「子どもにとってどんな育児がいいんだろう?」「子どもが健やかに良い子に育って欲しい」
そう頑張って育児に取り組むママはとても素敵な姿です。しかし、今育児では「子どもに任せる」「子どもの意思を一人の人間として尊重する」というやり方が重視され、その方法が子どもにとっても心地よいことが最新の脳科学研究から解明されつつあります。
当ブログでもたびたびお伝えしてきた「子どもに任せる子育て」。本記事では総括として、脳科学の視点で考える育児との向き合い方をわかりやすく解説します。
この記事は心理学者ウィリアム・スティクスラッドと教育者ネッド・ジョンソン著『セルフドリブン・チャイルド 脳科学が教える「子どもにまかせる」育て方』を参考にしています。
- 育児が思い通りにいかない、子どもが言うことを聞かないと悩むママ
- 子どもにとって何が必要なのか、最新の情報を得たいママ
- わが子の自律心や興味関心、やる気を育てたいママ
- 最新の脳科学の視点で育児との向き合い方を解説
- 公認心理師の視点も交えながら「子どもに任せる子育て」方法を解説
- 「なんだか難しい…」というママ向けに優しく脳科学を解説
子どもにとっての「コントロール感」とは?

子どもにとって何を与えたら良いのか、さまざまな育児論が飛び交いそれをチェックできる現代では「結局何がいいの?」と悩むママの声は多いです。
まずは子どもにとって何がストレスに感じるのか、どうして本記事は「子どもに任せる育児」がおすすめなのかを解説します。
子どもが最もストレスを感じることとは?
子どもが最もストレスに感じることとは、「自分の思い通りに自分が動けないこと」です。これを本記事ではコントロール感と呼びます。
ママにも経験があるかもしれませんが、例えば乳幼児を育児中にストレスに感じるのは「睡眠不足?」「育児の疲労感?」とさまざまあるものの、「自分の思い通りに生活できない赤ちゃん中心の暮らし」が原因といえます。
さまざまな育児論が飛び交う中で、大人は躍起になって子どもを言う通りにさせようとするでしょう。良い子に育てたつもりでも、子どもは前述の「自分の思い通りに生活できない大人中心の暮らし」になっているかもしれません。
「ノーストレス」も実は良くない!?
では、コントロール感を大切にするために、「子どもに完全に任せる育児」にしたとしましょう。子どもの言いなりに好きなだけ好きな遊びをさせ、なんでも与える環境だとしたら最適なのでしょうか。実は、この状況も好ましくないのです。
なぜ「子どもに任せる育児」なのにママがアプローチ方法を学ばないといけないのか、というと、コントロール感を得るには適度なストレスが必要だから。ハードルを乗り越えるためには、子どもに多少のプレッシャーが必要です。
ノーストレス、ストレス0という状況だと、子どもはかえって豊かに育ちません。
コントロール感を得るためにママができること
コントロール感を得るためにママができることはたくさんあります。ですが、まずは「コントロール感とは何か」を正しく理解しておくだけでOKです。
本記事ではさまざまなアプローチを解説します。その中から、「こういう子育て論もあるんだ」とママが知っておき、いざ困ったときの解決手段になれば理想的です。
なんとなく難しいな…と感じるかもしれませんが、気軽に子育ての選択肢の一つとしてこの先を読み進めてみてください。
ママは「コンサルタント」を目指そう!

