断乳・卒乳後のセルフケア方法をご紹介!痛くならない対策

断乳 ケア

いつかはやってくる授乳の卒業卒乳断乳と呼ばれていますが、この時ママとして気になるのはおっぱいトラブルではないでしょうか。

断乳後は授乳がストップするために、母乳が詰まって乳腺炎を引き起こしたり搾乳がうまくいかず痛みが出たりします。この症状を和らげるためには、適切なケアが必要です。

今回は断乳後のおっぱいトラブルが心配なママへ向けて、ケア方法をご紹介します。スムーズに断乳を進めるためにも、ぜひチェックしてみましょう。

断乳・卒乳後のおっぱいトラブル回避は断乳「前」が大切

赤ちゃん 授乳

断乳後に起こりやすいと言われるおっぱいトラブル。症状を出さないためには、実は断乳前にできることがたくさんあります。

まずは断乳前のケアをご紹介します。

突然断乳しない!徐々に減らす

はじめに、突然断乳しないことです。断乳のときに起こるトラブルのほとんどは、「母乳が分泌されているのに授乳せず、詰まってしまうから」が原因です。授乳量は子供の成長や授乳タイミングによってさまざまですが、相当量が出ているときに突然ストップすると詰まりやすくなります。

そのため、突然断乳せず徐々に減らすようにしましょう。母乳量によって減らし方を変えると良いのですが、ゆっくりひと月かけて授乳を減らすママもいます。ただし、

  • ママ、子供のどちらかが体調不良で断乳しなくてはならない
  • 下の子を妊娠したので断乳せざるを得ない
  • すぐに断乳しなければならない事情ができた

など、段階的に断乳できないこともあります。その場合は痛みが出てきたら搾乳するなど、「突然母乳量をゼロにする」ことなく少しずつ減らせるように工夫しましょう。後ほど、断乳時の搾乳方法などは詳しくお伝えします。

子供に断乳・卒乳を言い聞かせする

ママ自身のおっぱいをケアすることも大切ですが、断乳における子供のメンタルにも目を向けておきたいですね。突然「もうおっぱいはあげないよ」と突き放すのではなく、子供にも伝えておくとベストです。

1歳を過ぎるまでは、どんなに言い聞かせしても子供は完全には理解できないかもしれません。とはいえ断乳を決めたらママの気持ちをまとめるためにも、「この日でおっぱいとはさようならしようね」と声掛けしてみてください。意外と子供にも断乳や卒乳は伝わります。

パパでもあやせるよう少しずつ慣らしておく

授乳がなくなると、これまで泣いたらおっぱいをあげていたところを工夫し乗り切らなくてはなりません。断乳後におっぱいが痛くなった場合は、ママは抱っこすることもままならない…というケースも珍しくないでしょう。

夜泣きがあっても、授乳できないためにうまく寝かしつけられないかもしれません。この時のために、断乳前からパパでもあやせるように慣らしておきましょう。これまで授乳できないパパとしては活躍できる場が少なかったかもしれませんが、ここからは腕の見せ所。子供の好きなものや興味のある遊びなどを見つけておくと、役立つかもしれませんね。

断乳・卒乳中にできるセルフケア

ママ 妊娠中

次は断乳中・卒乳中にできるセルフケアをご紹介します。断乳中の痛みや違和感は決して放置することなく、正しくケアしておきましょう。

おっぱいが張って痛いときは軽く搾乳を

断乳後に覚える違和感として、

  • 胸が張って痛い
  • 硬くなって寝返りも打ちづらい

などが挙げられます。こうした状態は軽く搾乳すると症状が和らぐのでぜひやってみてください。

ただし、搾乳は「軽く、ガス抜きをするように」程度で構いません。絞り切ると余計に母乳が分泌され、再び硬く痛くなると症状が再び現れてしまいます。手のひらで乳房を包むようにし、大きなおにぎりを結ぶように絞りましょう。

痛みが強い場合はママが心地よい程度に冷やす

痛みが強く乳房が熱を持っているときは、冷やすことで症状が改善することがあります。硬い氷を当てると逆に痛むので、柔らかな冷却材や氷のうがおすすめです。

冷却シートも効果があるのですが、実際に使ってみると肌の温度ですぐにぬくもってしまい、あまり痛みが軽減されないことも。ママに合うやり方で冷やしてみてくださいね。過度に冷やしすぎるのではなく、ママが心地よいと感じる程度でOKです。

