妊娠すると、多くの人が経験するつわり(悪阻)。どんな症状が出るのか、いつ始まっていつ終わるのか、色々と不安や心配も出てきますよね。
そこでこの記事では、つわりの時期や原因、症状、辛いつわりを乗り切るための対策について解説していきます。つわりに対するモヤモヤを解消し、自分に合った方法を見つけて上手に付き合っていきましょう。
つわり時期はいつからいつまで?つわりが起こる原因は?
つわりは妊娠中に多くの人が大なり小なり経験するものです。辛い人にとっては、いつまで続くのか不安に感じることでしょう。つわりは一体どのくらいの期間まで続くのでしょうか。また、つわりが起こる原因についても見ていきましょう。
つわりの時期はいつまで続く?
一般的につわりの症状は5~6週から始まり、8~10週をピークとし、12週頃には落ち着いてくるとされています。遅くとも15~16週には治まることがほとんどです。早い人だと、月経開始予定日前後の妊娠超初期の段階でも症状がでることもあります。つわりの症状が出てくることで、お腹の中の小さな存在を意識することになるでしょう。
いずれにしても妊娠初期だからこそ、無理をするのは禁物です。
つわりが起こる原因は明確になっていない
つわりの原因としてハッキリとしたことは分かっていません。原因として考えられているのは、妊娠初期に胎盤から分泌されるhCG(ヒト絨毛性刺激ホルモン)の影響です。hCGの分泌量のピークとつわりのピーク時期が重なっていることから、このホルモンの分泌がつわりの原因だというのが、有力な説だとされています。
つわりは個人差が大きい
つわりと一口に言っても、個人差は大きいです。全くつわりがなく過ごす人や妊娠中ずっと辛いつわりに悩まされる人もいます。つわりの重さや程度もそれぞれです。
ホルモンのバランスや分泌、精神的背景や身体的状態が大きく左右しています。また同じ人でも、一人目の妊娠中と二人目、三人目では異なることも多いです。
つわり(悪阻)にはどんな症状がある?
つわりの症状にはどのようなものがあるのでしょうか。具体的な身体的症状について見ていきます。
吐く・吐き気
妊娠中のつわりの主な症状は、胃や胸がムカムカして吐いたり、吐き気を感じたりすることです。空腹になると吐き気を感じることから食べないといられない「食べづわり」や食欲があっても食べると吐いてしまう「吐きづわり」があります。全く食欲がなくなってしまうこともあります。
においに過敏
妊娠前は気にならなかった香りに敏感に反応して、不快に感じてしまう「においづわり」という症状があります。
例えば、炊きたてのご飯の匂いや煮物の湯気などです。さらに、洗濯洗剤やシャンプーなどの香りも体が受けつけないことがあります。つわりの時期はできるだけ使うものを選び、刺激の強い香料の入ったものは避けた方が良いでしょう。
眠気・だるさ
妊娠によるホルモンバランスの変化によって、眠気やだるさを感じる人もいます。寝ても眠気が残りずっと眠い、起きているときでも、体がだるくて重く感じるなどの症状が出ます。
お腹の赤ちゃんからの「体を休ませて」のサインでもあります。眠気やだるさに逆らわずに、横になって体を休ませましょう。
イライラ・頭痛
人によっては常にイライラしたり、頭痛を感じたりすることがあります。いつも以上に心に余裕を持てるようにスケジュールを詰めすぎず、ゆったりとした日常を過ごすようにしましょう。
体を軽く動かして気分転換を図るのも効果的です。ウォーキングなどのリズム動作や体を緩ませるヨガで心身をリラックスさせるのも良いでしょう。
辛いつわり時期を乗り切るための対策
辛いつわりを少しでも緩和させて、楽に過ごしたいですよね。辛いつわり時期を乗り切るためのすぐに簡単にできる対策をあげてみました。ぜひ参考にしてみてください。
こまめに水分補給