子どもにコントロール感を与えるために必要なのは、ママのコンサルタント能力です。「コンサルタント?」と聞き慣れない方もいるかもしれません。どんな存在なのか、深く考えてみましょう。
親が目指すコンサルタントとは?
コンサルタントとは、「会社などの組織に対してどこで営業すれば儲かるのか、どんな方法で販売すれば売れるのか、つぶれそうな企業にはどういう立て直し方があるのかを提案する人」です。つまり、会社にとってのサポーター、困ったときの助っ人、頼れるパートナーがコンサルタントといえます。
ママは子どもに対して、素敵なコンサルタントになりましょう。子どもが困ったときにはさまざまなアドバイスを「提案する」のです。決して強制するのではなく、対等な存在として助けられるのが親が目指すコンサルタント像になります。
優秀な育児のコンサルタントになるために
ママが優秀なコンサルタントになるには、まず助ける先の企業である「子ども」を良く知りましょう。興味関心や苦手なこと、理解できる言葉選びなどが当てはまります。
次に、全力でサポートしましょう!ここで「こうしなさい。さもないと罰を与えるぞ!」と高圧的になるのではなく、優秀なコンサルタントとして提案し、「どうやったらいいかな?」と課題を子どもと一緒に分析するのです。
これを意識するだけで、子どもに対して向き合い方が変わります。一気にママと子どもが対等になり、何となくこの先のやり方が見えてくるのではないでしょうか?
「これは誰の問題?」「絶対に大丈夫」の2つを育児に
コンサルタントとして大切なのが、「課題の責任分離」と「相手を安心させる」という2点です。
まずは、解決すべき問題があったとして「宿題しなくて困るのは誰かな?怒ってしまう先生?先生に注意されるママ?それとも宿題をしなかったあなた?」と誰の問題かをはっきりさせましょう。その上で突き放すのではなく、提案するときに意識して「あなたの問題」だと子どもに伝えるようにするのです。
また、コンサルタントとして子どもの人生にかかわるのであれば、「絶対に安心して。ママがついているから」としっかり構えておきましょう。このママがいる安心感こそが、クライアントである子どもの勇気や自信につながります。
子どもに「決定者」になってもらおう

ママができることはさらに続きます。次は、子どもがコントロール感を得るために必要な積極性です。どんなに控え目な子、恥ずかしがりな子でも、最低限の自己主張と決定権は発揮してもらいたいですよね。子どもに「決定者」になってもらうためのアイデアを紹介します。
普段、子どもに選んでもらっている?
前提として、子どもに日々選んでもらっているでしょうか?今日着る服や宿題をする時間、遊ぶ場所や食べるものなど、子どもに意識的に選択肢を与えることをおすすめします。
この「子どもに選んでもらう」ことは「子どもに任せる育児」の第一歩です。
なかなか子どもが迷ってしまって時間がかかる、子どもに任せるとママの手間が増える…という場面も多いのですが、まずは子どもを信頼し選んでもらうことから始めてみましょう。
子どもに任せるのは何だか不安…なママへの合言葉
参考にしているセルフドリブン・チャイルドでは、3つの合言葉が記されています。
- きみについていちばんくわしいのは、きみ自身だ
- きみの頭には脳がある
- きみは人生で成功したい
これは、子どもについて一番詳しいのは子ども自身、さらに子どもには選び考える脳がある、子どもの人生の成功を祈っているのはママではなく子ども自身だという意味です。
冷静に考えると当たり前のこと、ですが、子どもに決めさせられないママにとっては今一度考えて欲しいポイントです。もし子どもに任せられない気持ちのときは、この合言葉を思い出してみましょう。
どうやって決めさせる?年齢別のやり方
決定権を与えるといっても、年齢によってはママの提案も必要です。まずは幼少期には「どっち?」と選択肢を2つに絞って提案を。小学生になると、「これを選ぶとこんなメリットがある。けれども、こんなデメリットもあるよね」と物事の良い面・悪い面両方を考える選択肢に挑戦してみましょう。
中学生以降では、ママはあくまでcです。コンサルタントとして、子どもが悩んだときの相談相手になるのがベストなやり方です。
子どもに任せられない…ママの不安感との向き合い方

