育児ストレスで過食に…「食べすぎる」罪悪感をなくすためには?

育児ストレス 過食

24時間365日続く育児。昼夜問わずママは家事に育児にと大忙しで、ストレスフルな毎日を送っています。

そんな中で蓄積するのが育児ストレス。ストレスはさまざまなからだの不調を起こしますが、体重の増減や罪悪感の強い「過食」は一度引き起こるとママにとって大きな問題になります。

今回は育児ストレスからくる過食とは何か、過食症状を改善する方法を解説します。食べすぎとは異なる過食に悩むママは、ぜひ参考にしてくださいね。

育児ストレスの過食が抱える問題

ワーママ

育児ストレスは頭痛や腹痛などからだの不調の原因となりますが、過食もその一つ。授乳期に食事量が増えて、そのままストレス解消のために過食が始まった、ストレスをぶつける先がなくて過食に走ってしまうというお悩みは、実は結構な人数のママが抱えています。

まずは育児ストレスと過食の関係性を知っておきましょう。

過食とは

過食とは、正しくは食物依存症(過食性障害)という病気です。端的にいうと食事の量が自分ではコントロールできず、悪影響があるとわかっていてもやめられないのが過食の典型的な症状。食べた後に嘔吐が伴う場合とない場合があります。

また、過食の特徴として「家族や周囲にバレないように過食する」ということが挙げられます。育児中のママの場合、パパに隠れて食べ物を買い込み食べすぎてしまう、子どもがいないときに過食してしまうというのが問題です。

過食は体重増加や偏った栄養の食事を続けることで他の不調をきたす、食べたあとの強い罪悪感などで繰り返しやすいです。年齢や性別を問わず、だれしも発症する可能性がある病気となっています。改善するには過食の原因となるストレスを取り除く心理療法が一般的で、程度によっては自分の意思で治せる症状でもあります。

育児ストレスは「軽減」するのが難しい

育児ストレスからの過食は、多くの場合が授乳期の栄養を多く必要とする時期に食事量を増やし、そこから戻らず食事の目的が「ストレス解消」になってしまうために始まることがあります。そのほかにも、食べることが元々好きで、イライラすると甘いものやお菓子などを食べて解消することがクセづいてしまうママも陥りやすいでしょう。

育児ストレスの過食が抱える問題は、育児ストレスは軽減するのが難しい点にあります。「ストレスの原因を取り除く」といっても、目の前の育児は結局ママがやらないと解決しないことも多く、育児に休憩は基本的にはないことから、ママは過食で悩みやすいでしょう。

一方で、食べないと育児がままならないのも事実です。ホルモンバランスの影響で授乳のために多くの栄養を必要とする時期は、普段食の細い方でもたくさんの食事量となることが一時期的にでもあります。本来ならストレスがたまりやすく食事の栄養バランスにも気を配らなければならない時期である育児中ですが、忙しくて自分のことを後回しにしてしまうがために、過食が長引き悩みの種になることも多々あるでしょう。

子どもに影響が出ることも

育児ストレスからの過食は、そもそもママ自身が罪悪感によって悩まされるうえに、子どもにイライラが募りやすいのも問題です。過食に対するストレスを子どもにぶつけてしまい、常にイライラしてしまうしストレス解消のためにさらに過食が進んでしまう…と悪循環に陥ることも珍しくありません。

子どもが笑顔でいられるのは、ママが我慢してこそではありません。「ママが笑顔でいられるからこそ」です。まずは自身の過食に悩むママは、自分の育児ストレスと向き合い、子どもの前では笑顔でいられるようセルフケアに集中しましょう。

ママが過食を改善する方法とは?育児ストレスの向き合い方

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では、解消しづらい育児ストレスからの過食がある場合、どのようにして改善していけばよいのでしょうか。ママのストレスと向き合ってきた当サイトの視点で、育児ストレスの解消法を解説します。

育児ストレスの原因をはっきりさせる

まずは育児ストレスの原因をはっきりさせましょう。自分の過食がすべて悪い、私が全部悪手を取っていると決めつけず、何がイライラする原因なのかを考えてみます。

  • 子どもの授乳が大変で、ゆっくり休めていない?
  • 周囲の手をうまく借りれず、限界が近い?
  • 育児で不安なことがあり、それが解決できていない?

