何度言っても直らない子供のいたずら。ずっとぐずって言うことを聞かない…。育児あるあるの場面ですが、そんなときにイライラしてつい子供に怒鳴るなんてことはないでしょうか。
声を荒げたり語調を強めて叱るのは、決して珍しいことではありません。ですが、できるなら子供に怒らず言い聞かせをしたいですよね。今回はイライラして怒鳴ることが育児にどう影響するのか、また怒鳴らないためにママができることを解説します。
子供にイライラして怒鳴るのはよくあること。なぜ怒鳴るの?
育児は常に楽しくにこやかにできるものではありません。子供を育ててみて、初めてそのストレスの多さに気付けますよね。
中には「いい加減にして!」と大きな声で怒鳴ることも。私自身も子供を育てるママの一人ですが、怒鳴ってしまったことは何度もあります。まずはその原因を探ってみましょう。
小さなことが積み重なってママの中で爆発するから
ほんのささいないたずらでママが怒鳴ることはない。そう思うかもしれませんが、意外とちょっとしたことでストレスは爆発してしまうものです。心理学では、怒りの感情をよく「バケツに入った水」として例えることがあります。
バケツはママの怒りのリミット。溜まる水はイライラです。バケツが空に近いと余裕があるので怒りを抑えるのも簡単ですが、満杯近くまで溜まっているとちょっとしたことで怒りは溢れてしまいます。
このように、つい「子供に怒鳴っちゃう」というママは日常的なストレスが多いのかもしれません。小さなことで積み重なれば無視できないイライラに変化します。
ママが育児や仕事、家庭のことで疲れている
気持ちと体調は深く結びついていて、疲労しているママほどイライラして怒鳴ってしまう傾向にあります。特に手がかかりママの休息もままならない乳児期や、イヤイヤ期、トイトレなど新しいチャレンジをする時期には疲れが溜まりやすいです。
他にも、「なんだか最近イライラする…」という場面では、お引越しがあったりママが働き始めたりと環境に変化はなかったでしょうか。こうした育児以外での疲労もイライラする原因なので、「疲れているな」と感じたら「自分は普段よりもイライラしやすい」と自覚しておきましょう。
子供との向き合い方に慣れていない
子供はとてもかわいいのに、イライラして怒鳴る。これは私だけ?と悩むママもいるかもしれません。ですが、子供との向き合い方に慣れているママなんて一人もいないのです。
特に初めての育児は余裕がなくて当然。きょうだい育児だとしても、子供の年が近いとそれはそれで大変ですし、年が離れていると育児のブランクを感じて悩むことも増えます。
頭に入れておきたいのは、子供にイライラして怒鳴るというのは育児中決して珍しいことではない点です。自分だけおかしいのかな、と思わずよくある悩みの一つだと認識し、ママ自身を責めないようにしてくださいね。
イライラして怒鳴る!子供はどう受け止める?
育児中イライラして怒鳴ると、子供はどう受け取めるのでしょうか。怒鳴ることがなぜ悪いのか、また子供が受ける影響を正しく知っておきましょう。
「ママが怒った」「怖い」としか考えない
子供に怒鳴ると、一瞬いたずらややめて欲しい行動を止めます。一見躾がうまくいったような気がしますが、子供はこのとき「ママが大きな声を出してびっくりした」としか考えません。
最もママが伝えたいのは、
- お片付けをちゃんとして欲しい
- 今宿題を終わらせて欲しい
- 危ないから道路に飛び出さないで欲しい
といった「なぜママが怒っているのか」ですよね。怒鳴るとその大きな声を出す乱暴さばかりに子供は目を向けてしまい、本質的なママの言葉がうまく伝わりません。
自分に自信がなくなる、自己肯定感が低くなる
子供に危険が及ぶ場合やとっさの判断で怒鳴ることはよくあります。ですが、怖がる子供を無視してひどく当たっていると、「どうせ何をやってもママは怒る」と子供はやる気や自信をなくしてしまいます。
育児において、自分に自信を持ち自分を肯定できる「自己肯定感」は大切な要素です。みなさんも「子供には自己肯定感を高く持って欲しい」と願っているのではないでしょうか。
ですが、怒鳴り子供を威圧して育てていると、自己肯定感を反対に低めてしまいます。子供の健やかな心身の成長を考えると、怒鳴って言い聞かせするよりも他の手段を使った方がよっぽどうまくいくのです。
