小さな子どもは「褒めて欲しい!」という思いが先行して、ついつい自慢話や高慢な言い方になってしまうことがあります。
ときどき「○○ちゃんよりも私はできるよ!」「ママ、見て見て!」と強い承認欲求が見られることもありますが、頻繁に起こると対応するママにとってもストレスになりますよね。なぜ子どもは自慢話が多いのか、相談するにもしづらい「子どもの承認欲求」について今回は詳しく知っていきましょう。
子どもの承認欲求の正体や、承認欲求が強いとどうなるのかを解説します。
子どもの承認欲求が気になる…。自慢話の正体とは?
子どもと話していると、自慢話の多さや「褒めて欲しい」という欲求の伝え方がストレートな部分が気になることがあります。ママの中では「うちの子、承認欲求がすごく強いかも」と不安になる方も少なくありません。
しかし、前提として子どもの承認欲求は当たり前のことです。まずはこの子ども特有の自慢話の多さ、承認欲求について紐解いて考えてみましょう。
承認欲求とは
承認欲求とは、「誰かに見て欲しい」「話を聞いて欲しい」「褒めて欲しい」と思う欲求のことです。アブラハム・マズローが定義し、人間の根源的な5つの欲求のうちのひとつと言われています。
このマズローの欲求は誰しもが持っているものであり、決しておかしな感情ではありません。子どもに限らずママを含める大人にも承認欲求はあり、自然なことです。しかし、いつでも注目の的になる、万人から褒められてたたえられる人物を目指すのは難しいもの。そのため、だれしもが承認欲求を持っていながら自分で調節する理性を働かせています。
問題となるのは、強すぎる承認欲求です。強すぎる承認欲求があると満たされないことで自分自身を苦しめたり、周囲にアピールしすぎることで不快な思いをさせてしまいます。強すぎる承認欲求には、良い影響だけではないことを頭に入れておきましょう。
子どもの自慢話が多い!なぜ?
本記事の主題である「子どもの承認欲求」ですが、我が子の承認欲求を感じる場面はママならたくさん見つかるかもしれませんね。
- 「○○ちゃんよりもたくさんできることがある!」という自慢話が多い
- 「ママ、見て見て!」とアピールが強い
- 誰かが話していることを遮って自分の話題にする
これらの子どものアピールには、実は深い意味はありません。
子どもは「褒められたい」「ママにもできたことを伝えたい」と思う感情がとても素直です。結果として自慢話になってしまっただけで、自分が嬉しかったことを伝えているだけにすぎません。
承認欲求は抑えるべき?承認欲求が強いとどうなるの?
承認欲求は当たり前の感情ではあります。しかし、あまりにも頻度が多いとママとしては「他の子に対して失礼になるのではないか」「我が子が恥ずかしい思いをするのではないか」と悩んでしまいますよね。
そこで、子どもの承認欲求は抑えるべきなのか、強いとどうなるのかを解説します。
親の褒め方でも承認欲求は左右される
承認欲求が強い子、いわゆる自慢話が多い子になるかどうかは「親の褒め方」が影響することもあります。
例えば、なんでも手放しで褒め続けると子どもにとっては「もっと褒められたい」と褒められることが目的化してしまうのです。結果として、「絵が描けた」だけで褒められることなのに「○○ちゃんよりも上手に描けたよ。すごいでしょう?」と自慢話になってしまいます。
子どもを褒めること自体は素晴らしいことです。しかし、褒めるというのは簡単なようで難しく、時には子どもの承認欲求を左右することになるため、効果的なタイミングと方法を見極める必要があります。
子どもを「褒める」についてはこちらの記事を参考にしてください▼
承認欲求が大きいのは愛情不足?