など、過食とは異なる点での育児ストレスの原因がいくつか考えられるはずです。

もし子どもの授乳が原因で自分が疲れてストレスが溜まっているのなら、断乳や卒乳を考えてもよいでしょう。育児が大変なら、託児所や施設の利用も検討できます。

また、育児ストレスにかかわらずストレスの主な原因は自分一人でため込むことです。周囲に相談できないか、育児を代わってもらい負担を減らせないかを一度見直すのもおすすめです。

自分と向き合う

次に、自分を向き合うために実際にメモに残し書き起こしてみます。紙とペンを用意し、以下の項目について考えてみましょう。

  • どうしたら、もっと気持ちよくなれるだろう?自分が納得できるだろう?
  • 今の状況で、できることは何だろう?
  • 今のわたしの正直な気持ちって?
  • わたしの味方になってくれる人は、誰?

頭で考えるよりも、書いてみることで本当の意見にたどり着けます。

就寝前のほんの一瞬でもよいので、時間を作って自分と向き合ってみましょう。取り繕わず、正直な自分の気持ちを明かすのが大切です。

すると「やっぱり家族に相談して手を借りよう」「もっとこうしたら自分にとって心地よいかも」と、別の視点での解決法が見つかるかもしれません。

過食以外のストレス解消法を見つける

育児ストレスを解消するには、過食以外のストレス解消法を見つけるのが近道です。できれば「何かが食べたい」という思考に陥らないような、集中力を高める趣味がよいでしょう。

産前に好きだった趣味をまた始めるのも良いですし、育児と両立が難しい趣味なら自宅で簡単にできるもので構いません。映画や本を読む時間を作ったり、からだを動かすゲームなどでもかなり気分はすっきりするはずです。

どうしても集中力が続かない、そんな時間もないと悩む場合は、マインドフルネスがおすすめです。

当ブログでもマインドフルネスを詳しく解説しているので、ぜひ日常に取り入れてみてくださいね。

育児ストレスを軽減させるには?

好奇心

育児ストレスを軽減し過食を改善するために、できることを3つにまとめました。一つずつチェックしていきましょう。

協力者を増やす、パパに相談する

一番の近道は、ママの代わりに育児をお任せできる協力者を増やすことです。一番身近なのは一緒に暮らすパパなので、できるなら過食があることを打ち明け「子どもの面倒が見れないから」と子どもを主語にするのではなく「私がたった今辛い、これ以上過食が進むとどうなるかわからなくて不安」と自分を主語にしましょう。

もしパパが仕事で頼れない場合は、自治体の育児相談窓口や病院、民間の育児相談窓口を利用してもかまいません。地域の担当保健師さんに相談すると、適切な窓口を案内してくれることもあります。このときも必ず自分を主語にし、周囲に正しくSOSを出しましょう。

一人の時間を積極的に作る

育児ストレスを軽減するには、自分と向き合う時間や気分をリフレッシュする時間が必要です。育児から少し離れて一人の時間を作ってみましょう。

保育園やベビーシッター、両親やパパに子どもをお願いして一人でお出かけするでも構いませんが、たった一度きりの一人時間ではなかなかストレスは解消できません。定期的に育児のお休みを作り、ゆっくりと育児ストレスを軽減させていきましょう。

家事代行や時短家電に頼るのも◎

家事の負担を減らして育児ストレスを減らすのなら、家事代行や時短家電に頼ってもかまいません。例えば乾燥機を使って洗濯物を干すことをやめると、その分育児にも余裕ができますしママ1人の時間も作れます。

どうしても外部に委託すると、費用がかさんで「もったいない」というイメージがあるかもしれません。しかし、過食が続くと健康に対してお金がかかるのもママが苦しむ時間が増えるのも事実であるため、「今だけ」と割り切って費用をかけてみるのもおすすめです。

まとめ

育児ストレスからくる過食は、強いストレスがママにかかった状態を表しています。過食は強い罪悪感を伴うため、ストレスをさらに増やしてしまうでしょう。

育児ストレスとは今は強く感じていても、子どもの成長やママ自身の慣れから緩和していくことがほとんどです。たった今の大変な思いは自分を大切にすることで問題と向き合い、親子の笑顔のために適切な対応をしてくださいね。

【参考】

育児ストレスで過食してしまいます|医師・専門家が回答Q&A|ベビーカレンダー

食物依存症(過食性障害の治療方法|銀座心療内科クリニック

育児ストレスで過食してしまうのはなぜ?食欲増加をコントロールする秘訣 | ウェルカムベビー

ABOUT US
【監修】久保田 由華久保田 由華
公認心理師、臨床心理士。
NY州立大学にてメンタルヘルスカウンセリングの修士号修得。NYCのNPOにてアシスタントサイコロジストとして勤務後帰国。
大学、クリニック、心理相談室等で勤務。7000ケース以上のご相談を担当。

心の相談室こころラボを設立し、カウンセリング以外にも子育てママのためのセミナーやスクール、ママのためのオンラインコミュニティを運営。