子どもへの叱り方に悩むパパママは少なくありません。子どもが失敗しても、傷付かず前向きに取り組めるようになる叱り方はあるのでしょうか。
子どもが素直に聞き入れられるようになる叱り方をマスターして、子どもも親もポジティブな気持ちで向き合えると良いですね!子どもを叱ることについての必要性や、叱り方の4つのポイント、叱るときの注意点などを紹介します。
子どもへの叱り方に悩むパパママは多い
子育てをしていると、必ず子どもを叱るシーンはやってきます。子どもへの叱り方に悩むパパママは少なくありません。まずは、「叱る」という行為について、その必要性や「怒る」との違いを整理してみましょう。
「叱る」ことの必要性は?
子どもを叱ることは必要なのでしょうか。答えはYESです。子どもを叱る目的は3つあります。ひとつは、子どもの安全を守るためです。例えば、子ども一人で突然道に飛び出してしまうと、車に轢かれて大怪我をしたり、命を落としてしまう可能性があります。そんなとき道路へは飛び出さないように叱る必要があります。
もうひとつは、周りの人の安全を守るためです。ハサミの刃を相手に向けたまま渡そうとすると、何かの拍子で相手を傷つけてしまうかもしれません。そんなときは、ハサミの持ち方を教える必要がありますよね。
社会のルールを守るためにも、子どもに叱る時があります。順番を守ったり、譲りあったり、物を奪ってはいけないことなどができないときなどが、これに当てはまります。親は、子どもが社会のルールを守り、子ども自身が生活しやすくなるように導きます。
褒めて育てましょうと育児書に書かれていると、子どもを叱ると、その度に自分が間違ったことをしているような気になり、自信がなくなってしまうという方も多いものです。しかし、叱るというのは、子どもの行為を改めさせるためにする注意のことです。
叱ることは育児をする上で大切で、時として必要なことであることを忘れてはいけません。育児書に褒めて育てましょうと書かれているのは、育児をする上で、子どもを褒めることを忘れずに、という意味です。叱ることを「悪」だとするものではありません。
「叱る」と「怒る」の違いは?
「叱る」と「怒る」は似ているようで異なるというのをご存じでしょうか。叱るというのは、相手のためにアドバイスをすることです。叱られた相手には、何かしらのメリットが生じます。一方で、怒るというのは、自分のイライラや焦り、不満などを感情的にぶつけることです。相手にとってメリットがないのが特徴です。
叱るときに怒ってしまうと、子どもは怒られたことを強く感じ、せっかくのアドバイスが子どもの心に届きにくくなってしまいます。子どもを指導するときは、怒るのではなく叱るように心がけてみましょう。
こちらの記事でも「叱る」と「怒る」の違いについてお伝えしています。
https://cocololabo.com/blog1/210321-2/
子どもの叱り方4つのポイント
子どもに叱ろうと思っても、つい感情的になって怒ってしまうという方や、子どもの叱り方が分からないという方は、子どもの叱り方のポイントをチェックしてみてください。ポイントを知っているだけでも、上手な叱り方のヒントになりますよ。
目を見て話す
子どもの叱り方で大切なのは、きちんと目を見て話すことです。子どものほうを見もせずに叱ったとしても、子どもの心には届きません。
目は口ほどにものを言うというように、目は心を映し出す鏡です。子どもの目を見て話すことで、こちらの本気を伝えましょう。子どもの感情の理解にも役立ちますよ。
なぜ叱るのか明確な理由を話す
叱るというのは、アドバイスです。子どもに叱るときは、なぜ叱っているのかを伝えることが一番大切です。
どこが叱らなければならない部分だったのかを分かりやすく伝えることで、子どもは自分のどこを改善すべきかを知ります。アドバイスは、子どもの「気付き」に繋がりますよ。
改善方法を一緒に考える
子どもは叱られるまで、自分がいけないことをしたという認識がありません。叱る理由を説明したら、今後どうしたら同じことを繰り返さないようになるのか、一緒に考えてあげてくださいね。