また、子どもの承認欲求が強いと「もしかして子どもへの愛情が伝わっていないのでは」と不安になるママもいます。子どもの見て見てアピールが強い、自慢話が多くお友達の輪に入れない…その原因は自分かもと思い苦しむママも多いかもしれません。
確かに、子どもの「見て見て!」を後回しにしすぎると、子どもの承認欲求は満たされません。また、どんなに大げさにママに伝えても子どもが求める「褒める」ことをしなければ、承認欲求は高まると考えられるでしょう。
承認欲求が強いとどうなるの?
ではこのように承認欲求が高い子どもだとどうなるのでしょうか。
- 自慢話が多く周囲に不快な思いをさせる
- 人の話を遮るため最後まで話を聞けない
- アピールが多く一緒に過ごすママにもストレスになる
基本的に、好奇心旺盛な子どもは承認欲求が強い時期です。そんな時期に欲求を満たす「褒める」「認める」行為をしぶらず、子どもに答えてあげることがポイントになるでしょう。
周囲から嫌われてしまう…と心配になるママもいますが、何よりも大切にしたいのは一緒に過ごすママのストレスです。子どもの承認欲求に目を向けると、適した子どもへの向き合い方も見えてくるため今一度親子のコミュニケーションを見直してみるのもおすすめできます。
子どもの承認欲求との向き合い方
子どもの承認欲求とはどのように向き合えばよいのでしょうか。
- 正しい褒め方
- 見て見て!の対応法
- 子どもとの向き合い方
以上の3つのポイントを解説します。一つずつ見ていきましょう。
褒めるときは過程から褒める
子どもに褒めるのは難しい、褒め方によっては承認欲求を高めてしまう…。だからと言って子どもに褒めるのをやめるというのは極端な考え方です。
何か頑張ったことやできたことがあれば、ママは褒めても大丈夫。子どもと一緒に成功を喜べるとよいですね。
ただし、褒めるときは「条件付け」で褒めるのはNGです。例えば、
- キレイな絵を描けたから褒める
- 鉄棒ができたから褒める
- 満点を取れたから褒める
このように褒めるのに「結果が出たから」褒めるという条件を設けてしまうと、子どもは自分自身が褒められたのではなくその結果をママが褒めたと認識してしまいます。
もちろん素晴らしい結果が出せたのは良いことですが、結果だけでなく頑張った過程も褒めましょう。何も結果が残せなくても、取り組んだそのことが褒めるべきポイントです。
「見て見て!」には短時間だけでも対応する
子どもの「見て見て!」に忙しくて反応できないというママは多いですが、これは単純に「ママに見て欲しい」と思っているもの。短時間でもよいので対応できると、子どもはしっかり満足します。
「ママ!」と呼ばれたら少しでいいので目を向け、会話をしましょう。実はささいな時間でも子どもは納得してくれます。「後で見るね」とじっくり対応したいからこそ後回しにするのではなく、「なになに?見せて」とすぐにママも興味を持ってあげましょう。
子どものありのままを認める
子どもの承認欲求には自慢話も含まれます。しかし、「そんな言い方しないの」と子どもを否定するのではなく「○○ちゃんよりもできていなくても、あなたは十分そのままですごいよ!」とありのままを認めましょう。
無条件で子どもを受け入れることで、子どもは次第に承認欲求が満たされていきます。今は自慢が多くて高慢な態度に見えるかもしれませんが、だんだん周りとのコミュニケーションや言葉選びが上手になるでしょう。ママは、根気強く子どもの等身大を褒めて伸ばしていけるとよいですね。
まとめ
子どもの承認欲求とは、現れ方はさまざまですが誰しも持っているものでおかしなことではありません。ただし、行き過ぎる承認欲求は一緒に過ごすママにとっても負担になるため、上手に向き合って子どもを認めていきましょう。
今、子どもの承認欲求に悩んでいても次第に落ち着くことがほとんど。子どものありのままを認められているか、今一度見直してみてもよいかもしれませんね。
【参考】
【承認欲求が強い子どもの5つの原因】親が子育てをする際のコツも解説 | 【公式】無学年式オンライン学習教材『すらら』
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