子どもがコントロール感を得るには、ママが子どもに「お任せ」することが大切。しかし、頭でわかっていても難しい場面も多数あります。
なぜ子どもに任せることがこれほど大変なのか、ここからはママの中に棲みつく不安感を分析しましょう。
子どもに強制するのはママが「不安」だから
子どもに対してあれこれ指示してしまう、「こうしなさい!」と強制してしまうのは、ママが不安だからです。
現代の日本では、さまざまな情報を見つけやすくなりたくさんの危険が視認できます。こんな怖い世の中に、無垢な子どもにすべてを任せるのは怖い!子どもを心配する不安感から、ママが子どもに対して強制してしまうのでしょう。
大切なのは、ママが自分の不安と向き合い、ストレスや恐怖を管理することです。コントロール感は子どもにとっても大切な要素ですが、与える存在である親にも重要な影響があります。
ママの不安感を取り除く方法
ママの不安感を取り除くには、以下の3つを実行することが大切です。
- 見えない未来のことは考えない
- リフレッシュする時間を持ち、ストレス解消上手なママになる
- 子どもと過ごす時間は楽しむことを最優先に
簡単なようでなかなか実行できないこの3つ。ですが、ぜひママには頭に入れておいて欲しい項目です。
子どものことを考えるあまり、ママは自分のことを後回しにしがち。当ブログでも繰り返しお伝えしていますが、まず子どものメンタルを安定させるには「ママから」精神を健康にし、自分を大切にしましょう。
子どもに不安を伝えないためにできること
ママが持つ「危ないんじゃない?大丈夫?」という不安感は、子どもにも伝わります。ですが、ママが安定して「大丈夫!」とどっしり構えていると、この安堵感も実は子どもに伝わるのです。
そのため、ママは子どもの安全基地として思い切り自分を大切にしましょう。ママのストレスや不安を解消する計画を立て、上手にリフレッシュし、電子機器やテクノロジーに浸かりすぎないようにします。少しのことで良いので今日から変わってみると、子どもはその姿勢を見て学ぶはずです。
子どものやる気をグングン引き出す方法

どんなにコントロール感を与えようとママが頑張っても、子どもが「これやりたい!」と積極性を出さないとうまくいきません。そこで、次は子どものやる気を引き出す方法、モチベーションの種類について知っておきましょう。
子どものやる気を出すためにやってしまうNG例
ママがついやってしまう子どものやる気に対するNG例とは、
- 100点が取れてすごいね!1番だからえらい!と結果だけを褒める
- 〇〇しないとおやつ抜きだよ!お外に出すよ!と脅す
- ご褒美を用意する
これらのやる気を出すための行動は、外的モチベーションを高めてしまいます。外的モチベーションとは、ご褒美や自分にとってメリットになる行為など、モチベーションの対象が「外」に向いているものです。
これだと「1番じゃなければ褒められない」「ご褒美がないと頑張れない」とやる気がかえってそがれる結果に。これを防ぐために「自分がやりたくて頑張った」という内的モチベーションを目指す必要があります。
内的モチベーションを高めるためには?
内的モチベーションとは、モチベーションの対象が「内」つまり自分のために頑張るモチベーションです。このモチベーションを高めるためには、取り組むことはある程度難しくて有意義で、ハードルが高すぎないものに設定する必要があります。
例えば「うちの子は絵を描くのが得意」であれば、ママにとって上手な絵を描かせるように指導するのではなく、画材を増やしたり絵を描くためにスケッチに出かけたり、そんな子どもの挑戦の幅を広げてみると良いかもしれませんね。困難にぶつかったとき、「絵を描く能力を生かして不得意を補えないかな?」と考えてみるのも手段の1つです。
子どものやる気を保つ方法
内的モチベーションを理解したとしても、子どもは興味が変わりやすいためなかなか根気強く続きません。ですが、ママの呼びかけで子どものやる気を少しだけ引き伸ばすことはできます。
それは、ママが褒めること。子どもはママが喜ぶと当然嬉しいので、「もっとやってみよう」と思うはずです。ただし、褒めるのは「過程」だけ。誰よりも優れているだとか、結果がすばらしいだとかの褒め方をせず、「取り組んだことがすばらしい」「ここまで頑張ったことがママも嬉しい」という言い方に徹底しましょう。
「もっと!」と頑張る親子にこそ、休息を

