かってきました。
前頭前野は、物事を考えたり、判断したり、感情や行動のコントロール、記憶などを司る部分で、6歳ごろまでは発達がとてもゆるやかである特徴があります。
大人の言うことをしっかりと聞けていた子供が、2歳ごろになって急に拒否したり、泣きわめいて言うことを聞かなくなったりすると、発達が戻ってしまったのでは?と不安になることもあるかもしれません。しかし実際には、子供がイヤイヤ期の状態を起こすのは、感情や行動を我慢したり、コントロールする力を身に付け始めた表れです。典型的な正常発達なので、イヤイヤ期を迎えることは、子育てにおいてマイナス要素ではありません。
イヤイヤ期辛いときの乗り越え方
子供のイヤイヤ期はいつまでも続くものではありません。しかし、イヤイヤ期辛いと感じるママやパパは多く、乗り越え方が分からずにストレスを溜め込んでしまうことも少なくありません。イヤイヤ期辛いと感じるとき、どのように乗り越えれば良いのでしょうか。スムーズに乗り越えるためのヒントをご紹介します。
写真が動画に残し客観的に見る
イヤイヤ期の子供に感情を引っ張られてしまうと、ママやパパのほうがイライラしてしまったり、大きな声で叱ってしまったりしてしまいます。イヤイヤ期辛いと感じる時には、泣いたり暴れたりしている子供と一歩距離を置き、子供の状態を客観的に見るのがおすすめ。危険のない範囲で、写真や動画に撮ってみると、子供の様子を一歩引いて、全体的に見渡せることがあります。
子供が泣いて癇癪を起こし、イヤイヤ期辛いと感じはじめたら、一度その様子をカメラ越しに見てみてください。気持ちを落ち着けるきっかけになるかもしれません。1日の最後に振り返りとして、確認するのもおすすめです。日々同じように感じられる子供の癇癪でも、その度合いやスイッチの入り方などが異なっていることに気が付き、子供の心の動きが分かりやすくなります。
時間に余裕を持って行動する
幼稚園に行く準備をしているときに、イヤイヤ期の子供が準備に手間取って駄々をこねたり、泣きわめいたりしてイライラした経験がある方も多いのでは?時間があれば、子供が泣きやむまで待つことができ、不必要にイライラせずに済んだかもしれません。
イヤイヤ期辛いと思うときは、イヤイヤ期で子供が予期せぬ行動を取っても対処できるよう、時間に余裕を持って行動するのがポイント。時間に追われていると、心の余裕がなくなってしまいがちです。
子供と離れる時間を持つ
イヤイヤ期辛いと感じるときには、日々のストレスが積み重なってしまっている可能性が高いでしょう。イヤイヤ期辛いと感じているときは、子供と少し離れる時間を持つことが、とても大きな意味を持つことが少なくありません。
子供の面倒を見ることは、常に緊張の連続です。特にいつ気持ちを爆発させるか分からないイヤイヤ期の子育ては、ストレスも多いものです。両親や親戚など、子供の面倒をみてくれる人が身近にいる場合は、お願いしてみるのがおすすめ。
身近に頼める人がいない場合は、自治体のファミリーサポートやベビーシッターなども視野に入れて、上手に自分の心を開放できる時間を確保してみましょう。短時間でも子供と離れる時間があれば、エネルギーが戻ってくることも少なくありません。
ベビーシッターについてはこちらのコラムでもご紹介しています。
相談できる環境を整える
イヤイヤ期の育児の辛さは、一人で抱え込むと辛さが増してしまうことがあります。ママ友や先輩ママ、子育てサロンのスタッフなど、相談できる環境があれば、アドバイスがもらえたり、気持ちに寄り添ってもらえたりすると、辛い気持ちも乗り越えやすくなりますよ。
どうしても身近な人に相談しにくいという場合は、心の相談室を利用したり、電話相談などを利用するのもひとつの手です。
電話相談についてはこちらのコラムでもご紹介しています。
イヤイヤ期辛いときの考え方のポイント
イヤイヤ期辛いと感じるときは、どんな風にイヤイヤ期を捉えたら、乗り越えやすくなるのでしょうか。辛い気持ちを少しでも楽になるための、考え方のポイントをご紹介します。
成長によるものと理解
これまで見られなかった反抗的な態度に、パパやママはイヤイヤ期辛いと感じてしまいますが、イヤイヤ期は感情をコントロールしたり、気持ちを言葉で伝えられるようになるなど子供の成長にとってとても大切なものです。初めての育児の場合は特に、子供の言動に驚くパパママも少なくありませんが、正常な成長の証ですので、安心してください。
すぐに対処しなくても大丈夫
イヤイヤ期辛いと感じる方のなかには、泣いている子供をなだめてあげなければかわいそうと責任を感じてしまう方もいます。早く解決しなければいけないと焦るあまり、必要以上にストレスを感じてしまっているのかもしれません。
子供や周囲の人の身に危険が及ばないのであれば、すぐに対処しなくても、ある程度泣かせていても大丈夫です。ゆったりと見守ることで、イヤイヤ期辛いと思うことを減らせます。
こういうものだと諦める
イヤイヤ期の子供を真正面から受け止め、そのすべてに対処していると、イヤイヤ期辛いと感じるのも無理もありません。イヤイヤ期は、すべてに対処できるものはなく、またすべてに対処しなければならないものでもありません。イライラしている子供を前に、パパやママもイライラしてしまっては悪循環になります。イヤイヤ期だからこういうものだと諦めてしまうのも、ストレスを抱えない方法のひとつです。
イヤイヤ期辛いときに育児ノイローゼになることも
イヤイヤ期の育児はストレスを抱えやすく、育児ノイローゼに発展してしまうことがあります。育児ノイローゼは、誰にでも起こりうることです。もし自分が育児ノイローゼかな?と思ったときには、早めに医療機関を受診することをおすすめします。
育児ノイローゼにありがちな症状
- 感情の浮き沈みが激しく
- 自分でも怒りや悲しみが抑えられなくなる
- 無気力で無関心
- 子供がかわいいと思えなくなる
- 人と会うことが億劫になり引きこもりがちになる
- 不眠や過食
- 拒食に悩まされたりする
などが、育児ノイローゼにありがちな症状です。命に関わることに発展してしまうケースもあり、早めの治療が大切です。
気を付けたほうが良いタイプは?
イヤイヤ期の子供は、大人のいうことを聞かなくなることがあります。完璧主義で、真面目なタイプは、そういった子供の言動が自分のせいだとせめてしまいがち。孤軍奮闘で頑張り屋さんも、育児ノイローゼになりやすいと言われています。
当てはまるタイプの方は、日ごろから子供との向き合い方に悩み過ぎないで、ときには周囲に甘えて、イヤイヤ期育児を乗り越えましょう。
まとめ
イヤイヤ期で泣いたり暴れたりする子供を前に、イヤイヤ期辛いと感じるパパやママは少なくありません。イヤイヤ期の子供との距離の保ち方や、考え方のポイントを押さえて、イヤイヤ期育児を乗り越えてくださいね。イヤイヤ期の育児は、周囲をどんどん巻き込んで、自分ひとりで悩みすぎないようにするのが大切です。
【参照サイト】
千葉市認可保育園幕張本郷ナーサリー「いやいや期の正体とは?」
ベネッセたあひよ「「イヤイヤ期がつらい」の悩みに「私もそうでした」と3児のママ小児科医」