お片付けや食事、身の回りのことなど、子供にルールやマナーを教えるのが躾(しつけ)です。
子供が大きく育つ以上、必ずママ・パパは躾しなければなりません。しかし、小さな子だと「今は言葉も分からないし、躾しなくても良いのでは?」と悩んでしまいますよね。
今回はそんな子供の躾は何歳から始めるべきなのか、小さな子に言い聞かせするにはどうすればよいのかを考えていきます。
子供の躾(しつけ)何歳から始めた?みんなの体験談
子供の躾は何歳から始めたのか、実際に子育てを経験したママに話を聞いてみました。まずはリアルな体験談から見ていきましょう。
0歳から躾は始めていたママ
言葉が分からない・まだ子供もしゃべらない時から躾を始めるママもいました。0歳でも、おもちゃを振り回したり打ち付けたりしていたら、手を押さえて「これはやったらいけないよ」と教えたり、食べ物で遊んでいると「じゃあおしまいだよ」と取り上げたりして伝えていたそうです。
これには理由があり、いずれ大きくなるとルールやマナーを学ぶ機会は訪れます。その時、子供が「前まではダメって言わなかったのに、なぜ突然怒られたの?」と混乱させないため。確かに躾を始める年齢によっては、「どっちが正しいのか分からない」と子供を戸惑わせてしまいそうですね。結果として2~3歳になった時、子供は躾に対して応えてくれる場面は増えたと感じています。
ただし、両親からは「少し注意しすぎじゃないの?」と厳しさを注意されたこともあったようです。
子供が言葉を分かるようになってから始めたママ
次は年子の兄弟を育てるママの体験談です。年子育児だけあって、躾に時間がかけられなかったため、上の子は言葉が分かるようになってから躾を始めました。下の子は「いつから」と決めてはおらず、4歳になった今は教えることがたくさんある…と感じているそうです。
ただし、この躾をしないメリットもあり、下の子は言われずとも上の子の姿を見て学ぶことや、上の子が下の子を見て「○○しちゃダメでしょう」と教えることもあるそう。また、躾に時間を割けなかった乳児期に、無理に「躾をしなきゃ!」と焦らずゆとりをもって育児できたことも「我が家にとっては最善の形だった」とママは振り返っています。
子供の躾は何歳からがおすすめ?
子供に対して「躾を始める年齢」はありません。体験談にあったように、0歳からでも教えることはできますし、十分に躾できない場合はママが気持ちに余裕を持つために、子供が理解できる年齢まで待ってからでも遅くはないのです。
ただし、工夫したいのは年齢に合わせて声掛けを工夫すること。次は年齢別にどう子供に躾をするのかを解説します。
【0~1歳】優しい言葉で善悪だけ伝える
0~1歳の子供は、例え躾したとしても正しく理解できることは少ないです。長々と「やってはならない理由」をお話しても子供には伝わらないため、端的な言葉・分かりやすい言葉を使ってやってよいこと・悪いことを教えてあげましょう。
声だけで躾するのではなく、手でバツを作って「ダメだよ」丸を作って「これは良いことだよ」とジェスチャーで伝えるのも効果的です。まだ「なぜやってはいけないのか」は教えなくてOK。善悪のみを教えましょう。
【1~2歳】子供の気持ちに共感して言い聞かせを
1~2歳の子は、簡単な言葉なら理解できるようになります。まずはなぜ躾するのかを言葉で説明して、子供に自分の行動を客観視してもらいましょう。その上で、どうしてダメなのかを説明すると伝わりやすいです。
例えば子供がおもちゃを投げたとします。危ないのでママとしては止めなくてはなりません。「今おもちゃを投げたよね」と行動を言葉に変え、「でもぶつかったらいたいいたいだよ」とジェスチャーも加えてなぜダメなのかを説明します。
【2~3歳】基準を設けて叱る・褒めるを使い分ける
できることがたくさん増えて、行動範囲も広がる2~3歳。この頃から躾を始めるというママも多くいます。確かに「ダメ!」と教える場面も増えるのですが、時には「これをやるのは良いこと」と子供の行動を褒めるのも忘れずにしておきたいものです。
また、良いことと悪いことの基準を教え始めるのも、2~3歳にはぴったりの時期です。「ここまでしたらママは怒るよ」「これはやったらダメだよ」と躾する基準も合わせて説明すると、子供は物事の理解が深まります。
【4歳以降】お友達やママの気持ちも説明する
4歳を過ぎたら、次第にお友達やママなど他人の気持ちを考えるようになります。幼稚園や保育園などに通う子供も増えますよね。
周りと一緒に過ごす中で、「なぜこれをやったらいけないのか」「これをされると、お友達はどんな気持ちになるのか」までを一緒に考えるような言葉がけに変えましょう。これまでの躾では一方的に「やってはダメなこと、良いこと」を教えてもらうだけでしたが、少し成長した4歳からは「どういう行動をすればよかったのかな?」と子供に考えるきっかけを与えるのも、躾の方法の一つです。
子供の躾で気をつけたいこと
子供の躾とは、決して「怒ること」ではありません。怒り過ぎたり子供を責めたりしないよう、ママは以下の3つのポイントを意識して子供と向き合ってみてください。
感情的にならない、もしママが間違えたら謝る
躾する時は、決して感情的になってはいけません。躾とは子供を正しい道へと導くもので、子供の気持ちやどう受け取ったのかをまず考えるべきものです。
ただし、イライラしたりママの余裕がなければきつい言葉を使ったりすることもありますよね。もし間違えたとしても、取り返しがつかないわけではありません。
「言い過ぎてごめんね」「怒ってごめんね」とママが間違えたら、素直に認めて謝りましょう。子供にとってもそんな素直な大人の行動こそ、良いお手本になるはずです。
行動を言葉で繰り返す、会話を繰り返す
どうしても躾が「頭ごなしに叱ってしまう」ようになる時は、子供の言葉を繰り返して共感しましょう。例えば子供がご飯を食べなかった時、「でも、まだ遊びたかったんだもん」と訴えたとします。「そうか、まだ遊びたかったんだね」と一度行動や言葉を繰り返して子供の言い分をしっかり聞くのも大切です。
まだお話できない子に対しては、行動をママが言葉にしてあげましょう。子供にとっても、ママが共感したうえで伝えてくれた言葉は、聞き入れやすいものです。
躾は一度では終わらない!根気強く子供を信じる
上記でご紹介したように、うまく躾できた!と思っても、次の日にはまた同じように躾が必要な場面が出てきた…。これはよくあることです。
大人でもそうですが、一度注意を受けても繰り返しやってしまうことはありますよね。子供にとっても同じで、躾は長い目で見て子供を信じて待つことが大切です。一度言ったからといってすぐ直るわけではないので、繰り返し教えてあげましょう。ママにとっては根気が試されますが、「いつかきっとわかってくれる」と子供を信じて、優しく見守るようにしましょう。
まとめ
気になる子供の躾を始める年齢。「何歳から躾を始めたら良いの?」と悩むことはありますが、それぞれの家で違う躾の在り方があって良いものです。子供に適した時期がきたら、押し付けにならないよう子供の気持ちも考えながらルール・マナーを教えてあげましょう。
【参考】
子供のしつけは何歳から?年齢によって叱り方を変えるべき? Hanako ママ web