これまでコントロール感を養うことを解説しましたが、読んでいるママとしては「もっと勉強しなきゃ、もっと子どもにチャレンジさせなきゃ!」と意気込んでいるかもしれませんね。
取り組むことは確かに大切。しかし、頑張るママはまずは「休息の大切さ」を知っておきましょう。
現代の子どもはかなり大忙し
現代の子は以前と比べて、かなり大忙しと言われています。子どものために良かれと思って、平日は習い事を詰めて休日はお出かけして…とスケジュールをぱんぱんにしていないでしょうか?
小学校では土日休みを確保するために、子どもに最適なカリキュラムを実行するために、かなりのスピード感で学習が進みます。夏休みの宿題や日々の課題、さらには「子どもに豊かな人生を送って欲しいから」とママの育児論まで詰め込んで、子どもの休息はおざなりになっていないでしょうか?
休息の持つメリット
コントロール感を得るために特に意識して欲しいのが休息です。自分のことを自分でできるために、休息ももちろん上手に取る必要があります。
脳科学の視点から見ても、休息はかえって「能力を高める」と言われています。何にも考えない時間を持つことを瞑想、マインドフルネスと呼びますが、この過程は「いつも稼働している脳を一時的に休めて、またアクティブに動かせる状態にする」ために行うのです。
なんだかうまくいかない、こんなに頑張っているのに…という原因は、休息が足りていないからかもしれません。
休息時間を作るために
休息時間を作るために、まずは電子機器を使わない時間を持ちましょう!ママでさえ常にスマホを見ているのでは、子どもも休まりません。とはいえテクノロジーを生活から排除するのは難しいため、「就寝前の〇時間」「送り迎えをする車の中」などで良いので定期的に休息時間を設けます。
また、このとき親子で休息を取るには会話だけを楽しむのがおすすめです。子どもと一緒にマインドフルネスをしても良いですし、日々の生活や流れる景色の話題も楽しんでみましょう。
睡眠時間はコントロール感に影響大!生活リズムの整え方

休息と同じく意識したいのは、cです。現代の子どもは睡眠時間が減っていることが危惧されていますが、どのように生活リズムを整えるのかアイデアをチェックします。
睡眠を重視すると能力が育つ
子どもに「頭が良くなって欲しい」と思うなら、睡眠時間こそしっかり確保するべきです。睡眠不足は学習能力を下げ、集中力低下を招き、情緒のコントロールさえ奪うことがさまざまな研究から解明されています。
休息と同じように、「何を試してもうまくいかない」というのならまずは睡眠時間の確保から始めてみても良いかもしれません。「努力しなさい!」というと人は頑張ろうとしますが、ここでは「寝るために努力しなさい!」というやや捉え方が難しい課題に取り組みます。
子どもの睡眠時間を確保するには?
子どもの睡眠時間を確保するのは、実は難しいです。親の生活リズムと子どもに推奨されている生活リズムには大きな隔たりがあり、ママの仕事や日々の家事などの進捗具合によっては、子どもの睡眠時間は短くなってしまいます。
また、「朝が苦手」「夜は早く眠たくなる」と個人差が大きいのも睡眠時間の特徴です。脳科学の視点では「早寝から改善する」と生活リズムが整うとされています。
寝坊が多いという方は「早く起きる」のではなく、まずは「早く寝る」ことから始めてみましょう。
「睡眠不足の怖さ」を親子で話し合おう
子どもが積極的に睡眠時間を削ることがあります。ゲームや遊びややるべき課題、また成長すると受験勉強など、子どもは常に時間に追われているからです。
そんな子には「早く寝なさい!」と言っても理解されないかもしれませんね。なぜ、睡眠時間が大切なのかママが教えて「提案」するのも大切です。なぜなら、ママは子どもの優秀なコンサルタントだからです。
睡眠不足になるとイライラする、頭が回らない、健康にも悪影響…などなど、睡眠不足の怖さを親子で話し合うのもおすすめします。
小学校でも「コントロール感」を