食べづわりや吐きづわりなどの症状があると、体内の水分や塩分が失われて、脱水状態に陥りがちです。さらに口渇や喉の違和感を生じることもあります。こまめに水分を摂取し、不足しがちな水分を補いましょう。
その際、電解質を含んだスポーツ飲料などが良いです。また炭酸水はのどごしが良くスッキリするので、つわりの妊婦さんによく飲まれています。炭酸水で割るお酢なども色々とあるので、組み合わせてみてもいいですね。
気分が悪くてどうしても水分が摂れないときには、氷を口に含んでみてください。冷たい氷をゆっくり口の中で溶かすだけでも、水分を補う助けになります。
食べられるものを口にする
つわりの時期は食欲があっても食べられなかったり、食欲がなかったりします。この時期は栄養のバランスはあまり考えなくても大丈夫です。つわり時期のお腹の赤ちゃんは、それほど多くの栄養を必要としていません。必要なだけの栄養はきちんと赤ちゃんに優先的に届いています。
ですから何も食べないよりは、食べられるものを食べられるタイミングで口に入れましょう。飴やガムなど手近に置いておいて口にすることで、空腹感からくる吐き気をしのぐことができます。
食べやすい食品を常備する
つわりが辛い時期は食事の準備をするのも難しかったり、億劫だったりします。家にすぐに食べられるものや軽くつまめるものをストックしておくと良いです。もしも調子が悪くて動けず準備できないときも、焦らず対応することができます。
特に朝起きたときや空腹時につわりの症状が酷くなることは少なくありません。そんなときにも、すぐに口にできるものを常備しておけば、安心ですね。
- 軽くつまめるクラッカーや健康補助食品
- 喉ごしの良いエネルギーチャージのゼリー飲料
- レンジですぐにできるレトルト食品
においや香りをできるだけ避ける
においづわりの場合、嫌悪感を生じる臭いや香りをなるべく避けることが大切です。外出時は、様々な臭いに触れます。マスクを着用することで、臭いによって気分が悪くなるのを幾分防ぐことができます。
また温かいものは臭いや香りを感じやすいので、冷まして食べるようにすると良いです。温かいご飯の香りが気になって食べられなかった場合も、冷ませば食べられるようになることが多いです。
家でたばこを吸わないようにしてもらう、洗剤やシャンプーは無香料や香りの優しいものを選ぶ、生ゴミはすぐに処理するなど生活の中でも工夫しましょう。
無理せず休む
つわりの時期は無理をせず、心身を休ませるのが鉄則です。妊娠中の心身の変化は著しいものです。その著しい変化についていけないこともあるでしょう。だからこそ、妊娠による体の不調を周囲に理解してもらいながら、お腹の赤ちゃんと自身の体を第一に考え、十分に労り、休ませることが必要なのです。
まとめ
つわりは5~6週から始まり、8~10週がピークです。12週頃には落ち着いてきて、遅くとも15~16週には治まることが多いです。つわりには個人差が大きく、ホルモンの分泌や精神的・身体的状態が関与しているとされています。つわりの症状や程度は人によって異なるので、自分に合う対策を見つけて実践していきましょう。
つわりの症状としては | つわりを乗り切る対策として |
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つわりはお腹の中の大切な命を育むための過程です。つわりが全くなく過ごす人もいますが、多くの人がつわりを経験します。生まれてくる赤ちゃんのためにも、ゆったりとした気持ちで余裕を持って過ごすことが大切です。
つわりの症状が出て心身に不調を感じたら、無理をせずにゆっくり休み、自分のペースで生活するようにしましょう。つわりに特効薬はありませんが、症状を和らげることは可能です。つわりの時期を少しでも楽に過ごせるよう、上手く対策して、乗り切っていきましょう。
【参考】
エナレディースクリニック 「妊娠中の『つわり』はいつから?つわりの原因と症状を軽減する方法」