ママとしては脳トレ、筋トレについてどんな印象を持ちますか?トレーニングというと、「厳しく鍛える」「しっかりとした自己管理」というイメージが強いかもしれませんね。
当ブログでも何度かお伝えしている『セルフドリブン・チャイルド 脳科学が教える「子どもにまかせる」育て方』では、このトレーニングこそ脳には大切だと言います。
ただ、脳トレ・筋トレと言われると途端にハードルを高く感じてしまうのも実情です。今回は子どもと一緒に精神や脳、体まで鍛える「トレーニング方法」を解説します。
- 頑張って鍛えることに抵抗を覚えるママ
- 「鍛える」のは大変そうだと思っているママ
- 子どもの脳を育ててあげたいママ
- 脳トレ、筋トレなどの正しいトレーニング方法
- 子どもに「鍛えよう!」と伝える良いアイディア
- 脳科学の視点で「脳トレ」の進め方をわかりやすく解説
「鍛える」ことがもたらす効果

筋トレに注目が集まる理由は、筋肉を鍛えるとさまざまなメリットがあるからです。自分を追い込み目標を達成することで得られる万能感と自信、さらに体型改善や健康にも良い影響があり、精神的にも安定するのだそう。
では、「さあ、鍛えよう!」と子どもを誘っても、乗り気になってくれる子は少ないでしょう。なぜなら、この鍛える・トレーニングが持つ強さに怖がってしまい、面倒に感じる子も多いからです。
まずはトレーニングを始めるきっかけにするために、「鍛える」ことがもたらす効果をチェックしていきましょう。
精神力や根性、忍耐力が養える
トレーニングは何度も繰り返し行い、少しずつ目標をクリアしていきます。また、決して楽なものではなく、ときには「諦めたい」「面倒だけどやらないと…」と葛藤と戦わなければなりません。
この自分を追い込むトレーニングには、忍耐力や根性を養う力があります。さらに、そういった弱い自分を乗り越えたことで「何があっても大丈夫!」と安心感や精神の安定につながるのもメリットです。
達成したこと、できるようになったことで自分に自信がつく
トレーニングには必ず目標があり、例えば「体重〇キロになる」「このトレーニング器具で30kgの負荷に挑戦する」といった明確な乗り越えるハードルがあります。この目標を達成すると達成感が得られ、自分に自信がつくのも大きなメリットです。
ここでは筋トレに例えましたが、バーベルやダンベルを持ち上げることそのものを日常生活で活かす機会はほとんどありません。しかし、「トレーニングではできた」という実績こそが自信につながり、スポーツに限らずさまざまなことに挑戦してみよう!という気持ちを育ててくれるのです。
でも「さあ、鍛えよう!」と強制するのはNG
筋トレから学ぶトレーニングを見てみると、良いことばかり。じゃあ、根気に自信がなく何事も諦めがちなわが子も鍛えて欲しい!そう思うママは多いかもしれませんね。
けれども、「こんなにトレーニングにはメリットがある。じゃあ、さっそく鍛えてみよう!」と声かけをして子どもは付いてきてくれるでしょうか。実際には「やりたくない」「めんどくさい」とネガティブに捉える子がほとんどです。普通は反発します。
しかし、このトレーニングを自然な形で日常生活に取り入れられる方法があるのです。また、もし取り入れるのが難しくても、「こんな戦略もあるんだ」と知っておくだけでママの心の余裕につながります。
ママにも子どもにも優しい「鍛え方」3つのコツ