コントロール感は大切な要素。しかし、幼稚園や保育園のカリキュラムでは「個性を生かした教育」ができるのに対し、小学校に上がると途端に難しくなります。ここでは学校生活でコントロール感を得るためのポイントを解説します。
コントロールが難しい現代の学校生活
小学校では「学習指導要領」を使ってカリキュラムを組みます。これは「一般的な子ども」にとって良い教育であり、実際には「少し難しいかも」「簡単でつまらない」「遥かに難しい!」とさまざまな思いを抱く子がいるでしょう。平均的なプログラムであり、子ども一人ひとりに合うものではないため、コントロール感を得るために必要な要素が網羅できません。
また、学校生活はただちに改善が難しいもの。学区を選べない地域の子もいますし、金銭的に公立の学校にしか通えない子もいます。ここでは「小学校生活は悪いところだらけ」というのではなく、「こうした小学校の持つ課題を親が理解しておきたい」ということを述べています。
家庭で補える小学生のコントロール感
小学校ではコントロール感を得ることが難しいのなら、家庭で補えばOKです。まず子どもがコントロール感を失い困難に思うことを、小学校生活の中で感じていないかを話し合いましょう。また、家庭であれば個別の注文にもこたえられるため、決して学校生活をトレースする必要はありません。
「宿題の間に休憩をはさみたい」のもOK、「この課題から先に片づけたい」のもOK、学校で疲れてしまった子どもには、家庭で希望を叶えてあげることを優先させましょう。柔軟に子どもに対応することで、自律性も養えます。
学校は悪くない、教え方を知らないだけ
繰り返しになりますが、小学校は決して悪い施設ではありません。先生は教師としての役割を最大限果たしていますし、学校教育はさまざまな分野の専門家が分析し、最適解を提供しています。しかし、子どもにとっては不足が多いのは実情です。
「小学校は悪くないし、先生もベストを尽くしている。けれども、あなたにとって最も良い教え方を知らないだけなの」と子どもには話しておきたいですね。また、その最も良い教え方は「子どもしか」知りません。これを探るために、家庭での暮らしを充実させていきましょう。
テクノロジーと子どもの付き合い方

次は、スマホやゲーム機、テレビ、SNSなどの近年急速に発達した「テクノロジー」の話です。育児においてテクノロジーを排除することは、ほぼ不可能。ではどう付き合うかを考えていきましょう。
最新技術は子どものコントロール感にどう影響する?
テクノロジーに対してママは、「子どもにとって毒!頭が悪くなる」「動画は一切見させないべき!」とさまざまな思いを抱くかもしれません。この最新技術は子どものコントロール感に足して、「良い面もあれば悪い面もある」のが答えです。
例えばアクションゲームは子どもの脳を活性化させ、協力ゲームでは協調性やコミュニケーション能力を育みます。一方で動画やテレビなど子どもが受け身を取る一方方向のツールだけに集中すると、思考力低下や自発性が失われるでしょう。
ママが電子機器に対してできること
ママが電子機器に対してできることとは、まず「最新技術をママが試してみて、どんなメリットとリスクがあるのか」を理解することです。インターネット上ではSNSによってさまざまな危険があり、子どもが被害者になることもあれば加害者になることもあります。
また、こうしたリスクをママが知っておけば防ぐことも良いアドバイスをすることも可能です。
一方でメリットもあるために、まずは大人から試してみるのがおすすめです。テクノロジーは排除が難しいのなら、「飼いならす」のが得策といえます。
テクノロジーのルールを作ってみよう
やりすぎは禁物のテクノロジー。子どもにとって適切なレベルであり取り組むのが簡単な分、依存しやすいのも事実です。そこで、最新機器に子どもが触れるときはルールを設けましょう。
- 「寝る前〇時間は電子機器を使わない」
- 「ベッドには電子機器を持ち込まない」
- 「やることリストをクリアしてから電子機器を楽しむ」
など、子どもと一緒にルールを作ってみましょう。
コントロール感の「トレーニング」とは?

