子供が遊んだ後は、おもちゃが部屋中に散らばってあちこちにしまっておいた物が引っ張り出されていますよね。
散らかすのは“子供のお仕事”でもありますが、そうはいっても「子供が自分で片付けてくれたら嬉しいのになぁ」と思うことはありませんか?すでに何度も子供に「お片付けしなさい」と言い聞かせているのに、なかなか聞き入れてくれない!というママもいるかもしれません。
今回はそんな子供の片付ける意味、子供の片付けがはかどる方法を解説します。
片付け習慣を作るのはいつ始めても遅くありません。ぜひ親子で効率の良い片付け方を学び、暮らしに生かしてみましょう。
子供が片付ける意味とは?
子供の遊びを見守っていると、次から次におもちゃを引っ張り出し、大人がいくら片付けてもすぐに散らかってしまいますよね。子供に「一度お部屋を片付けなさい!」と言っても聞き入れてもらえず、結局すべてママが片付けていることも多いのではないでしょうか。
「結局大人がやるのなら、子供に片付けを教える意味なんてないのかも」そう思う方も少なくありません。
ですが、子供に片付けを教える意味は多いにあります。
ここからは子供が片付ける意味を詳しく考えていきましょう。
集団で過ごす練習のため
お片付けは「物を持って移動する」ことができれば、何歳からでも始められます。とはいえ、1~2歳の小さな子供だとなぜ片付けるのかを理解するのはとても難しいです。
そのため、小さな子供にとって片付ける意味とは
- 集団生活の練習
- 体が片付ける動作を覚えるため
などが挙げられます。
3歳になると入園する子もいますし、いずれ小学生になれば「片付けなくてはならないシーン」はたくさん出てきますよね。
そのとき、片付けに体が慣れていると生活しやすくなるかもしれません。この集団生活の練習をするために、片付ける意味はあると言えます。
小さな子に片付けを教える目的はこの記事でも解説しています。参考にしてみてくださいね。▼
ルールを守る力を付けるため
4歳くらいになると集団生活に慣れ、できることも増えますよね。この時期になれば、なぜ片付けるのかという意味を少しずつ教えてあげましょう。
生活するためにはいくつか“ルール”を覚える必要があります。「本当は遊びたいけれど、そろそろお片付けしないといけない」といったシーンでは、やりたいことを我慢して生活のルールに則らなくてはなりません。
この「やりたいことを我慢する」ということは、その後子ども自身が自分の欲求をコントロールしていく自制心や忍耐力という子どもにとってとても大切な非認知能力を培うことにもなります。
このルールを学ぶきっかけとして、片付ける意味は大いにあります。
部屋に物が散らかったままだと、食事もおやつもお出かけもできません。「お片付けしてから〇〇をしようね」と片付けを次の動作の区切りとして扱うと、お片付けからルールを守る力を身に着ける機会が増えるでしょう。
物を大切にする力を付けるため
みなさんは、部屋がキレイに片付いていると心も整うと聞いたことはないでしょうか。確かに物が散らかってぐちゃぐちゃの部屋で暮らしていると、心が荒んでしまいますよね。
乱雑に投げ捨てられたものと棚にキレイに陳列されたもの、同じものでもその扱い方の違いでそのものに対する印象や大切さというのは変わってきます。
片付けない状況が続くと「どうせ散らかっているのだから」と物を雑に扱ってしまい、探し物を見つけようともせず、すでにあるのに新しく物を購入したりするでしょう。
このように物を乱雑に扱うようになるのは、片付けができていないのが原因のひとつ。
片付ける意味とは、物を大切にする力を付けるためでもあります。
整理整頓して「どこに何がいくつあるのか」を把握するのが片付けです。ここまで細かく子供が理解できなくても、片付けることは物への愛着を生み、物を大切にする気持ちを育てます。
子供が上手に片付けるようになる方法とは?
子供が片付ける意味を考えると「できるならお片付け習慣を身に着けて欲しい!」と思いますよね。
とはいえ、多くのママは子供がなかなか片付けてくれず悩みを抱えています。
そこで、子供が上手に片付けられるようなアイデアをまとめました。実践できるものから取り入れてみてください。
遊びの最中は声かけをしない
いくら片付けをして欲しい時でも、遊びに夢中になっている間は「お片付けしてね」の声は届きません。子供の遊びがひと段落したタイミングを見て、声かけをしてみましょう。
ただ、だらだらと遊びの時間は続いてしまうもの。ご飯の前やおやつを始める前、就寝前などの区切りで片付けの時間を設け、子供にとって「片付けを始めるタイミング」を分かりやすくすると良いかもしれません。
最初は片付けられる範囲から
「片付ける意味はたくさんあるのだから」と張り切って子供に片付けをお願いしても、小さな子だとほんの少しからしか片付けられません。
最初から全部のおもちゃを片付けさせるのではなく、「この箱にあるおもちゃだけお片付けしてね」と範囲を決めて始めてみましょう。子供が片付け方に迷うようなら、「このおもちゃを箱にしまって」「本をここに戻してね」と具体的に「何をどうするのか」という指示を出してあげましょう。
目安として、大人でも10分以上かかるような片付けは子供にとって大きな負担です。あまりに散らかっているようなら、大人も一緒にお片付けをしましょう。
パパ・ママと一緒に!
