育児書や育児サイトを見たとき、「子どもの興味や関心を伸ばしてあげましょう!」といったことをよく見かけます。しつけをするときも、「わが子に理解できる言葉で」と理解力が求められますよね。この理解については、当ブログでも大切な要素とお伝えしました。
「そうは言っても、子どもが何を考えているのかわからない…」と悩んだことは、1度や2度ではないはず。
そこで今回は、スタンフォード・オンラインハイスクールの校長を務める、哲学博士の星 友啓先生著『子どもの「考える力を伸ばす」教科書』を参考に、「理解力のあるママになるには?」を徹底解説します。
- 子どもを叱っても褒めても、なんだか反応がイマイチなママ
- 子どものことが理解できないと悩むママ
- わが子に必要な育児とは何かを迷っているママ
- わが子を正しく理解するためのメソッド
- 「理解力のあるママ」になるために意識したいポイント
- 子どもの理解力の育み方、引き出し方
子どものことをもっと理解したい!理解力が生きるシーン
たびたび訪れる「私にもっと理解力があれば!」というシーン。ママなら何度か経験があるのではないでしょうか。
なぜ今のママは理解力を求めているのか、理解力が必要な場面を振り返ってみましょう。
子どもが何に興味を持っているのかわからないとき
子どもが何か成長をするには、「好きなものを見つける」「得意な部分を伸ばす」と言いますよね。では、子どもの興味のあることを応援しよう!と張り切るママも多いです。
しかし、実際に子どもを見てみると意外と何に興味があるのかはわかりません。未就学児など小さい子だと、興味も移り変わりが激しいため「子どものことはわからない…」と悩みがちなのです。
子どもと接する時間や一緒に過ごす機会が限られている、というのも働くママが多い現代での問題点です。限られた親子の時間で、子どもを十分理解する必要があるでしょう。
子どもの言うことの本心がわからないとき
イヤイヤ期の子どもにも見られますが、子どもが素直に自分のことを話すのは少ないです。
反対のことを言ってみたり、ママに気づいて欲しいとサインを出していたり、そもそもまだ気持ちを上手に伝えられるだけの力がなかったり…。そんなときに、ママは「私に理解力があれば」と思いますよね。
子どもの本心を理解するためには、やはりママ自身の考える力がポイントになります。もし子どもの本心が何となくでもわかれば、もっと子育ては楽になるはずです。
子どもの思考のクセや効果的な対応を知りたいとき
子どもがどういう考え方をするのか、何かママが教えるときや叱るとき、褒めるときに子どもに伝わりやすい言葉は何なのかを知るときにも、理解力は役に立ちます。
このブログでも「子どもにわかる言い方で!」とよくお伝えしていますが、これは普段一緒に過ごすママにしかわからないものです。今子どもはどこまで言葉を理解し、何ができるのかというのは、育児書や育児サイトにはないママが理解しておくべき要素です。
理解力のあるママになるために、意識したい3つのポイント
「理解力」が求められる現代のママ。育児でもたびたび「子どもを理解して」といわれることが起こります。
では、理解力のあるママになるためには、どんな意識が必要なのでしょうか。知っておきたいポイントを解説します。
アクティブ・リスニング
まずは、「アクティブ・リスニング」です。アクティブ・リスニングとは心理学者のカール・ロジャースが提唱した方法であり、「話を聞くことで最大限対話した人を理解するための手法」を指します。
子どもが話していることを、ママは家事の手を止めて聞いているつもりかもしれません。しかし、じっと耳を傾けている「パッシブ・リスニング」ではわが子を理解するには不十分なのです。
アクティブ・リスニングは、話を聞くと同時に気になったところを質問して解消します。子どもが話す内容を聞いたうえで「ここが面白かったの?」「これが好きなの?」「もっと知りたいな。教えて」と会話を続けてみましょう。