過度に怒られることが続くと悪影響も
何度も怒鳴ることが続くと、脳に影響が出ることもあります。単純に大きな声に晒されて聴覚が弱くなるだけでなく、知能・理解力にも悪影響が出る可能性もぬぐい切れません。
東北大学の瀧靖之教授は親が怒鳴ることが子供の脳にどう影響するのか、以下のように伝えています。
「あまりにも強く叱りすぎるなど、不適切な言葉がけを繰り返すことが、子どもの脳に悪影響を与えるのは間違いない」
脳が変形するって本当!? 子どもの脳を傷つける “親のNG行為”
だからといって「一度怒鳴ってしまった。子供の脳が変形するかも…」と必要以上に心配することはありませんが、怒鳴るのが癖になっている場合は早急に育児の方法を見直さなければなりません。
怒鳴るのをやめるために。ママができる5つのこと
怒鳴ってもママの気持ちは子供に伝わらず、さらに怒鳴ることに慣れてしまうと子供の健やかな成長にも影響が出ます。このブログでも、怒鳴らず子供に言い聞かせする方法をお伝えしてきました。
今回はママが怒鳴らないための5つのコツをご紹介します。すぐに実践できることなので、ぜひ試してみてくださいね。
①子供の目線になって考える
まずは子供の目線になって考えることです。「どうしてお片付けしないんだろう?」「ご飯をこぼすんだろう?」「食事の水をぶちまけるの?」こうしたママが理解できない子供の行動は、目線を変えると理解できます。
目の前のことが楽しくて、ママからの言いつけを忘れているのかもしれません。もしかすると時間が足りなかったり難しかったりして、ママからの要求が達成できないのかもしれませんね。まずは子供に対して理解度を深め、「どうしてこんなことをするんだろう?」と考えてみることが大切です。すると、子供の行動や思いが少しは分かるようになり、怒鳴るよりも他の方法が見つかることもあります。
②子供の「甘えたい気持ち」を受け止める
ママがイライラするとき、それは子供が「こっちを見て」「構って」とサインを出しているときかもしれません。子供の泣き声がずっと聞いていたくなるような穏やかなものだったら、親は泣き止まそうとはしないはずです。
ふと立ち止まって考えてみて、「靴はくの手伝って」「お洋服ママが準備して」など子供が甘えたいサインを出していないかをチェックしてみましょう。子供がママをイライラさせるのは、何も困らせたいからではありません。
③先回りしてママの思いを子供に優しく伝える
少し成長した子供だと、先回りしてママのお願いや気持ちを伝えてもOKです。
- 今日は〇時におうちを出たいから、早くお着替えして欲しいな
- ここはキレイにしておきたいから、汚さないようにしてね
- 今日、ママは頭が痛いんだ。静かに○○で遊んでくれたら嬉しいんだけどどうかな?
だからといって一度で子供は言うことを聞くとは言い切れませんが、先にママが考えていることを伝えると子供もうまく振る舞えます。何かを頼むときには「お願いする」言葉がけで、また基本的には子供に選ばせる提案の形をとると、イライラせずに言い聞かせできます。
④「怒り過ぎちゃった…」と思ったらママから謝る
それでもイライラして怒り過ぎちゃったときは、ママから「ごめんね」をしましょう。子供に謝る姿勢を見せるのは効果的ですし、子供との仲直りのきっかけにもなります。
謝るのは怒りの感情が収まってからで構いません。子供に対する罪悪感も少なくすることができます。
⑤子供と楽しくスキンシップを。心に余裕があるときでOK!
イライラする時期というのは、育児をしているといつかは訪れるもの。ずっとにこにこはできないですよね。子供に怒鳴ってしまいそうになる分、時間や気持ちに余裕があるときはいつも以上に子供をかわいがりましょう。
お仕事、家事・育児で忙しいママは、お休みの日や寝る前のひとときだけでも構いません。ママがにこやかに接する時間に子供とスキンシップを取ると、それだけで親子互いに安心できます。
まとめ
子供にイライラして怒鳴る…。できれば控えたいものですが、怒らず子育てするのは難しいものです。もし怒鳴ってしまっても、その後繰り返さないようにすればOK。ご紹介した怒鳴らないためのコツも活用して、親子で楽しく過ごせるよう工夫してみてくださいね。
【参考】