コントロール感を得るために必要なのは「トレーニング」です。筋肉を付けるために筋トレを行いますが、コントロール感を付けるためにも鍛える作業はとても大切。ここでは「鍛える」ことをじっくり考えてみましょう。
トレーニングは強制したら絶対にダメ!
筋トレなどのトレーニング、ママはどんなイメージを持ちますか?「きつい」「つらい」「くじけそうになる」など、ネガティブよりの印象かもしれません。では、子どもに「さあ、鍛えよう!」と持ち掛けても当然反発されるでしょう。
いくらコントロール感を与えたいからといって、トレーニングを強制するのはNGです。ここでは先ほどからご紹介している「提案力」や「子どものやる気を引き出す」ことを重視しなくてはなりません。
トレーニングを始める前にやること
トレーニングを始める前に、以下の3つをやっておきましょう。
- 明確でわかりやすく、達成できる目標を立てる
- シンプルな言葉、生き生きとした言葉を使う
- 代替案を考えておく
トレーニングはつらいもの、我慢して苦労しないと力にならない、と思っているうちは腰が重たくなります。「達成できそうな目標」を立てて、前向きな言葉を使いながら取り組みましょう。さらに、うまくいかなくなったときの代替案があれば挫折する可能性を減らせます。
トレーニングの進め方
では、さっそく取り組んでみましょう!ただ、本記事でご紹介したことを実行するには、子どもの意見が重要です。「これはやりたくない」という子どもの意思があれば、必ず尊重します。
ママができることは、壁にぶつかったときのサポートと気分転換のための遊びです。考えることが難しくなったら、大人が持つ知恵を使って子どもをリフレッシュさせてあげましょう。
学習障害、ADHD、自閉症スペクトラムのコントロール感

コントロール感を得るのが難しい特性の子もいます。「うちの子は普通の育て方では難しいから…」とコントロール感を諦める前に、学習障害・ADHD・自閉症スペクトラム障害の子へのアプローチ方法を押さえておきましょう。
特性があってもコントロール感を忘れないで
特性があると「子どもに任せる子育て」なんて無理、と思ってしまいます。確かに、特性がある子には課題が多く、ご紹介した方法が通じない場面も多数あるでしょう。ただ、参考にした『セルフドリブン・チャイルド 脳科学が教える「子どもにまかせる」育て方』では、どんな障害があってもコントロール感を諦めるべきではなく、「何が子どものコントロール感を阻害するのか」を注意深く考え、適切な支援を選ぶことを推奨しています。
子どもに障害を説明する、親子で理解する
どの障害においても、支援は必要です。ただし、支援を受けるときによく「一緒にいる私が恥ずかしいから」「周りの子と揃えないと親が怒られるから」と親の意見が主軸になることがあります。本当に、その子はその支援を受けたがっているのでしょうか?
まずは子どもに障害があることをわかってもらい(その理解が不可能でなければ、また適した年齢が来たらで構いません)、親子でどんな支援が良いのかを話し合いましょう。もし支援が不適切であれば、代替案が必要です。
親子のストレス解消を第一に
障害がある子は、特にストレスが親子の豊かな生活を阻みます。コントロール感の一番の大敵は、記事冒頭でもご紹介したように「ストレス」です。
さらに子どもに特性がある分、親は「育児よりも自分の休息を優先するのはダメ」と思い込みやすいでしょう。ただ、端的にいうと「ママが元気じゃないと子どもへの支援も回らない」のが実情です。
親子で取り組む瞑想や、子どもが興味を持つストレス解消法など、積極的に取り入れていくと良いでしょう。
まとめ
「子どもに任せる子育て」というと、何となく不安、大丈夫なのかな?と思うママもいるかもしれません。しかし、必死に頑張るママにこそ、「子どもを信頼し子どもの人生を本人に任せる」マインドが必要なのかもしれません。
今すぐに改善しなくても良いので、本記事を参考に少しずつ子どもとの向き合い方を試してみましょう。また、『セルフドリブン・チャイルド 脳科学が教える「子どもにまかせる」育て方』では、受験期の子どもに対する親のアプローチや各項目のより詳しい解説があります。ぜひ、参考にしてくださいね。
【参考】
『セルフドリブン・チャイルド 脳科学が教える「子どもにまかせる」育て方』 ネッド・ジョンソン、ウィリアム・スティクスラッド著