一緒に考えてあげることで、子どもは叱られたあとでも、孤立感を感じずに済みます。
反省や改善が見えたら褒める
叱った理由を聞いて、子どもが反省や態度を改めようとするようなそぶりを見せたときは、しっかりと褒めてあげてください。
自分が自分を認めてあげられる自信を自己肯定感と言いますが、しっかりと褒められることで子どもは自信を取り戻し、叱られても子どもの自己肯定感が下がりません。
子供を叱るときの注意点
子どもを叱るときは、いくつか注意点があります。子どもの自信やプライドを傷つけないためにも、大人が気を付けて注意点を守ってあげてくださいね。
大声や暴力で訴えない
大きな声や暴力、無視などの威圧的な言動は、子どもの心を傷つけるばかりか、子どもが恐怖から委縮してしまいます。子どもを叱る場面で大きな声を出したり、力で訴えたりしてしまうと、子どもは何を叱られているのかが理解できず、同じことを繰り返してしまいます。怒っている人は、「前にも叱ったのに」とさらに怒りを倍増させてしまい、育児がうまくいかないと落ち込む原因にもなります。感情的になりそうなときこそ、ひと呼吸おくことを忘れずに。
叱る大人が冷静にならなければ、子どもも冷静にはなれません。大声や暴力、無視などのアプローチではなく、冷静に何がいけなかったのかを説明してあげると伝わりやすくなります。
人と比べない
子どもを叱るときに、ほかの子どもや兄妹と比べてしまうと、子どもは劣等感を感じてしまいます。周りとの優劣が気になると、友達や兄妹ができたことに素直に喜べなくなったり、評価の基準が常に他人と比べた結果になったりしてしまうことも。
比べるなら、子ども自身の過去と比べることがポイントです。叱るときは、「以前よりもできていない」という視点ではなく、「以前できたのは、どうしてだったと思う?」という成功体験を思い出させるように誘導すると、子どもの自信にもつながります。
不安をあおらない
叱るときに「○○できないと、将来○○になっちゃうよ」や「○○できないと○○になれないよ」というような、子どもの不安をあおる言い方は要注意。子どもは不安感が強くなり、失敗してしまったときに、失敗したできない自分に嫌悪感を抱いてしまう可能性があります。
前述したように、叱るときは、同時に改善策を一緒に考えてあげることが大切です。失敗してもリカバリーできることを学ぶと、くじけない強い心が育つようになりますよ。
また、子どもの自己主張が強くなる2歳の子どもの叱り方のポイントについては以下のコラムでご紹介しています。
https://cocololabo.com/blog1/210325-2/
要注意!毎日の小言は叱るのと同じ!
特に、子どもの生活習慣は、一度叱っただけですぐに改善しないことが多くあります。例えば、おもちゃが出しっぱなしになっていたり、忘れものをしてしまったり。毎日のことなので、ついつい「何度いったら分かるの?」と小言を言ってしまいがちですが、毎日の小言は、子どもにとっては毎日叱られているのと同じです。
アドバイスは聞き慣れてしまうと、アドバイスではなくなってしまいます。言われ続けることで子どもが自信を無くしてしまうことに繋がる可能性も。叱るときは、ここぞというタイミングを見計らうことも大切です。また一度で改善させようとすると、現実的に無理が生じて親のほうが疲弊してしまいます。焦らず、ゆったりとした姿勢で取り組むことをおすすめします。
まとめ
子どもや周りに危険が及ぶときや、社会のルールに反する内容だったときなど、育児において子どもを叱らなければならないシーンは必ずあります。「叱る」と「怒る」の違いを理解して、子どもが答えを導きやすいような叱り方をするのがポイント。初めての育児のときは特に、初めから上手に叱れる人は少ないでしょう。試行錯誤しながら、焦らずゆったりした気持ちで取り組むようにすれば、いずれ子どもも大人も疲弊しない叱り方が見つかるでしょう。
【参考サイト・文献】