すると、ただ聞いているだけでは得られなかった情報もわかります。実はこの遊びは子どもにとって合っていなかったんだな、この遊びやアニメは好きなんだな、と気づける点がたくさんあるはずです。
4つのDOを理解する
4つのDOとは、理解を深めるためにやっておきたい4つの行動です。
- 繰り返す:「へえ~〇〇なんだね」
- 掘り下げる:「〇〇って言ってたけど、それは〇〇っていうこと?」
- 共感する:「それは〇〇だね」
- 集中する:何かをしている手を止めて、相手のほうを見る、相槌を打つ
これはビジネスにも活用できる手法で、すべてやってみると相手の話を十分に聞ける姿勢が整います。
子どもももちろん、一人のママとは違う人間です。何かを話すときはこのDOを意識して、子どもの主張やお話を全力で聞きましょう。何か疑問があれば、アクティブ・リスニングを活用して質問してみると盛り上がります。
どうやったら理解力を下げるのかを意識する
意識するべきことは「理解力を上げるもの」だけではありません。どうやったら理解力を下げてしまうのか、NGパターンも知っておきましょう。
理解力を下げるのは4つのアクションにまとめられます。
- 決めつける:「男の子なんだからスポーツが好きに決まってる」
- 話を中断する:「それよりも」「でも、だって」
- アドバイスする:「こっちのほうがいいんじゃない?」
- 否定する:「それは違うよ」
もし、子どもがママにとって「違う」と思った興味を持っていても、まずはなぜそこに興味を持つのかを認めて理解しましょう。主観で決めつけて中断し、違うほうへとコントロールして否定するのはよくない代表例です。
理解力のある子に育ってもらうには?
ママが理解力を付けるためには、決して難しいことはありません。今すぐできる意識で変わるため、ぜひ試してみましょう。
同時に子どもにも「理解力のある子に育って欲しい」と思うのがママの本音です。最後は子どもの理解力を引き出す方法をご紹介します。
ママが「理解したい」という姿勢を見せよう
子どもはママの背中を、大人が思った以上に見て育っているものです。ママ自身が「子どもを理解したい」と行動に移すだけで、子どもも人の話を聞くときに自然とその姿勢を作れます。
一緒に暮らすパパにも、このことは共有しておきたいもの。ただし、子どもが何事にも理解が遅くても、ママの教育のせいではありません。個性があることは頭に置いておき、日頃の向き合い方を考え直してみましょう。
ママが学んだことを子どもにも教えてあげよう
次に、ママが学んだことを子どもにも教えてあげます。子どもは小さいから、何を言っても伝わらないと「決めつけて」いませんか?日々あったことを子どもにママが聞くように、ママも1日のできごとを伝えたってよいのです。
親子が対等な立場で会話することが増えると、相互理解が深まります。両親に対する信頼感にもつながるので、ぜひコミュニケーションを楽しんでください。
ママと子どもの立場を交換して会話しよう
これは、理解力を育てるためのトレーニング方法の一つです。ママは「今からママの真似をしてね。じゃあ話します」と宣言してからお話を始めましょう。一定期間お話をしたら、「じゃあ次は〇〇ちゃんがママだよ。ママになりきって真似してみてね」と続けます。
ちょっとした対話ゲームですが、このとき「ママの真似をしよう!」と思った子どもはしっかり大人を観察します。もしわからないところがあれば、「もう一度言って」「〇〇って何?」と質問するでしょう。冒頭で説明したアクティブ・リスニングが自然とできているのです。
ある程度の年齢にならないとできない遊びですが、他人になりきるのは気持ちを理解すること、わかりあうためには大切です。慣れてきたら、子どもの真似をして立場を交換し、会話してみるのも楽しいですよ。
まとめ
なかなかわが子が理解できない…というお悩みは、よく聞かれるけれど「今さら悩みにできないもの」です。わが子を理解できないのは、ダメな母親かもと落ち込んでしまう方もいます。
ですが、理解力を高めるためには日々のちょっとした意識だけで構いません。特別な座学も勉強する時間も必要ないため、ぜひ今日から始めてみてくださいね。