同じように、痛みが出ているときは入浴はシャワーで済ませるとよいと言われています。体を温めすぎると母乳が作られてしまうため、気を付けてみてください。

正しい食生活、ゆったりとした下着で過ごす

母乳を詰まらせないためには、「脂っこい食べ物を摂らない」「甘いものは詰まりやすくなる」などの情報を耳にしたことはないでしょうか。食事と母乳の関係はどれも正確な根拠はありませんが、いきなり食べ過ぎたり栄養バランスの悪い食事をすると、単純に体調不良に繋がります。血行が悪くなり、症状が悪化するかもしれません。

断乳後ということで、授乳中と同じ量の食生活をしているとうっかり産後太りにつながることも。この点が気になるママは、食生活にも気を配ると良いでしょう。

また、断乳後は「胸が垂れてしまう」と締め付け感の強い下着を付ける方も多いです。しかし、断乳後のおっぱいは繊細で痛みが出やすいもの。締め付けることなく、ゆったりした下着を身につけると良いでしょう。

断乳・卒乳後のセルフケア

親子 握手

子供が授乳の必要がなくなり、「子供のおっぱいを欲しがる気持ち」が落ち着いたとしても、ママのケアはやめてもよいものでしょうか?断乳後、卒乳後のセルフケアを見ていきましょう。

断乳後は張りがある限りケアを続けて

断乳後のケアはいつまでやったらよいのか、悩む方も多いかもしれません。いつまでやったらよいのかの基準はなく、張りや痛みがある限りは続けておきましょう。

母乳は、胸に残っていると乳腺炎やしこりの原因となるので、母乳を出していた人は卒乳ケアをおすすめします。

【卒乳ケアのやり方解説】いつからいつまでやる?マッサージの方法は?  kosodate LIFE(子育てライフ)

同時に、もし胸に異変があった場合は受診の必要もあります。次に受診の目安を見ていきましょう。

しこりがある場合は受診する

断乳後のおっぱいに以下の変化があれば、受診し医師に相談することをおすすめします。

・乳房にしこりがある

・乳頭から分泌物が出る(血が混じる、さび色)

・手を上げると、乳房にへこみ・ひきつれができる

・乳頭の湿疹・びらんがある

・脇の下にしこりがある

【助産師解説】自分でできる断乳中&断乳後のおっぱいケア!乳腺炎対策

特にしこりの場合、乳がんの可能性もあります。授乳中は乳がんの発生確率が通常時よりも少なくなるとはいえ、ゼロではありません。さらに授乳中や断乳後は育児で忙しくママは自分のことを後回しにしがちです。

体の異変に気付いたら、すぐにしかるべきところに相談するようにしましょう。

乳腺炎かも?と思ったら産院や母乳外来へ

乳腺炎とは、おっぱいに強い痛みが起きたり発熱したり、寒気やふるえが起こる症状です。母乳ができる場所である乳腺に詰まりが起き、炎症することで発症します。

乳腺炎は珍しい病気ではなく、授乳中・後のママにはよくあること。とはいえ、乳児と過ごす中で高熱が出れば、育児や生活は難しくなります。断乳後も傷みが引かなかったり熱が出たら、すぐに受診しましょう。

こうしたおっぱいのトラブルは、

  • 産院
  • 母乳外来のある病院
  • 乳腺外来のある病院

などで診断できます。婦人科であれば相談に乗ってくれることもあるため、いざという時のためにあらかじめ調べておくと安心です。

まとめ

断乳・卒乳のときに置きやすいおっぱいトラブル。どんなママでも痛くなるわけではありませんし、「痛みが出るから」といって断乳をやめる必要もありません。卒乳・断乳は親子にとって大きな成長のあかし。ママはトラブルにならないよう、適切なケアをして乗り切ってくださいね。

【参考】

【産婦人科医監修】断乳後におっぱいが痛いときやしこりがあるときのケア方法 子育て情報メディア「KIDSNA(キズナ)」

【助産師解説】自分でできる断乳中&断乳後のおっぱいケア!乳腺炎対策

【卒乳ケアのやり方解説】いつからいつまでやる?マッサージの方法は? kosodate LIFE(子育てライフ)

ABOUT US
【監修】久保田 由華久保田 由華
公認心理師、臨床心理士。
NY州立大学にてメンタルヘルスカウンセリングの修士号修得。NYCのNPOにてアシスタントサイコロジストとして勤務後帰国。
大学、クリニック、心理相談室等で勤務。7000ケース以上のご相談を担当。

心の相談室こころラボを設立し、カウンセリング以外にも子育てママのためのセミナーやスクール、ママのためのオンラインコミュニティを運営。