子どもにも脳のトレーニングを始めて欲しい、鍛えることに触れて欲しい…。そう思っても強制すると途端に振り出しに戻ります。
そこで、ここからはママにとっても子どもにとっても無理のない鍛え方3つのコツを解説します。ぜひ、日常生活に取り入れてください。
明確で達成しやすい目標を立てる
トレーニングの基本は目標です。この目標は子どもにとって、わかりやすく達成しやすいレベルに設定しましょう。漠然としていたり難しくてわかりにくいものは、立派なものだとしても取り組む前に諦めてしまいます。
子どもによって、細かく設定されている目標が良かったり、シンプルなリストアップだけでも良かったりします。どんな形でも構わないので、子どもと一緒に話し合いながら目標を決めてみましょう。
シンプルな言葉、生き生きとした言葉を使う
「トレーニングは素晴らしいもの!でも、苦痛が伴うし乗り越えるためには努力も必要」これはすべて事実ですが、子どもに対してはシンプルな言葉と生き生きとしたポジティブな表現を心がけましょう。
例えば、宿題を渋る子どもがいたとします。「早くやらないと先生に怒られるよ!」「これが終わらないと遊べないよ」と言うよりも、「早く終わらせるとゲームをする時間が増える!」「終わらせることで安心して休日を過ごせる」といった前向きな言葉を使えば、自然とトレーニングに対する意気込みも沸いてきます。
大人がなぜトレーニングを子どもに推奨するのかというと、トレーニングの持つ効果とその後の結果から得られるメリットを把握しているからです。子どもに対して、そのメリットをわかりやすく説明できると良いですね。
代替案を考える
目標を立てて、やる気を出すためにポジティブな言葉も使った。けれども、うまくいくことなど少ないです。途中で予定がどんどん遅れてしまい、挫折してしまうことも珍しくありません。
そんなときは、筋トレで「今日は調子が悪いからこのくらいにしよう」というように、調整できる代替案を考えておきましょう。目標の代わりを持つことで、咄嗟の場合にも慌てず対応できます。
子どもはルーティンを好みます。目標に向かうトレーニングがルーティン化していると継続しやすいのですが、一方でひとたび崩れると「じゃあもういいや」と投げ出してしまうのも事実です。そのときに代わりとなるアイディアをいくつか考えておきましょう。
この代替案に慣れておくと、子ども自身も「乗り越えられないこと」に出会ったとき、柔軟な対応ができます。代替案は妥協ではなく、これも1つのトレーニングだと捉えておくと良さそうです。
ママにも子どもにも優しい「脳トレ」の進め方

では、脳トレを進める際のやり方を見ていきましょう。ここでは3つのポイントを解説します。
子どもの意見を受け入れながら進める
何かに取り組むときは、
- 「これをやる?それともしない?」
- 「どのくらいやる?1日に何時間、もしくは1週間でどのくらい取り組めそう?」
- 「いつやる?目標はどうする?」
という選択を必ず子どもと一緒に行いましょう。トレーニングには目標が大切であり、それは実現可能な範囲で、子ども自身が考えたことでなくてはいけません。
問題の大小、解決方法を見直しながら進める
子どもがトレーニングを身につけ、自分自身をコントロールする力を得るのがこの記事の目的です。しかし、代替案でもあったように、どうしてもうまくいかないときがあります。
なぜうまくいかないのか、また子どもが「トレーニングなんてやりたくない」「どうせやっても無駄だ」と投げ出しそうになったときは、ママのほうからその問題は大きいものなのか、小さいものなのかを聞いてみましょう。大人が決めつけて「そんな問題は小さなもの!」と言うのはNGです。
問題の大小を見極め、解決方法を取り入れて、うまくいかなければまた違う解決方法を見直しながら進めましょう。このときも子どもの意見を聞きながら行うので、トレーニングとは結果として親子の深いコミュニケーションになるはずです。
迷ったら遊びを取り入れる、体を動かす
代替案も問題の見直しも、子どもの意見を取り入れてもうまくいかない!そんなときは、とにかく体を動かしてみましょう。運動は脳を活性化させる働きがあり、もし体を動かせる環境になければ遊んでみるのも1つの手段です。
筋トレは「きつい、辛い」イメージがあるかもしれませんが、体を動かし筋肉を鍛えることは誰でもできます。同じように、体を動かしたり遊んだりしてリフレッシュすることも、誰にでも可能です。
まとめ
自律心や子どもの自主性を育むために必要な「トレーニング」。この言葉が持つ強さに抵抗や反発を覚える子ども、もしくはママだっているかもしれません。
しかし、ご紹介したようにトレーニングを紐解いて課題の乗り越え方、声かけの方法を頭に入れるとそう難しくはないのです。ぜひ、今日から親子でトレーニングを始めてみましょう。
【参考】
『セルフドリブン・チャイルド 脳科学が教える「子どもにまかせる」育て方』 ネッド・ジョンソン、ウィリアム・スティクスラッド著