片付けで大切なのは「お手本」を見せることです。
人間にはミラーニューロンという神経細胞があり、これは周りの人がやっていることを見ることで、子ども自身がやっていなくてもその行動を学習することが出来るというものなのです。つまり、お手本を見ているだけでも、子どもはお片付けを学習しているのです。
特に小さな子だと「お片付けとは何をするものなのか」という原点から理解できていないこともあります。
まずはパパ・ママと一緒にお片付けをして、動作を覚えることから始めましょう。ゆっくり片付けに慣れていくことが大切です。
遊ぶように片付ける
子供の片付けで大切なのは、「遊びの要素」を取り入れること。
「どっちが早く片付けられるか、ママと勝負しよう!」と遊んでみたり、「赤色のおもちゃだけお片付けするよ。はい、探してみよう!」とゲーム要素を取り入れたりすると、意外と子供も楽しく片付けがはかどるものです。
気付けば、いつの間にか片付けが終わっていたなんてことも。
ただ闇雲に「お片付けしなさい!」と言っても子供は聞いてくれませんよね。子供の大好きな“遊び”を片付けにプラスして、親子で楽しく片付けしてみましょう。
片付けのあとは褒める
無事に片付けが終わったら、子供を思い切り褒めてあげましょう!
「片付けをしたら部屋がキレイで気持ちいいね」「おもちゃが迷子にならなくて、遊びやすくなるね」と片付けのメリットを言葉にして伝えて、「出来た」という子どもの達成感に共感することが大切です。
片付けができた達成感を覚え、次の片付けにつながるような声かけができると理想的ですね。
片付けしない子供。どうすればいい?
子供が片付けやすくなる方法を考えてみましたが、実践しても「やっぱりお片付けしてくれない!」というケースは多いです。
ママは「私の教え方が悪いのかな」と決して自分を責めず、根気強く片付けを続けていきましょう。
片付けは1日に〇回だけと回数を決める
子供がなかなか片付けをしてくれないと、1日に何度も「お片付けして!」と注意するなどして大人の方が疲れてしまいます。見かねたママが片付けをしても、すぐにおもちゃを引っ張り出されて元通りになることも。
片付けが堂々巡りに感じたら、「お片付けは1日に3回、食事の前だけ」と決めてしまうのもひとつの良い手段です。
回数が決まることで子供にとっても生活リズムが身につき、毎日同じ時間に片付けをすると習慣づきやすくなります。
子供の片付けをやる気にさせるのは、とても大変なこと。1日中「子供に片付けをさせなきゃ」と親子にとって片付け自体が負担になっているのなら、回数を減らしてその分片付けに集中するなど、気持ちを楽にしてみましょう。その方が片付けを継続しやすいです。
何事も、習慣づけるためには、根気よくとにかく続けることが大切です。親にとっても子どもにとっても負担になりすぎない、「続けられる家庭のルール」を作ってあげることが大切です。
何度も繰り返し手本を見せて片付けを一緒にする
繰り返しになりますが、片付けは最初からうまくいきません。子供が片付ける途中で飽きたり、おもちゃに気を取られて遊びを再開させたりするのはよくあることです。
それでも何度も繰り返し片付けの手本を見せて、子供と一緒に片付けをしましょう。
大人でも片付けをさぼりたくなったり、面倒だから後回しにしたりすることはありますよね。ここで片付けを諦めるのではなく、例え片付けをしてくれなくても毎日続けることが大切です。
まとめ
子供に片付けることを教えるのは、たくさんの意味があります。片付けをすると生活が整い、物を大切にすることや生活のルールを学ぶ土台にもなるでしょう。
ただ、最初から片付けが上手な子供は少ないです。何度言い聞かせても片付けしてくれないことも、片付け習慣がなかなか身につかないこともあるでしょう。
それでも大切なのは、繰り返し片付けを親子で練習すること。片付けを楽しむようにすれば、親子の良いコミュニケーションにもなりますよ。
今回ご紹介した片付けアイデアなどを使って、親子で片付けを始めてみましょう。
【参考】
FUJITSU デジタル整理スタイル 片付けって何歳から教えるの?子どもの年齢にあった片付けのポイントがあるんです!